goo blog サービス終了のお知らせ 

海上自衛隊は、「五省」の一つ「不精に亘るなかりしか」を忘れたのか

2008年02月21日 19時29分56秒 | 政治
◆「やっぱり」という感じなのが、イージス護衛艦「あたご」の漁船衝突事故である。報道によると見張り要員が、衝突の「12分前」に「清徳丸」から発せられる「赤い灯り」を目視していたというのに、デッキの当直士官に連絡されていなかったという。「あたご」は、「自動操舵」を解除もせず、漁船群に突っ込み、そのなかの一隻「清徳丸」に衝突したというから呆れ果ててしまう。
◆「あたご」の失敗は、東京湾に近づいていたころ、早く「自動操舵」を解除して、手動に切り替えて操舵しておくべきだった。次に沿岸地域の「漁協」に対して、魚場への進入を事前に予告して、現場の漁船群に警戒するよう知らせておけばよかった。これらを怠ったのは、文字通り怠慢である。旧帝国海軍から伝わる「五省」の一つである「不精に亘るなかりしか」を忘れていたのかも知れない。
もう一つ、これは自衛隊全般に言えることではあるが、上官が部下を動かそうとしても、部下は、素直に動こうとしない風潮がある。海上自衛隊幹部候補生学校時代の小生の同期生が、かなり以前から嘆いていた。同期生が言うには、「休暇を与えるからやってくれと言わなければ、命令に従おうとしない」というのである。「あたご」の見張り要員が、上官の命令に従わなかったというわけではないが、陸上でも海上でも、上官が部下を使いこなすのは、簡単ではないらしい。見張り要員が「赤い灯り」を見ていたにもかかわらず、レーダー要員に連絡もしていなかったというのであるから、何をかいわんやである。
◆今回の事故で、自衛隊の悪しき風習が、またもや露呈している。一つは、「情報隠しの体質」であり、「報道機関に対する報道管制の体質」である。「情報隠し」は、インド洋に派遣された艦船が「航海日誌」を捨てたという不祥事である。「海の男」が、果たして「航海日誌」を捨てるだろうか。常識ではあり得ない。ということは、政治的に都合の悪いものは、「捨てた」ことにしたとしか考えられない。二つ目は、横須賀総監部の山崎郁夫幕僚長が、行方不明の乗組員の家族に対して、「報道機関に余計なことはしゃべらないように」と釘を刺して回ったというから、驚きである。
◆いまや自衛隊は、どうもかつての旧軍時代のように、市民から隔絶した集団になろうとしているらしい。創設時代に目指したはずの「市民の軍隊」は、どこに行ったのであろうか。由々しき事態である。  
にほんブログ村 政治ブログへ
ブログランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする