◆週刊文春が7月11日、「小沢一郎氏『連日連夜の会合』 政治的影響力低下に滲む焦り」(7月14日号掲載)という見出しをつけて、小沢一郎元代表の動静をレポートして、「政治的影響力低下に滲む焦り」と判定している。
しかし、週刊文春が、小沢一郎元代表の動静について、どこまで事の真相を正しくつかんでいるかを、この判定が正しいか、間違っているかを、即断するのは、危険である。じっくりと真偽を見極めなくてはならない。
私の愛読書『統帥綱領』(大橋武夫著)に書かれている「将帥についての名言」に次のような言葉がある。「事の真相を正しく見極めることは困難である。事は予想どおり現れているのに、全然予想が外れたように見えることが多い。目前の幻影を取り去って、真相をつかむことが大切である」
とくに、「連日連夜の会合」=「政治的影響力低下に滲む焦り」と短絡的に結論づけているのは、早とちりも甚だしい。
小沢一郎元代表の「連日連夜の会合」は、あくまでも表向き、目に見える現象にすぎない。これをもって、小沢一郎元代表の動静のすべてであるかのように、受け取るのも、拙劣であろう。
孫子軍争篇第7に「風林火山陰雷」という言葉がある。「風林火山」までは有名である。だが、もっと大事なのが、「陰雷」政治的影響力低下に滲む焦りである。「知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆の如し」と読む。「暗闇に身をひそめたかと思えば、万雷のようにとどろきわたる」と訳す。
新聞であろうと、月刊誌や週刊誌であろうと、マスメディアは、「知り難き暗闇」を抉り出して明るみに出す、すなわち、白日の下に曝け出すのが、使命である。だから、「連日連夜の会合」ごときに満足して、「暗闇」に対する取材をはしょって、ストレートに「政治的影響力低下に滲む焦り」と決め付けてはならない。
孫子はこの「陰雷」の後で、「郷を掠(かす)むるには、衆を分かち、地を廓(ひろ)むるには利を分かち、権を懸(か)けて動く。迂直の計を先知する者は勝つ。これ軍争の法なり」と説いている。
わかりやすく訳すと「兵士を分遣しては村落を襲い、守備隊をおいて占領地の拡大をはかり、的確な情況判断にもとづいて行動する。要するに、敵に先んじて『迂直の計』を用いれば必ず勝つ。これが勝利する条件である」(守屋洋著「孫子の兵法」ーライバルに勝つ知恵と戦略)ということである。「迂直の計」とは、遠回りしているように見せかけて敵を油断させ、敵より早く到着する計略のことをいう。
◆しかし、週刊文春の「小沢一郎氏『連日連夜の会合』 政治的影響力低下に滲む焦り」(7月14日号掲載)と題する記事を読んだ「反小沢派」が、小沢一郎元代表は「政治的影響力低下」により「焦っている」と受け取れば、小沢一郎元代表は、「しめしめ」と思うかも知れない。
「兵は、詭道なり」、すなわち「戦いは、しょせん、騙し合いである」と言うように、「権力闘争」においても、根本には「政敵を欺く」策道があるということを忘れてはならない。とりわけ、代議士になり、42年間も、権謀術数渦巻く政争の間に身をおいてきた小沢一郎元代表の動静を日々の耳目に入る現象のみで判断していると、事の本質を見誤ってしまう。結論的に言えば、この記事は、「反小沢派」を騙す「目くらまし」の効果があるとすれば、かなり秀逸な謀略記事と言えるだろう。
なお、最近の小沢一郎元代表の「陰の部分」の一端については、「板垣英憲情報局」にて、紹介するので、以下の【参考】と対照しながら、読んでいただきたい。
◆【参考】週刊文春か7月11日、「小沢一郎氏「連日連夜の会合」 政治的影響力低下に滲む焦り」(7月14日号掲載)を以下のように)配信した。
「いっこうに辞める気配のない菅直人首相の前に、存在感がかすむ一方なのが、民主党の小沢一郎元代表だ。小沢氏は六月二十九日夜、東京・四谷の寿司屋で鳩山由紀夫前首相と会談し、『なかなか、しぶとい男だなあ』『尋常な精神力じゃない』と愚痴をこぼしあった。鳩山氏は内閣不信任決議案でともに『菅降ろし』を仕掛けながら、土壇場で裏切った人物。その鳩山氏と語りあい、『まあ、次の代表選では連携しよう』と確認しあったところに、小沢氏の苦境がにじむ。事実、最近の小沢氏は誰とでも会う。鳩山氏と会談した翌日には、首相補佐官を退任して事務所へ来た馬淵澄夫前国土交通相を『いろいろと大変だったな』とねぎらい、『またいろいろ聞かせてほしい』と今後の連携を約束した。夜は赤坂の『飲み会』で側近議員を前に『菅は本当によく分からない奴だ』などと首相を批判する一方で『鳩山さんも、よく分からないんだよな』と本音を漏らす場面も。連日連夜の会談、居酒屋や東京・深沢の自宅での側近たちとの小沢氏の会合を、民主党の他グループ議員は『求心力が落ちた焦りの表れ』と冷ややかに分析する。不信任案の採決前日には七十人を集めて『さすがは小沢氏だ』と党内外を唸らせたが、いまや小沢一派も足並みが乱れる。
六月下旬には側近の一人、中塚一宏氏が『ポスト菅』の有力候補である野田佳彦財務相に会って『財務相を辞め、増税路線もやめれば代表選に推す』と伝えた。これに岡島一正氏ら『四天王』といわれる最側近グループが激怒する一幕もあった。選挙基盤が弱く、菅首相の『脱原発解散』におびえる若手たちに、小沢氏は『解散なんてできるはずがない。二年後にダブル選挙だ』と鼓舞するが、具体的に阻止する手立てがあるわけでもない。『四十~五十人をまとめて代表選で勝負。勝てる候補なら野田でも、前原誠司前外相でもいい』(小沢グループ幹部)と息巻くが、相手側が受け入れる保証もない。唯一の明るい話題は、一連の『政治とカネ』問題の公判で、東京地裁が元秘書らの調書の一部を採用しないと決定したことくらい。『小沢氏本人が無罪となる可能性が高まった』と側近はみるが、それでも判決はまだまだ先。『ポスト菅』の代表選には間に合わず、当面、小沢氏が政治的影響力を発揮できる状況にはない」
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
小沢一郎元代表は親衛隊「一新会」を表の部隊と裏の部隊に分けて、小沢一郎政権樹立を目指して代表選の「票固め」と「衆参ダブル選挙」の準備を進めている
◆〔特別情報①〕
小沢一郎元代表に近い筋の情報によると、小沢一郎元代表が、「陰」に潜んで「迂直の計」を着々と進めているという。その情報を整理すると、以下のようになる。
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『自・社連合が小沢一郎への逆襲をはじめた』1994年7月30日刊

もくじ
2章 田中角栄門下生たちによる骨肉の争い
―自民党内の小沢一郎包囲網の暗躍
東大出身の官僚政治家による小沢一郎包囲網
自民党、旧連合政権、ともに、現在の上層部には高級官僚出身者はいない。いずれも、自民党のいわゆる党人派出身である。その意味で自民党、旧連合政権の二つの勢力は、自民党で育った党人派の対立という側面を持っているのである。
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四王天延孝陸軍中将の名著「猶太(ユダヤ)思想及運動」 No.121
第二章 第一世界大戦
前回からの続き
扨右墺國皇儲及同妃暗殺につき墺國政府は七月二十三日セルビヤに対し要求を提出して、四十八時間以内に同答を求めた。
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「孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学」(PHP文庫)
板垣英憲著(←amazonへジャンプします)
ソフトバンクを3兆円企業に育て上げた稀代の起業家・孫正義。その成功の原動力となったのが、自らの人生・経営哲学を「25文字」の漢字に集約した「孫の二乗の法則」である。これを片時も忘れないことで、孫は幾多の苦難を乗り越えてきた。では、私たちが自分の仕事や人生に活用するにはどうすればいいか。その秘訣を本書では伝授する。「孫の二乗の法則」を本格的に解説した唯一の書、待望の文庫化!(本書カバーより)
しかし、週刊文春が、小沢一郎元代表の動静について、どこまで事の真相を正しくつかんでいるかを、この判定が正しいか、間違っているかを、即断するのは、危険である。じっくりと真偽を見極めなくてはならない。
私の愛読書『統帥綱領』(大橋武夫著)に書かれている「将帥についての名言」に次のような言葉がある。「事の真相を正しく見極めることは困難である。事は予想どおり現れているのに、全然予想が外れたように見えることが多い。目前の幻影を取り去って、真相をつかむことが大切である」
とくに、「連日連夜の会合」=「政治的影響力低下に滲む焦り」と短絡的に結論づけているのは、早とちりも甚だしい。
小沢一郎元代表の「連日連夜の会合」は、あくまでも表向き、目に見える現象にすぎない。これをもって、小沢一郎元代表の動静のすべてであるかのように、受け取るのも、拙劣であろう。
孫子軍争篇第7に「風林火山陰雷」という言葉がある。「風林火山」までは有名である。だが、もっと大事なのが、「陰雷」政治的影響力低下に滲む焦りである。「知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆の如し」と読む。「暗闇に身をひそめたかと思えば、万雷のようにとどろきわたる」と訳す。
新聞であろうと、月刊誌や週刊誌であろうと、マスメディアは、「知り難き暗闇」を抉り出して明るみに出す、すなわち、白日の下に曝け出すのが、使命である。だから、「連日連夜の会合」ごときに満足して、「暗闇」に対する取材をはしょって、ストレートに「政治的影響力低下に滲む焦り」と決め付けてはならない。
孫子はこの「陰雷」の後で、「郷を掠(かす)むるには、衆を分かち、地を廓(ひろ)むるには利を分かち、権を懸(か)けて動く。迂直の計を先知する者は勝つ。これ軍争の法なり」と説いている。
わかりやすく訳すと「兵士を分遣しては村落を襲い、守備隊をおいて占領地の拡大をはかり、的確な情況判断にもとづいて行動する。要するに、敵に先んじて『迂直の計』を用いれば必ず勝つ。これが勝利する条件である」(守屋洋著「孫子の兵法」ーライバルに勝つ知恵と戦略)ということである。「迂直の計」とは、遠回りしているように見せかけて敵を油断させ、敵より早く到着する計略のことをいう。
◆しかし、週刊文春の「小沢一郎氏『連日連夜の会合』 政治的影響力低下に滲む焦り」(7月14日号掲載)と題する記事を読んだ「反小沢派」が、小沢一郎元代表は「政治的影響力低下」により「焦っている」と受け取れば、小沢一郎元代表は、「しめしめ」と思うかも知れない。
「兵は、詭道なり」、すなわち「戦いは、しょせん、騙し合いである」と言うように、「権力闘争」においても、根本には「政敵を欺く」策道があるということを忘れてはならない。とりわけ、代議士になり、42年間も、権謀術数渦巻く政争の間に身をおいてきた小沢一郎元代表の動静を日々の耳目に入る現象のみで判断していると、事の本質を見誤ってしまう。結論的に言えば、この記事は、「反小沢派」を騙す「目くらまし」の効果があるとすれば、かなり秀逸な謀略記事と言えるだろう。
なお、最近の小沢一郎元代表の「陰の部分」の一端については、「板垣英憲情報局」にて、紹介するので、以下の【参考】と対照しながら、読んでいただきたい。
◆【参考】週刊文春か7月11日、「小沢一郎氏「連日連夜の会合」 政治的影響力低下に滲む焦り」(7月14日号掲載)を以下のように)配信した。
「いっこうに辞める気配のない菅直人首相の前に、存在感がかすむ一方なのが、民主党の小沢一郎元代表だ。小沢氏は六月二十九日夜、東京・四谷の寿司屋で鳩山由紀夫前首相と会談し、『なかなか、しぶとい男だなあ』『尋常な精神力じゃない』と愚痴をこぼしあった。鳩山氏は内閣不信任決議案でともに『菅降ろし』を仕掛けながら、土壇場で裏切った人物。その鳩山氏と語りあい、『まあ、次の代表選では連携しよう』と確認しあったところに、小沢氏の苦境がにじむ。事実、最近の小沢氏は誰とでも会う。鳩山氏と会談した翌日には、首相補佐官を退任して事務所へ来た馬淵澄夫前国土交通相を『いろいろと大変だったな』とねぎらい、『またいろいろ聞かせてほしい』と今後の連携を約束した。夜は赤坂の『飲み会』で側近議員を前に『菅は本当によく分からない奴だ』などと首相を批判する一方で『鳩山さんも、よく分からないんだよな』と本音を漏らす場面も。連日連夜の会談、居酒屋や東京・深沢の自宅での側近たちとの小沢氏の会合を、民主党の他グループ議員は『求心力が落ちた焦りの表れ』と冷ややかに分析する。不信任案の採決前日には七十人を集めて『さすがは小沢氏だ』と党内外を唸らせたが、いまや小沢一派も足並みが乱れる。
六月下旬には側近の一人、中塚一宏氏が『ポスト菅』の有力候補である野田佳彦財務相に会って『財務相を辞め、増税路線もやめれば代表選に推す』と伝えた。これに岡島一正氏ら『四天王』といわれる最側近グループが激怒する一幕もあった。選挙基盤が弱く、菅首相の『脱原発解散』におびえる若手たちに、小沢氏は『解散なんてできるはずがない。二年後にダブル選挙だ』と鼓舞するが、具体的に阻止する手立てがあるわけでもない。『四十~五十人をまとめて代表選で勝負。勝てる候補なら野田でも、前原誠司前外相でもいい』(小沢グループ幹部)と息巻くが、相手側が受け入れる保証もない。唯一の明るい話題は、一連の『政治とカネ』問題の公判で、東京地裁が元秘書らの調書の一部を採用しないと決定したことくらい。『小沢氏本人が無罪となる可能性が高まった』と側近はみるが、それでも判決はまだまだ先。『ポスト菅』の代表選には間に合わず、当面、小沢氏が政治的影響力を発揮できる状況にはない」
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もくじ
2章 田中角栄門下生たちによる骨肉の争い
―自民党内の小沢一郎包囲網の暗躍
東大出身の官僚政治家による小沢一郎包囲網
自民党、旧連合政権、ともに、現在の上層部には高級官僚出身者はいない。いずれも、自民党のいわゆる党人派出身である。その意味で自民党、旧連合政権の二つの勢力は、自民党で育った党人派の対立という側面を持っているのである。
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第二章 第一世界大戦
前回からの続き
扨右墺國皇儲及同妃暗殺につき墺國政府は七月二十三日セルビヤに対し要求を提出して、四十八時間以内に同答を求めた。
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