漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「爻コウ」<まじわる>と「肴コウ」「淆コウ」「教キョウ」「駁バク」

2014年09月05日 | 漢字の音符
 コウ   爻部

解字 交差する形の乂を二つ重ねた形で、交わるさまの象形。「まじわる」、まじわって「伝える」イメージをもつ。
意味 (1)まじわる。 (2)易エキの卦(吉凶判断のもとの形)を組み立てる要素。「陽爻ヨウコウ」(ー 印)「陰爻インコウ」(--印)

イメージ 
 「まじわる」
(爻・駁)
 「つたえる」(教・肴) 
 「形声字」(淆)
音の変化 コウ:爻・肴・淆  キョウ:教  バク:駁

まじわる
 バク・まだら  馬部
解字 「馬(うま)+爻(まじわる)」の会意。馬の毛色が純でなく、他の色がまじることで、雑然としている状態をいう。また、暴バク・ボウ(あばれる)に通じ、暴れ馬を表し、人に移して反抗的な態度をいう。
意味 (1)まだら(駁)。ぶち(駁)。いりまじる。「雑駁ザッパク」(雑然としてまとまりがない) (2)ただす。非難する。「反駁ハンバク」(反対して言い返す)「駁撃バクゲキ」(他人の言葉を非難し攻撃する)

つたえる
[敎] キョウ・おしえる・おそわる  攵部

解字 甲骨から篆文まで「子(こども)+攴(うつ)+爻(つたえる)」の会意形声。先生が子どもを教鞭で打って(攴)厳しく鍛え、知識を伝えること。旧字体から、攴⇒攵に変化した。新字体では、旧字の左辺上のメ⇒十に変化した。
意味 (1)おしえる(教える)。おしえ導く。「教育キョウイク」「調教チョウキョウ」 (2)いましめ。神仏のおしえ。「教理キョウリ」「宗教シュウキョウ」「教会キョウカイ
 コウ・さかな  月部にく
解字 「月(にく)+爻(つたえる)」の会意形声。肉に火をつたえた(火を通した)ものの意で、火にかけた肉料理が原義。
意味 (1)さかな(肴)。火をとおした鳥・魚などの肉。ごちそう。「肴膳コウゼン」(ごちそう) (2)さかな(肴)。酒菜(さかな)の意。酒を飲む時に添えて食べるもの。また、酒の席に興をそえる歌舞や話題など。「酒肴シュコウ」(酒と酒のさかな)

形声字
 コウ・まじる  氵部
解字 「氵(水)+肴(コウ)」の形声。コウは交コウ(まじえる・まぜる)に通じ、水をかきまぜた状態をいう。
意味 まじる(淆じる)。いりまじる。「混淆コンコウ」(いりまじること。混も淆も、まじる意)「玉石混淆ギョクセキコンコウ」「淆乱コウラン」(ごちゃまぜになる)
<紫色は常用漢字>

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。



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