◆クレージー・キャッツのメンバーで俳優の植木等さんが3月27日午前10時41分、逝去された。80歳だったという。団塊の世代から見ると親の世代だが、どことなく同世代のような気分の俳優だった。大東亜戦争をくぐり抜け、高度経済成長を築き上げた「猛烈社員」が奮闘した時代の代表者でもあった。「無責任」シリーズ、「日本一」シリーズでは、いつもは緊張してヘトヘトに疲れていた猛烈社員たちのストレスを発散させ、気楽にさせてくれた。その軽さと笑いは、社会的カタルシスを吹き飛ばし、メンタルヘルスの面で大きな効能と次の日に向けての「モチベーション」を高める役目を果たした。いわば「社会の健康薬」であったと言ってよい。大変な時代こそ、こういう俳優の存在が必要なのである。
◆不況を乗り越え、景気が上向いているとはいえ、格差社会はますます酷くなり、安倍首相とその側近たちは、時代を戦前に巻き戻そうとしている感がある。前向きではなく後ろ向きでは、国民に明日への夢を抱かせることはできない。
安倍首相は大東亞戦争時代、戦争を推進させた東条内閣の閣僚だった岸信介元首相を祖父に持ち、祖父の成し得なかった「戦前回帰」と「軍事大国化」への道をひた走り続けている。下村博文官房副長官は、古色蒼然たる保守思想の持ち主であり、アメリカのネオコン顔負けである。自民党側では、河村建夫元文相が憲法改正に向けて「国民投票法案」を5月3日の憲法記念日前までに成立させようとゴリ押ししている。この政治家の系譜も、「戦前回帰」である。満州事変が起きたとき昭和天皇の勘気を被った田中義一首相(元陸軍高崎連隊長、事実上の戦争犯罪人)の庶子に生まれた田中龍夫元文相(満州鉄道官僚を経て、戦争中、企画院員で物動政策を担当し戦争を推進)の秘書的県議(山口県)を務めたのが、河村元文相である。福田赳夫元首相(旧高崎中学から一高、東大卒)の金庫番を務めた田中龍夫元文相の実子は能力がなく、このため河村元文相が地盤を継承した。
◆こうした系譜は、安倍首相が、大東亜戦争を遂行した日本陸軍の中核にいた「長州閥」の末裔であることを物語る。憲法を改正し再び「富国強兵策」を行うつもりなのであろうか。この思想の持ち主であるがゆえに、アメリカの政界やジャーナリズムから批判されている「従軍慰安婦」問題に対して、頑固な姿勢しか取れないのであろう。いずれにしても、下村官房副長官ら側近や河村元文相ら取り巻きが悪すぎる。いまの日本の空気が重苦しいのは、このためである。植木さんが他界されて、ますますその感が強くなってきた。
◆読売新聞の3月27日付朝刊、コラム「編集手帳」は、東北新幹線の各座席に置いてあるPR誌「トランヴェール」の特集「平泉の桜と みちのくの西行を旅する」を取り上げていた。コラム氏は「次代を担う若木も同時に育てて欲しい」と文を結び、高齢化の進む花守の後継者づくりを訴えていた。それはともかくとして、「トランヴェール」は、西行が詠んだ和歌を文末に掲げている。
願わくば花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃
植木さんは、桜が咲きほころぶなか、家族に見守られて静かに息を引き取られた。幸せな死に方だった。天国では、ハナ肇さんや青島幸男さんらと賑やかに花見としゃれ込んでいるに相違ない。この幸せが、安倍首相、下村博文官房副長官、河村建夫元文相ら反動分子らによる「戦前回帰」の策動によって、わやくちゃにされてはたまらない。
ブログランキング
◆不況を乗り越え、景気が上向いているとはいえ、格差社会はますます酷くなり、安倍首相とその側近たちは、時代を戦前に巻き戻そうとしている感がある。前向きではなく後ろ向きでは、国民に明日への夢を抱かせることはできない。
安倍首相は大東亞戦争時代、戦争を推進させた東条内閣の閣僚だった岸信介元首相を祖父に持ち、祖父の成し得なかった「戦前回帰」と「軍事大国化」への道をひた走り続けている。下村博文官房副長官は、古色蒼然たる保守思想の持ち主であり、アメリカのネオコン顔負けである。自民党側では、河村建夫元文相が憲法改正に向けて「国民投票法案」を5月3日の憲法記念日前までに成立させようとゴリ押ししている。この政治家の系譜も、「戦前回帰」である。満州事変が起きたとき昭和天皇の勘気を被った田中義一首相(元陸軍高崎連隊長、事実上の戦争犯罪人)の庶子に生まれた田中龍夫元文相(満州鉄道官僚を経て、戦争中、企画院員で物動政策を担当し戦争を推進)の秘書的県議(山口県)を務めたのが、河村元文相である。福田赳夫元首相(旧高崎中学から一高、東大卒)の金庫番を務めた田中龍夫元文相の実子は能力がなく、このため河村元文相が地盤を継承した。
◆こうした系譜は、安倍首相が、大東亜戦争を遂行した日本陸軍の中核にいた「長州閥」の末裔であることを物語る。憲法を改正し再び「富国強兵策」を行うつもりなのであろうか。この思想の持ち主であるがゆえに、アメリカの政界やジャーナリズムから批判されている「従軍慰安婦」問題に対して、頑固な姿勢しか取れないのであろう。いずれにしても、下村官房副長官ら側近や河村元文相ら取り巻きが悪すぎる。いまの日本の空気が重苦しいのは、このためである。植木さんが他界されて、ますますその感が強くなってきた。
◆読売新聞の3月27日付朝刊、コラム「編集手帳」は、東北新幹線の各座席に置いてあるPR誌「トランヴェール」の特集「平泉の桜と みちのくの西行を旅する」を取り上げていた。コラム氏は「次代を担う若木も同時に育てて欲しい」と文を結び、高齢化の進む花守の後継者づくりを訴えていた。それはともかくとして、「トランヴェール」は、西行が詠んだ和歌を文末に掲げている。
願わくば花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃
植木さんは、桜が咲きほころぶなか、家族に見守られて静かに息を引き取られた。幸せな死に方だった。天国では、ハナ肇さんや青島幸男さんらと賑やかに花見としゃれ込んでいるに相違ない。この幸せが、安倍首相、下村博文官房副長官、河村建夫元文相ら反動分子らによる「戦前回帰」の策動によって、わやくちゃにされてはたまらない。
ブログランキング