イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

源氏物語千年紀

2008-10-26 23:32:51 | Weblog
日経ホールで行われた、「源氏物語国際フォーラム千年の古典『源氏物語』」
に参加してきました。

源氏物語千年紀委員会は、およそ1年ほど前に、瀬戸内寂聴さんらが発起人で始まり、
各地で源氏物語にちなんだ催しや商品が出ているそうです。

京都では11月1日から丸4日連続で国際フォーラムが開かれるとのことで、
京都方面の人がうらやましい。。。

私は一昨年、夏に石山寺へ立ち寄った際、
「ああ、ここで紫式部が執筆したのか・・」と想いを馳せました。
明石の海を見た時は、
光源氏が流刑になり、明石で隠遁生活をしていた時に出会った姫君が
「明石の姫君」なんだなあ~と、感慨にふけっていました。

文学にゆかりの地を訪れるのは、とても楽しいものですね。

さて、基調講演は、
芳賀徹先生(京都造形芸術大学名誉学長、東京大学名誉教授)と、
日本文学研究家のドナルド・キーン氏。

パネルディスカッションには、さらに秋山虔先生(東京大学名誉教授)や
伊井春樹氏(国文学研究資料館館長)らを加えて行われました。

出演者の先生方の、次から次に語られる深~い内容に感心したり、笑ったり。

源氏物語のような文学は、11世紀の時代に、諸外国では生まれていない。
恋愛をとりあげていて、いわば、日本はおませな国だと言える。

また、自然描写から日常が描かれているのも特徴的である。
諸外国どこをみても、話の筋から自然描写が描かれているものはあるが、
その逆は、まずない。

そして、一千年も語り継がれる文学。
すごすぎます・・・

紫式部は執筆した時に、千年後、わたしたちがこうやって集まって、
源氏物語を語り合うなどということをしているとは、よもや思わなかったのでは?

出演者の先生方の奥深い洞察と幅広い知識に圧倒され、
源氏物語を通して文学の世界を楽しみました。

ああ、こんな平和な楽しみがあるなんて。

芳賀先生が、
「源氏物語を読む人に、戦争が好きな人はいません。もののあはれをうたう源氏物語こそ、今の社会に必要なんです。」
と仰っいました。

会場には、たくさんの幅広い年代の女性と、
そして、圧倒的に60歳以上と思われる殿方らが。

ん?
若い男性は、源氏物語は興味ないのかな?

それだけが、残念!!