◆新年早々から、講演のため地方を巡っている。広島、大阪、茨城、長崎、新潟、長野、札幌と腰の温まる暇もない。
行く先々で、商工関係団体の中小企業経営者の不満を聞かされた。そのなかで圧倒的に多かったのは、福田康夫首相に対する不満であった。とくに経済・景気政策が「無策」であることについての不満であり、厳しい批判を通り越しており、いまや「諦め」の感さえある。
◆それでも、何かを「突破口」にしようと懸命に模索を続けている。突破口は、簡単に見つかるはずもないけれど、アイデアのなかには、「カジノ」に夢を託そうという案があり、大真面目に運動を起こしている人たちがいる。
その一つが、「長崎高島炭鉱跡地カジノ構想」である。この島は、長崎市内から離れた孤島なので、子どもの教育に悪い影響を与える危険性が少なく、長崎市内の青年経営者らが中心になり、「何とか実現し、世界中から観光客を呼び込み、長崎を元気にしたい」と熱心に取り組もうとしている。
◆「カジノ」と言えば、東京都の石原慎太郎知事が、知事選挙の公約の柱の一つにして、その実現に向けて、一時、盛んに推進運動を展開していたけれど、最近は、「カジノ」の「カ」の字も聞かなくなっている。どうも頓挫したようだ。
しかし、その一方で、現実味を帯びてきている動きがある。それは「沖縄カジノ構想」である。この構想は、自民党の中川秀直元幹事長が、沖縄県に「カジノ」を含む「複合エンターテイメント施設」建設に強い意欲を示している。
建設場所は、米軍再編により在沖縄米海兵隊がグアムに移転するのに伴い返還される基地の跡地。カジノの法制化は、自民党「カジノ・エンターテイメント検討小委員会」(岩屋毅委員長)が小泉政権時代から議論を進め、2006年6月に党の「基本方針」を策定していた。
中川氏は、「上げ潮成長路線」を掲げて、政府の積極財政策を提唱、その一環として2007年秋の臨時国会に議員提案により、「沖縄カジノ」を実現しようとした。ところが、海上自衛隊によるインド洋での給油継続を図る「新テロ特措法」の国会成立をめぐる与野党の攻防に埋もれてしまい、法案提出が不発に終わった。
◆民主党の平野貞夫元参議院議員(引退)が、現職中に「高知カジノ構想」を打ち上げたことがあり、この流れから「沖縄カジノ」の実現には、野党第1党の民主党も基本的に賛成しており、中川氏は「今度こそ、議員立法により沖縄カジノ構想を実現するため、通常国会中に法案を成立を図る」と日本初のカジノ誕生に自信を深めている。
さて、二宮金次郎を尊び貯蓄好きな日本人のDNAを「博打好き」の「投資民族」に組み替えることができるかどうか。「カジノ構想の実現」が試金石となっている。

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行く先々で、商工関係団体の中小企業経営者の不満を聞かされた。そのなかで圧倒的に多かったのは、福田康夫首相に対する不満であった。とくに経済・景気政策が「無策」であることについての不満であり、厳しい批判を通り越しており、いまや「諦め」の感さえある。
◆それでも、何かを「突破口」にしようと懸命に模索を続けている。突破口は、簡単に見つかるはずもないけれど、アイデアのなかには、「カジノ」に夢を託そうという案があり、大真面目に運動を起こしている人たちがいる。
その一つが、「長崎高島炭鉱跡地カジノ構想」である。この島は、長崎市内から離れた孤島なので、子どもの教育に悪い影響を与える危険性が少なく、長崎市内の青年経営者らが中心になり、「何とか実現し、世界中から観光客を呼び込み、長崎を元気にしたい」と熱心に取り組もうとしている。
◆「カジノ」と言えば、東京都の石原慎太郎知事が、知事選挙の公約の柱の一つにして、その実現に向けて、一時、盛んに推進運動を展開していたけれど、最近は、「カジノ」の「カ」の字も聞かなくなっている。どうも頓挫したようだ。
しかし、その一方で、現実味を帯びてきている動きがある。それは「沖縄カジノ構想」である。この構想は、自民党の中川秀直元幹事長が、沖縄県に「カジノ」を含む「複合エンターテイメント施設」建設に強い意欲を示している。
建設場所は、米軍再編により在沖縄米海兵隊がグアムに移転するのに伴い返還される基地の跡地。カジノの法制化は、自民党「カジノ・エンターテイメント検討小委員会」(岩屋毅委員長)が小泉政権時代から議論を進め、2006年6月に党の「基本方針」を策定していた。
中川氏は、「上げ潮成長路線」を掲げて、政府の積極財政策を提唱、その一環として2007年秋の臨時国会に議員提案により、「沖縄カジノ」を実現しようとした。ところが、海上自衛隊によるインド洋での給油継続を図る「新テロ特措法」の国会成立をめぐる与野党の攻防に埋もれてしまい、法案提出が不発に終わった。
◆民主党の平野貞夫元参議院議員(引退)が、現職中に「高知カジノ構想」を打ち上げたことがあり、この流れから「沖縄カジノ」の実現には、野党第1党の民主党も基本的に賛成しており、中川氏は「今度こそ、議員立法により沖縄カジノ構想を実現するため、通常国会中に法案を成立を図る」と日本初のカジノ誕生に自信を深めている。
さて、二宮金次郎を尊び貯蓄好きな日本人のDNAを「博打好き」の「投資民族」に組み替えることができるかどうか。「カジノ構想の実現」が試金石となっている。

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