※篩ふるいの解字を改めました。
師 シ 巾部
解字 「 帀ソウ+𠂤タイ(祭肉)」 の会意。𠂤タイ(祭肉)は軍が奉ずる祭礼用の肉でここでは軍の意味で使われている。帀ソウは、旗印または曲刀とされ軍事品のシンボル。両字をあわせて軍隊の意。師とは軍隊の分けられた師団のこと。また、その師団を率いる人から転じて、後に教え導く人の意となった[字統を参考]。
意味 (1)軍隊。いくさ。「師団シダン」「師旅シリョ」(古代中国の軍隊組織で500人を「旅」といい、五旅を「師」と言った。また五師で「軍」を構成した) (2)多くの人の集まる所。みやこ。「京師ケイシ」(みやこ。京都) (3)先生。「教師キョウシ」「師範シハン」 (4)専門的な技術をもった人。「医師イシ」「絵師エシ」 (5)「師走しわす」とは、日本で12月の異称。
イメージ
「祭肉を奉ずる軍隊」(師・帥)
「形声字」(獅・篩)
「師走(12月)」(鰤)
音の変化 シ:師・獅・篩・鰤 スイ:帥
祭肉を奉ずる軍隊
帥 スイ・ソツ・ひきいる 巾部
解字 「巾(はた)+𠂤タイ(=師。祭肉を奉ずる軍隊)」 の会意。旗幟で軍隊を率いること。
意味 (1)ひきいる(帥いる)。したがえる。「帥先ソッセン」(2)軍をひきいる最高の将官。「元帥ゲンスイ」「統帥権トウスイケン」 (3)大宰府の長官。「大宰帥ダザイのソツ・ソチとも」
形声字
獅 シ 犭部
解字 「犭(けもの)+師(シ)」の形声。シと呼ばれる獣。ライオンは、サンスクリット語でシンハ、シンハラ語でシーハと呼ばれており、最初のシ・シーの音を師シで表し、犭へんを付けた字。獅子の二語でライオンを表す。
意味 しし(獅子)。ライオン。また、ライオンに似た想像状の動物。「獅子シシ」「獅子吼シシク」(仏が説法するのを獅子が吼えているさまに例えた)「獅噛シがみ」(獅子の顔面を模様化したもの)「唐獅子からじし」(日本のしし[鹿・猪]と区別する言い方)「獅子舞ししまい」
篩 シ・ふるい・ふるう 竹部
竹篩
解字 「竹(たけ)+師(シ)」の形声。シは徙シ(ゆく・すぎる・うつる)に通じ、竹でできた網目を通過させて、網目より小さいものをえり分ける道具をいう。この「竹+徙」の簁シは、篩シと通用する。
意味 (1)ふるい(篩)。竹や曲げ物など円い枠の底に網(以前は竹で編んだ網)をはった道具で、中にいれたものを振り動かして大小を選別する。「篩管シカン」(植物の維管束内の篩状の組織)(2)ふるう(篩う)。ふるいにかける。
師走(12月)
鰤 シ・ぶり 魚部
解字 「魚(さかな)+師(=師走)」の会意。師は、師走(しわす)の意で12月を表す。鰤は、石川県から関西地方では歳取り魚とされ、年末年始に食べる文化があり、年末の12月に鰤を買うことから師走の魚の意。
意味 (1)[国]ぶり(鰤)。アジ科の海水魚。全長約1.5メートル。温帯性の回遊魚で、夏季に日本の沿岸沿いに北上し、冬季に南下する。成長するにつれて名前が変わる出世魚で最後の名前がブリとなる。定置網や1本釣りで漁獲される。俳句の季語は冬。「寒鰤カンぶり」(冬の日本海で漁獲される大きな鰤で美味) (2)中国の古書で、毒のある魚や老魚をいう。
遣 ケン <軍隊をつかわす>
遣 ケン・つかわす・つかう・やる 之部
解字 甲骨文は祭肉(𠂤タイ)を両手で持つかたちで祭祀名として用いられている[甲骨文字辞典]。金文は、さらに彳(ゆく)と止(あし)が加わり、祭肉を持って行くかたち。この祭肉は軍を意味することが多く、金文で軍を派遣する意で使われる。字体は篆文をへて現代字は、辶(ゆく)に「中+一」(両手で持つの変化形)+㠯(祭肉)」がついた遣となった。意味は軍の派遣のほか、つかわす・さしむける意となる。祭肉は本来、𠂤タイで表される(例:追)が、遣の字では略体の㠯になっている。(この略体も官などで使われている)
意味 (1)つかわす(遣わす)。やる(遣る)。さしむける。「派遣ハケン」「遣唐使ケントウシ」(2)[国]つかう(遣う)。使用する。「金遣(かねづか)い」「仮名遣(かなづか)い」(3)~しむ。せしむ。使役の助字。
イメージ
「軍隊をつかわす」(遣・譴)
「その他」(鑓)
音の変化 ケン:遣・譴 やり:鑓
軍隊をつかわす
譴 ケン・せめる 言部
解字 「言(ことば)+遣の旧字(軍隊をつかわす)」の会意形声。軍隊をつかわし武力を背景にして話すこと。威圧的に相手をせめる・とがめる意となる。
意味 せめる(譴める)。とがめる。とがめ。「譴責ケンセキ」(①あやまちや不正をきびしくとがめ、責めること。②公務員などの過失にたいする懲戒処分のひとつ)「呵譴カケン」(しかりせめる=呵責)(2)とがめ。つみ。「天譴テンケン」(天のとがめ。天罰)
その他
鑓 <国字> やり 金部
解字 「金(金属)+遣の旧字(やり=やるの連用形)」の会意。遣ケンは日本語で「やる(遣る)」の訓があり、その連用形「やり(遣り)」を鎗やりに掛けた国字。
意味 やり(鑓)。やり(槍)。やり(鎗)。武器の一種。長い柄の先に先を尖らせた刃をつけた武器。
<紫色は常用漢字>
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師 シ 巾部
解字 「 帀ソウ+𠂤タイ(祭肉)」 の会意。𠂤タイ(祭肉)は軍が奉ずる祭礼用の肉でここでは軍の意味で使われている。帀ソウは、旗印または曲刀とされ軍事品のシンボル。両字をあわせて軍隊の意。師とは軍隊の分けられた師団のこと。また、その師団を率いる人から転じて、後に教え導く人の意となった[字統を参考]。
意味 (1)軍隊。いくさ。「師団シダン」「師旅シリョ」(古代中国の軍隊組織で500人を「旅」といい、五旅を「師」と言った。また五師で「軍」を構成した) (2)多くの人の集まる所。みやこ。「京師ケイシ」(みやこ。京都) (3)先生。「教師キョウシ」「師範シハン」 (4)専門的な技術をもった人。「医師イシ」「絵師エシ」 (5)「師走しわす」とは、日本で12月の異称。
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「祭肉を奉ずる軍隊」(師・帥)
「形声字」(獅・篩)
「師走(12月)」(鰤)
音の変化 シ:師・獅・篩・鰤 スイ:帥
祭肉を奉ずる軍隊
帥 スイ・ソツ・ひきいる 巾部
解字 「巾(はた)+𠂤タイ(=師。祭肉を奉ずる軍隊)」 の会意。旗幟で軍隊を率いること。
意味 (1)ひきいる(帥いる)。したがえる。「帥先ソッセン」(2)軍をひきいる最高の将官。「元帥ゲンスイ」「統帥権トウスイケン」 (3)大宰府の長官。「大宰帥ダザイのソツ・ソチとも」
形声字
獅 シ 犭部
解字 「犭(けもの)+師(シ)」の形声。シと呼ばれる獣。ライオンは、サンスクリット語でシンハ、シンハラ語でシーハと呼ばれており、最初のシ・シーの音を師シで表し、犭へんを付けた字。獅子の二語でライオンを表す。
意味 しし(獅子)。ライオン。また、ライオンに似た想像状の動物。「獅子シシ」「獅子吼シシク」(仏が説法するのを獅子が吼えているさまに例えた)「獅噛シがみ」(獅子の顔面を模様化したもの)「唐獅子からじし」(日本のしし[鹿・猪]と区別する言い方)「獅子舞ししまい」
篩 シ・ふるい・ふるう 竹部
竹篩
解字 「竹(たけ)+師(シ)」の形声。シは徙シ(ゆく・すぎる・うつる)に通じ、竹でできた網目を通過させて、網目より小さいものをえり分ける道具をいう。この「竹+徙」の簁シは、篩シと通用する。
意味 (1)ふるい(篩)。竹や曲げ物など円い枠の底に網(以前は竹で編んだ網)をはった道具で、中にいれたものを振り動かして大小を選別する。「篩管シカン」(植物の維管束内の篩状の組織)(2)ふるう(篩う)。ふるいにかける。
師走(12月)
鰤 シ・ぶり 魚部
解字 「魚(さかな)+師(=師走)」の会意。師は、師走(しわす)の意で12月を表す。鰤は、石川県から関西地方では歳取り魚とされ、年末年始に食べる文化があり、年末の12月に鰤を買うことから師走の魚の意。
意味 (1)[国]ぶり(鰤)。アジ科の海水魚。全長約1.5メートル。温帯性の回遊魚で、夏季に日本の沿岸沿いに北上し、冬季に南下する。成長するにつれて名前が変わる出世魚で最後の名前がブリとなる。定置網や1本釣りで漁獲される。俳句の季語は冬。「寒鰤カンぶり」(冬の日本海で漁獲される大きな鰤で美味) (2)中国の古書で、毒のある魚や老魚をいう。
遣 ケン <軍隊をつかわす>
遣 ケン・つかわす・つかう・やる 之部
解字 甲骨文は祭肉(𠂤タイ)を両手で持つかたちで祭祀名として用いられている[甲骨文字辞典]。金文は、さらに彳(ゆく)と止(あし)が加わり、祭肉を持って行くかたち。この祭肉は軍を意味することが多く、金文で軍を派遣する意で使われる。字体は篆文をへて現代字は、辶(ゆく)に「中+一」(両手で持つの変化形)+㠯(祭肉)」がついた遣となった。意味は軍の派遣のほか、つかわす・さしむける意となる。祭肉は本来、𠂤タイで表される(例:追)が、遣の字では略体の㠯になっている。(この略体も官などで使われている)
意味 (1)つかわす(遣わす)。やる(遣る)。さしむける。「派遣ハケン」「遣唐使ケントウシ」(2)[国]つかう(遣う)。使用する。「金遣(かねづか)い」「仮名遣(かなづか)い」(3)~しむ。せしむ。使役の助字。
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「軍隊をつかわす」(遣・譴)
「その他」(鑓)
音の変化 ケン:遣・譴 やり:鑓
軍隊をつかわす
譴 ケン・せめる 言部
解字 「言(ことば)+遣の旧字(軍隊をつかわす)」の会意形声。軍隊をつかわし武力を背景にして話すこと。威圧的に相手をせめる・とがめる意となる。
意味 せめる(譴める)。とがめる。とがめ。「譴責ケンセキ」(①あやまちや不正をきびしくとがめ、責めること。②公務員などの過失にたいする懲戒処分のひとつ)「呵譴カケン」(しかりせめる=呵責)(2)とがめ。つみ。「天譴テンケン」(天のとがめ。天罰)
その他
鑓 <国字> やり 金部
解字 「金(金属)+遣の旧字(やり=やるの連用形)」の会意。遣ケンは日本語で「やる(遣る)」の訓があり、その連用形「やり(遣り)」を鎗やりに掛けた国字。
意味 やり(鑓)。やり(槍)。やり(鎗)。武器の一種。長い柄の先に先を尖らせた刃をつけた武器。
<紫色は常用漢字>
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