又 ユウ・また 又部
解字 手の指を三本に省略した右手の形の象形。みぎて・みぎの意味を表す。古くは右手の動作から、右手で「たすける」、右手のなかに物が「ある」などの意味で用いられたが、それらの意味は、「右・佑」「有」に移り、現在では仮借カシャ(当て字)して「また・ふたたび」の意味で用いられる。又は部首になる。
意味 (1)て(手)。右手。 (2)また(又)。そのうえ。ふたたび。重ねて。「又貸(またが)し」「又聞(またぎ)き」 (3)[国]また(又)。ならびに。それから。並列・話題を変える表現。
参考 又は、手・手に取る意で部首「又また」になる。又部には常用漢字では9字、約14,600字を収録する『新漢語林』では37字が収録されている。主な字は以下のとおり。
収シュウ・おさめる(又+音符「丩キュウ」)
叔シュク(又+音符「尗シュク」)
叙ジョ・のべる(又+音符「余ヨ」)
友ユウ・とも(又+又の会意形声)
双ソウ・ならぶ(雙ソウの新字体)
取シュ・とる(又+耳の会意)
反ハン・かえる(又+厂の会意)
受ジュ・うける(爫+冖+又の会意)
このうち取シュ・叔シュク・反ハン・受ジュ、は音符になる。
イメージ
「みぎて・て(手)」(又・友・馭)
音の変化 ユウ:又・友 ギョ:馭
みぎて・て
友 ユウ・とも 又部
解字 「又(て)+又(て)」の会意形声。手に手を取り合って助けあう関係で、「とも」を表す。
意味 (1)とも(友)。「友達ともだち」「学友ガクユウ」 (2)仲がよい。親しい。「友好ユウコウ」「友邦ユウホウ」(親しい交わりのある国)
馭 ギョ 馬部
解字 「馬(うま)+又(て)」の会意。馬の手綱を手にとり、馬をあやつること。
意味 (1)馬をあやつる。また、その人。「馭者ギョシャ」(=御者)「射馭シャギョ」(馬に乗って弓を射る) (2)統べる。使いこなす。
右 ユウ <みぎ>
右 ウ・ユウ・みぎ・たすける 口部
解字 甲骨文は又(右手)で「みぎ」を表した。金文から、「口(器物)+又(右手)」の会意。又は右手の象形だが、「また・ふたたび」の意に使われるようになったので、口サイ(器物)をつけて、器物をもつ右手の形で「みぎ」の意を表した。また、右手は「又」の時から「たすける」意味がある。
意味 (1)みぎ(右)。みぎがわ。「右手みぎて」「右岸ウガン」 (2)たすける(右ける)。 (3)(そばにいてたすける意から)そば。かたわら。「座右ザユウ」「右筆ユウヒツ」(貴人のそばにいて文書を書く人。文筆にすぐれた人) (4)保守的な。「右翼ウヨク」⇔ 左翼。
イメージ
「みぎ」(右・雄)
右手の動きは人を「たすける」(佑・祐)
音の変化 ユウ:右・雄・佑・祐
みぎ
雄[䧺] ユウ・お・おす 隹部
解字 篆文第1字は秦系簡牘カントク文字(春秋戦国時代)で、「隹(とり)+右ユウ(みぎ)」の会意形声。右は中国の戦国時代に、左を卑しみ右を上位とする考えがあったことから、上位の隹(とり)すなわちオスの隹(とり)の意。第2字は[説文解字]の篆文で、第1字の右⇒厷に変化した雄になった。厷コウにはユウの発音はなく、強いて言えば厷のナ(右手=又ユウ)の発音がユウである。オスのとりから転じて、いさましい・強い・すぐれる意となる。
意味 (1)おす(雄)。お(雄)。「雄鶏おんどり」「雌雄シユウ」(めすと、おす) (2)おおしい。いさましい。ひいでる。すぐれた人物。「雄姿ユウシ」「英雄エイユウ」
※音符「厷コウ」にも重出した。
たすける
佑 ユウ・たすける イ部
解字 「イ(ひと)+右(たすける)」の会意形声。人がたすけること。
意味 たすける(佑ける)。たすけ。「佑助ユウジョ」(たすけること)「天佑テンユウ」(天のたすけ。=天祐)
祐 ユウ・たすける ネ部
解字 「ネ(=示。神の祭壇)+右(たすける)」の会意形声。神のたすけがあること。
意味 (1)たすける(祐ける)。神仏の助けがあること。「祐助ユウジョ」(天や神の助け)「天祐テンユウ」(天の助け) (2)右ユウに準じた使い方。「祐筆ユウヒツ」(貴人のそばにいて文書を書く人=右筆)
左 サ <工具をもつ左の手>
左 サ・ひだり 工部
解字 甲骨文は左手の象形。手の指を3本に省略した左手を、本人から見た形に描く。金文以降は「ナ(左手)+工(工具)」の会意形声。工具(ノミ)を持つ手を描いて左(ひだり)を表した。また、左手に工具をもち右手の働きを「たすける」意もある。
意味 (1)ひだり。「左折サセツ」 (2)たすける。ささえる。「証左ショウサ」(あかし。証拠をささえるもの) (3)右と比べて下の地位。「左遷サセン」 (4)進歩的な考え。「左派サハ」「左翼サヨク」 (5)[国]酒のみ。「左党サトウ」
イメージ
「ひだり」(左)
左手に工具をもち右手の働きを「たすける」(佐)
音の変化 サ:左・佐
たすける
佐 サ・すけ イ部
解字 「イ(人)+左(たすける)」 の会意形声。たすける人。補佐する人の意。
意味 (1)たすける。「補佐ホサ」「佐幕サバク」(江戸幕府の将軍をたすける) (2)すけ(佐)。長をたすける。昔の官名。次官。軍隊の階級。「佐官サカン」(将の下の階級。将をたすける)
<紫色は常用漢字>
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解字 手の指を三本に省略した右手の形の象形。みぎて・みぎの意味を表す。古くは右手の動作から、右手で「たすける」、右手のなかに物が「ある」などの意味で用いられたが、それらの意味は、「右・佑」「有」に移り、現在では仮借カシャ(当て字)して「また・ふたたび」の意味で用いられる。又は部首になる。
意味 (1)て(手)。右手。 (2)また(又)。そのうえ。ふたたび。重ねて。「又貸(またが)し」「又聞(またぎ)き」 (3)[国]また(又)。ならびに。それから。並列・話題を変える表現。
参考 又は、手・手に取る意で部首「又また」になる。又部には常用漢字では9字、約14,600字を収録する『新漢語林』では37字が収録されている。主な字は以下のとおり。
収シュウ・おさめる(又+音符「丩キュウ」)
叔シュク(又+音符「尗シュク」)
叙ジョ・のべる(又+音符「余ヨ」)
友ユウ・とも(又+又の会意形声)
双ソウ・ならぶ(雙ソウの新字体)
取シュ・とる(又+耳の会意)
反ハン・かえる(又+厂の会意)
受ジュ・うける(爫+冖+又の会意)
このうち取シュ・叔シュク・反ハン・受ジュ、は音符になる。
イメージ
「みぎて・て(手)」(又・友・馭)
音の変化 ユウ:又・友 ギョ:馭
みぎて・て
友 ユウ・とも 又部
解字 「又(て)+又(て)」の会意形声。手に手を取り合って助けあう関係で、「とも」を表す。
意味 (1)とも(友)。「友達ともだち」「学友ガクユウ」 (2)仲がよい。親しい。「友好ユウコウ」「友邦ユウホウ」(親しい交わりのある国)
馭 ギョ 馬部
解字 「馬(うま)+又(て)」の会意。馬の手綱を手にとり、馬をあやつること。
意味 (1)馬をあやつる。また、その人。「馭者ギョシャ」(=御者)「射馭シャギョ」(馬に乗って弓を射る) (2)統べる。使いこなす。
右 ユウ <みぎ>
右 ウ・ユウ・みぎ・たすける 口部
解字 甲骨文は又(右手)で「みぎ」を表した。金文から、「口(器物)+又(右手)」の会意。又は右手の象形だが、「また・ふたたび」の意に使われるようになったので、口サイ(器物)をつけて、器物をもつ右手の形で「みぎ」の意を表した。また、右手は「又」の時から「たすける」意味がある。
意味 (1)みぎ(右)。みぎがわ。「右手みぎて」「右岸ウガン」 (2)たすける(右ける)。 (3)(そばにいてたすける意から)そば。かたわら。「座右ザユウ」「右筆ユウヒツ」(貴人のそばにいて文書を書く人。文筆にすぐれた人) (4)保守的な。「右翼ウヨク」⇔ 左翼。
イメージ
「みぎ」(右・雄)
右手の動きは人を「たすける」(佑・祐)
音の変化 ユウ:右・雄・佑・祐
みぎ
雄[䧺] ユウ・お・おす 隹部
解字 篆文第1字は秦系簡牘カントク文字(春秋戦国時代)で、「隹(とり)+右ユウ(みぎ)」の会意形声。右は中国の戦国時代に、左を卑しみ右を上位とする考えがあったことから、上位の隹(とり)すなわちオスの隹(とり)の意。第2字は[説文解字]の篆文で、第1字の右⇒厷に変化した雄になった。厷コウにはユウの発音はなく、強いて言えば厷のナ(右手=又ユウ)の発音がユウである。オスのとりから転じて、いさましい・強い・すぐれる意となる。
意味 (1)おす(雄)。お(雄)。「雄鶏おんどり」「雌雄シユウ」(めすと、おす) (2)おおしい。いさましい。ひいでる。すぐれた人物。「雄姿ユウシ」「英雄エイユウ」
※音符「厷コウ」にも重出した。
たすける
佑 ユウ・たすける イ部
解字 「イ(ひと)+右(たすける)」の会意形声。人がたすけること。
意味 たすける(佑ける)。たすけ。「佑助ユウジョ」(たすけること)「天佑テンユウ」(天のたすけ。=天祐)
祐 ユウ・たすける ネ部
解字 「ネ(=示。神の祭壇)+右(たすける)」の会意形声。神のたすけがあること。
意味 (1)たすける(祐ける)。神仏の助けがあること。「祐助ユウジョ」(天や神の助け)「天祐テンユウ」(天の助け) (2)右ユウに準じた使い方。「祐筆ユウヒツ」(貴人のそばにいて文書を書く人=右筆)
左 サ <工具をもつ左の手>
左 サ・ひだり 工部
解字 甲骨文は左手の象形。手の指を3本に省略した左手を、本人から見た形に描く。金文以降は「ナ(左手)+工(工具)」の会意形声。工具(ノミ)を持つ手を描いて左(ひだり)を表した。また、左手に工具をもち右手の働きを「たすける」意もある。
意味 (1)ひだり。「左折サセツ」 (2)たすける。ささえる。「証左ショウサ」(あかし。証拠をささえるもの) (3)右と比べて下の地位。「左遷サセン」 (4)進歩的な考え。「左派サハ」「左翼サヨク」 (5)[国]酒のみ。「左党サトウ」
イメージ
「ひだり」(左)
左手に工具をもち右手の働きを「たすける」(佐)
音の変化 サ:左・佐
たすける
佐 サ・すけ イ部
解字 「イ(人)+左(たすける)」 の会意形声。たすける人。補佐する人の意。
意味 (1)たすける。「補佐ホサ」「佐幕サバク」(江戸幕府の将軍をたすける) (2)すけ(佐)。長をたすける。昔の官名。次官。軍隊の階級。「佐官サカン」(将の下の階級。将をたすける)
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