80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

スイスの低床電車を作る(6)

2020-12-12 03:51:28 | 海外
床板を作ります。台車上の高床部分と、中間の低床部分に分けて切り出してから貼り合わせる必要があります。工作精度(笑)の関係でアングル長さが微妙に違っているため、①~④位に該当する四隅の寸法を全部図り、きちんと入るかテスト紙片を差し込んでチェックしました。



3枚が歪みなく組み立てられるよう、このようなベッド状の治具を厚紙で作りました。



切り出した真鍮板を載せ、相互の“合い”を確認しながら少しずつ削って調整します。



だいたいパーツの寸法が整ったところで実車の方にはめ込んでみます。“ほぼぴったり床板”ヨシ!(笑)
なんならベッドやめてこの状態で組み立てていけばいいじゃん・・・!?
てことで、次回からはこの状態でハンダづけを進めたいと思います。



さて、この電車のおかげでアッペンツェルというまちを初めて知ったのですが、どんなところかGoogleで散歩しているうちにとんでもないものを見つけてしまいました。

はじめがこちら。アッペンツェル駅の上空写真ですが、なにか怪しいものが写っていませんか?



もうちょっと寄ってみましょう。トワイライターならもうピンときてますよね。右上からレールと思しき2条の線がきれいなカーブを描いて駅の外に出て行っているのがわかります。明らかに引き込み線のようですが、ホームや側線をお構いなしに横切っていて日本ではまず見ない光景です。うぅ゛ぅ゛地上に降りたい・・・(笑)



と思ったら、ストリートビューに相当するスポット写真がうまいことありまして。。どひゃひゃ!本当にホームを横切ってる!!
引き込み線自体はすでに廃止されているようですが、現役時代は客のいる目の前を貨物列車か何かがゴロゴロと横断していったのでしょうか。。



反対側から見た写真もありました。ちょっと原画自体の貼り合わせが悪くてあちこち歪んでますが雰囲気は伝わってきます。これ、本線や側線に車両が停まってたら出入りできませんよね????
ちなみに2本入っている電車のうち左側がいま製作中のABe4/12“Walzer”です。右側は同時期に投入された5連接車体のトラム“Tango”。



こちらのサイトに現役の頃の写真が載っていました。リンクのページの一番最後の写真です。本線もしっかりクロッシングで渡っているのが分かります。引き込み線の先は製材所だったそうです。


そしてもう1箇所、しばらくあっけにとられてしまった場所をご紹介します。今のサイトの他の写真をご覧になった方にはネタバレしていますが、こちら、アッペンツェルからほど近いガイス駅の上空写真です。もーなんですかコレ?w いわゆる「タタミ一畳分のレイアウト」が実際に地上にあったとは!



ここにも地上写真がありました。最急カーブの半径はおよそ25mだそうです。1/80換算でR310。ユニトラックの最小(R450)より小さいです。



実際に列車が走るとどうなるか。以下の動画でとくとご確認ください。1分25秒あたりからです。自転車搬送用トロッコを前につけた列車やアリエナイ急こう配を上り下りする列車など、面白い場面がたくさんありますよ。ちなみにアリエナイ急こう配のところには部分的にラックレールが敷かれています。
AB, Appenzeller Bahnen, Automotrices BDeh 4/4 11 - 17




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スイスの低床電車を作る(5)

2020-12-08 11:09:57 | 海外
屋根を載せていきます。素材はt1.0mmの「イラストレーションボード」。心材の両面にKMKケント紙を貼った構造になっている硬くて軽い紙です。位置的には屋上機器カバーの少し下の、「肩カーブ」にかかるあたりに付くので、両サイドを斜めにカットしています。角度が不足していたので、この後、貼る前にさらに角度をつけておきました。で、車体に載せるわけですが・・・



まあ、こうなりますわな。上がすぼまってるわけですから。。当初は妻面からスルスルっとスライド・インする予定だったのですが、屋上機器カバーに追加した補強材に引っかかってスルスルできなくなったわけです。



仕方なく半分に切って片方ずつ埋め込みました。スジはパテで消せるし、そもそも全長の半分ぐらいは屋上機器の下になるので多少残ったとしても目立ちますまい。



下回りは床板の準備がまだできていないので、とりあえずユニバーサルジョイントの連結具合だけ試しておきました。窓のない部分にかかるようにモーターを配置するため左右でスパンが異なっています。そして左側は小型電車並の短さとなってしまうため、いろいろな対策をしました。まず、モーター軸をこちら側だけ短軸並みにカットしてあります。



さらにユニバーサルジョイント自体も、「タイプⅡ」より短かいエンドウの#6508「小型機関車等用」というものを使ってみました。ご覧のように片側の関節がドライブシャフトと一体化しています。袋のシールによれば西武E31機関車向けのパーツとのことです。最初は短スパン側だけに使う予定でしたが、関節が目立ちにくいため長スパン側にも使うことにしました。モーター側の関節に一般用を使うことでドライブシャフトの長さも不足しません。



もっと細かいところではMPギヤのドライブシャフトも1mm弱カットしています。大味なレイアウト製作が続いていたので、久々のミリ単位の格闘を楽しんでいます。ちなみにMPギヤはWB=24.5mmのφ10.5プレート車輪付です。



ということで、だいたい車体と下回りのメドがついてきたので、残る屋根上が気になり始めました。幸いネット検索すると俯瞰写真もいくつか出てきて何となくは理解できたのですが、参考になりそうなちょっと面白いものを見つけたのでご紹介します。

こちら、3Dプリントサービス大手のシェイプウェイズ社(米)のサイトで見つけたABe4/4のデジタルプレビュー画像です。スケールはN(1/160)、TT(1/120)、HO(1/87)が選べ、今はHOを表示しています。日本円にして3万3千円以上ですか・・・。BUY NOWのボタンが強力な磁力を発していますが思いとどまりました。

https://www.shapeways.com/product/XVXTPKTAF/ab-abe-4-12


で、BUY NOWの代わりに3Dというところをクリックすると、車体をグルグル回していろいろな角度から眺められるようになります。詳細なディティールまでは分かりませんが、これで、どんな形、ボリュームの機器が載っているか程度は理解できます。これと実車写真があれば完ぺき。そもそも私の周りでこの実車を見た、乗った、ましてや屋根の上まで写真撮った人など99.999%いないと思われるのでオッケーです!
ア・・・いや・・・もし写真持ってたら見せてくださいww

(同上)


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スイスの低床電車を作る(4)

2020-12-07 00:37:30 | 海外
中間車の組み立てを進めます。屋上機器カバーは屋根の上に突き出た形になるので「支え」がないと角度が決まりません。洋白帯板を「く」の字型に曲げたもので内側から支えることにして、分度器がないのでPCで描いた線をガイドに曲げていきます。ちなみに角度はどこにも書いてないので目分量で40°に設定。



片側につき6個をセメダインスーパーXクリアで接着。ついでに機器カバーのヘリにも補強用の真鍮帯板を接着しておきました。



窓が大きく車内がよく見えるので今回はシートフル装備はマストかなぁ・・・と。そのため補強材はヒノキではなく3×3真鍮アングルとしました。車体中央が大きく窪んでいるため前後と中央を別々に貼っています。実車は台車部分も低床ですが、模型ではφ10.5mm車輪付の一般的なMPギヤを使うので相対的に床が高く、ご覧のように窓の下ギリギリです。フィギュアを乗せる時は足の手術必至ですかね・・・。



段差の部分はt0.5真鍮板から切り出した帯片をはんだ付けして連結してあります。



窓からは見えない屋根側の補強材はいつもどおり3×3ヒノキ材を使用。ドアの両脇にも貼って剛性を高めておきます。



箱組みしました。このへんの手順はいつもの日本の電車と変わりません。



妻面はこんな感じ。屋上機器カバーも良い角度で固定されました。屋根は実車写真からは判別しにくいのですが、ほとんど平らに見えるので、t1.0のイラストボードを切って落とし込む予定にしています。今にして思えば機器カバーで両すぼまりになっているところにどうやって入れるんだ?ってハナシですが。。



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