漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「㒼マン」 <みちる> と 「満マン」

2019年06月23日 | 漢字の音符
  マンを追加しました。
 マン・バン  入部

解字 帯紐から、文様のついた膝掛けの巾(布)が垂れさがっている形の象形[字統を参考]。上部の廿は帯の上部の省略形、下部は巾(たれ布)の表面に文様がいっぱいに描かれたさま。「みちる」イメージを持つ。新字体の音符になる時、㒼 ⇒満の右辺に変化する。

イメージ  
 たれ布の文様が全体に「みちる」(満・懣)
 たれ布が前を「おおう」(瞞・蹣)
音の変化  マン:満・懣・瞞・蹣

みちる
マン・バン・みちる・みたす  氵部
解字 旧字は滿で、「氵(水)+㒼(みちる)」 の会意形声。水がいっぱい満ちること。新字体は、滿⇒満に変化。
意味 (1)みちる(満ちる)。みたす。いっぱいになる。「満水マンスイ」「満員マンイン」「充満ジュウマン」 (2)ゆきわたる。すべて。「満座マンザ」「満身マンシン」 (3)ちょうど。「満十歳」
 マン・モン・もだえる  心部
解字 「心(こころ)+滿(みちる)」 の会意形声。心に気持ちのたかぶりが満ちること。
意味 もだえる(懣える)。なやみ苦しむ。いきどおる。「憤懣フンマン」(いきどおりもだえる=忿懣)「懣然モンゼン」(もだえるさま)「懣怨モンエン」(うらみもだえる)

おおう
 マン・バン・だます  目部
解字 「目(め)+㒼(おおう)」 の会意形声。目をおおって真実をかくすこと。
意味 だます(瞞す)。本当のことをかくす。あざむく。「瞞着マンチャク」(人の目をごまかすこと。着は、その状態が続く意)「欺瞞ギマン」(あざむき、だます)
 マン・ハン・バン・よろめく
解字 「足(あし)+㒼(=瞞。目をおおう)」 の会意形声。目をおおわれて足の歩行がよろけること。
意味 よろめく(蹣く)。「蹣跚マンサン」(よろめいてあるく)「蹣跚(よろけ)る」「酔歩蹣跚スイホマンサン」(酔ってよろめきあるく)「蹣跚縞よろけじま」(経たて、または緯よこ糸を湾曲させて波状の縞模様を出した織物)
<紫色は常用漢字>

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

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