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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「尤ユウ」<あやまって指を切る> と 「肬ユウ」「疣ユウ」

2015年03月15日 | 漢字の音符
 ユウ・とが・とがめる・もっとも   尢部おうにょう 


[出典]李学勤主编;赵平安副主编·字源[M]:天津古籍出版社;辽宁人民出版社,2013.07
解字 甲骨文・金文は、又(て)の一端に、一線を引いて指が切れて傷を負うこと。とが・災いの意。篆文から形が変わり、現代字は犬に似た形の尤ユウになったが、犬との関連はない。また、優ユウ(すぐれる)に通じ、すぐれる意となる。
意味 (1)とが(尤)。あやまち。災い。失敗。「尤悔ユウカイ」(あやまちと後悔)「尤隙ユウゲキ」(あやまちで生じた隙間。仲たがい) (2)とがめる(尤める)。失敗を責める。「尤人ユウジン」(人をとがめる) (3)めだってすぐれる。「尤物ユウブツ」(すぐれたもの)「尤最ユウサイ」(もっともすぐれる) (4)もっとも(尤)。①道理にかなう。②そうではあるが。

イメージ 「わざわい」(尤・肬・疣)
音の変化  ユウ:尤・肬・疣

わざわい
 ユウ・いぼ  月部にく
解字 「月(からだ)+尤(わざわい)」の会意形声。身体の表面に生じた災いの意で、皮膚にできるイボをいう。
意味 いぼ(肬)。(=疣)。皮膚にできる固い小さな突起物。物の表面の突起。「肬贅ユウゼイ」(いぼとこぶ)「肬蛙いぼがえる」(身体の表面に肬のような突起が多数ある蛙)
 ユウ・いぼ  疒部
解字 「疒(症状)+尤(わざわい)」の会意形声。身体の表面に生じる、ちょっとした災いの症状。
意味 いぼ(疣)。(=肬)。皮膚にできる固い小さな突起物。「疣贅ユウゼイ」(いぼとこぶ)

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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

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音符 「函カン」 <はこ> と 「涵カン」

2015年03月15日 | 漢字の音符
 カン・はこ  凵部

解字 甲骨文および金文は、矢が入っている矢筒のかたち。篆文から字形が変わり、現代字はさらに変化した函となった。意味は矢を収納することから、各種のはこ・いれる意。のち、よろいを収納する箱にもなったことから、よろいの意もある。
意味 (1)矢筒。「矢函シカン」 (2)はこ(函)。各種の収納箱。物を入れる蓋付きの容器。「剣函ケンカン」(剣をいれる箱)「函使カンシ」(手紙を入れた函を届ける使い)「函封カンプウ」(函に入れて封をする) (3)いれる。「函丈カンジョウ」(一丈の間を入れる。師と弟子の間に一丈の余地をおいて座る意。師への書状の宛名に添える語) (4)よろい。「函人カンジン」(よろいを作る職人) (5)地名。「函館はこだて」(北海道南端の港湾都市)「函谷関カンコクカン」(中国河南省北西部の交通の隘路。戦略上、重要な地であった)

イメージ 「はこ」(函・涵)
音の変化  カン:函・涵

はこ
 カン・うるおす・ひたす  氵部
解字 「氵(みず)+函(はこ)」の会意形成。はこに水をいれる意で、水でうるおす・ひたす意となる。
意味 うるおす(涵す)。ひたす(涵す)。「涵養カンヨウ」(自然に水がしみこむように養い育てること)「涵育カンイク」(うるおし育てる)「涵碧カンペキ」(水面や空の青々としたさま)

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