田舎者ですが(^◇^)

会津の四季やローカルな話題、日常の出来事などを不定期ながら少しずつ綴っていきます。

障がいを持つ方に対して その3

2008-11-01 00:28:53 | 障がい者のこと

(その2からの続きです)
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☆障がいを持つ方へのお手伝いの仕方
~肢体(手足や体)の不自由な人に対する場合
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肢体不自由となる主な原因は、大きく分けると「生まれつき障がいがある先天的なもの」「病気や交通事故、労災事故、その他の事故や災害などによる後天的なもの」そして「生まれる前から原因があって、障がいそのものは生まれた後に起こってくるもの」の3つがあります。
昔はポリオ(脊髄性小児まひ)や脳性まひなどにより障がいを持つ方が多かったのですが、今では脳卒中や交通事故・労災事故などにより障がいを持つ方が増えています。
これらの障がいの状態は様々で、「車椅子の方」・「松葉杖の方」・「義足をつけている方」・「麻痺(感覚が無くなり動かなくなる事)不随意運動(動かそうと思っていないのに動いてしまう事)がある方」などいろいろあり、お手伝いの仕方もそれぞれ違ってきます。
ここでは車椅子を使っている方に対する場合のお手伝いの仕方をご説明します。
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[車椅子を使っている方が困る時]
●階段はもちろん、道路のちょっとした段差でも超える事ができません。
●砂利道や芝生、坂道では自分で車椅子を動かすのが大変です。
●雨の時、傘がさせません。
●利用できるトイレが少ないので行きたい所へ行けません。
●バスや電車の乗り降りなどが難しいです。
●公衆電話を使って電話をする時、ダイヤルもしくはプッシュボタンの位置が高過ぎるて電話がかけられない時があります。
●スーパーマーケットなどで買い物をする時、高い所にある品物が取れません。
この他にも、日常我々健常者が気にも留めない事でも車椅子を使っている方にとっては大変困る事がたくさんあります。

しかし、困っていると思ったからといっていきなり勝手に車椅子を押したり引いたりすると、はずみで乗っている方が車椅子から転げ落ちたりして大変危険です。

まず声を掛けて、何をして欲しいか聞く事が大切です。
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[車椅子の折りたたみ方と広げ方]
●折りたたみ方は、フットレストを畳んでからシートの中央を掴んで持ち上げるようにして完全に折り畳みます。
※折りたたむ時と広げる時は、必ずブレーキを完全にかけてから行います。
●広げ方は、外側に少し開いてシートを押し広げます。
※シートの下に指を挟まれない様に必ず手の平を外側、指を内側に向けて押し広げます。
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[車椅子の押し方]
●車椅子の真後ろに立ち、両手でグリップを深くしっかりと握ります。

前後左右に注意してゆっくり押します。
※フットレストと物との距離に注意して下さい。
※静止している時は必ずブレーキをかける事を習慣にして下さい。
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[車椅子で段差や溝を超える時]
●段差や溝を越える時はステッピングバーを踏んでキャスターを浮かして段又は溝の向こう側に降ろします。

次に大車輪を押し上げます。
●段差を降りる時は後ろ向きにゆっくりと大車輪を降ろし、ステッピングバーでキャスターを上げ後ろに引き、ゆっくりとキャスターを降ろします。
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[車椅子での坂道の上り方と下り方]
●上り坂の場合後から少し身体を前傾して一歩一歩しっかり押します。

押し戻されないようにします。
●緩やかな下り坂では前向きで急な下り坂では後向きで、ブレーキを軽くかけながら一歩一歩ゆっくりと下ります。
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[車椅子で階段を上り下りする時]
●いろいろなやり方がありますが、大切な事は安全である事とお手伝いする方の負担が少ない方法で行う事です。
●3人又は4人のお手伝いをする方がいる場合上りは車椅子を前向きにして、下りは後ろ向きにしてお手伝いするのが一般的です。
●2人の場合では1人が車椅子の前部の左右にある
縦のパイプ(下図参照)を両手で持ち、キャスターを少し浮かせ気味にして中腰になります。

もう一人は左右のグリップを両手で持ち、大車輪を階段に乗せたままで一段一段ゆっくりと呼吸を合わせながら引き上げ又は降ろします。
これが最も負担の少ないやり方ですが、2人が車椅子の左右から車椅子ごと抱えて上り下りするやり方もあります。
車椅子の方の状況が様々ですので、お手伝いする前に車椅子に乗っている方にどうしたら良いのか聞いて下さい。
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相手が目の不自由な方でも車椅子を使っている方でもお手伝いをする上で一番大事なことは・・・共通して言える事なのですが、お手伝いをする前に相手に必ず声を掛けるのが原則です。もちろん、一つ一つの動作に入る度毎にです。
声が小さい方や、脳性まひなどのために言語障がいがありなかなか言葉が出て来なかったり発音が不明瞭な方がいっらしゃったとしても、返事をしない方はまずいらっしゃらないでしょう。
もし相手の言葉が聞き取りにくい時は分かるまで根気良く聞き返して下さい。
聞き返すのは決して失礼な事ではありません。
分かったふりだけは絶対にしないで下さい!
車椅子の方の言葉を聞く時はできるだけしゃがんで自分の耳の位置を下げる様にすれば相手も言葉を出しやすくなると思います。
最近では言語障がいを持つ方で「トーキングエイド」という道具を携帯して使用される方もいらっしゃいます。
僕がヘルパーを担当している利用者さんがそうです。
キーボードの文字キーを押して液晶画面上に文章を映し出したり、それを音声に変えて相手に伝えたりする事ができます。
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長々と書いてしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
お暇な時に少しずつでもこれを読んでいただき、目の不自由な方や車椅子の方のお手伝いに役立てていただければうれしいです。

もしご質問があればコメント欄↓にどうぞ。
障がいを持つ方が地域の中で自立していけるようにサポートしている立場の者として、一人でも多くの方が障がいを持つ方に対して関心を持ち積極的にお手伝いや協力をしていただける事を切に願っています。

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※参考文献:福島県肢体不自由児協会・福島県社会福祉協議会編「障がいをもつ人へのエチケット」

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コメント (4)
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障がいを持つ方に対して その2

2008-11-01 00:05:13 | 障がい者のこと

(その1からの続きです)
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☆障がいを持つ方へのお手伝いの仕方
~目の不自由な方に対する場合
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目の不自由な方といっても、全く見えない方や本・テレビなどを見る事のできる弱視の方など様々です。
その為にお手伝いの仕方もそれぞれ違ってきますので、まずどの様なお手伝いをして欲しいのか、尋ねる事が必要です。
目の不自由な方、つまり「視覚障がい者」の立場からは介助をする健常者のことを「晴眼者」と呼びます。
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[初めて会った時]
まず見える方から声を掛けて挨拶し、軽く握手をして下さい。

目の不自由な方は、握手する事で相手がいる方向や身長などが分かりますし親近感もわいてきます。
又、握手する時は必ず自分の名前を言って下さい。
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[一緒に歩く時]
●普通に歩く時は、見える方は見えない方に近い方の肘か肩(お互いの身長差に合わせて)を軽く持たせ、常に見えない方の半歩前を同じ歩調で歩いて下さい。
持たれた腕は前後に振らずに下に下ろしておきましょう。
手を引っ張ったり後ろから押したりしてはいけません。
見えない方には屋内では壁際を、屋外では安全と思われる側(例えば歩道と車道の区別がない道路では自動車の通る側と反対の側)を歩かせる様にして下さい。
●階段の上り下りの時は、一度階段の前で立ち止まり、「上り」か「下り」かを告げ、見える方が常に一段先を歩きます。

街の中で道路に段差がある場合も同じです。方角や場所を教える時は、「左」「右」「前」「後」とか「何歩」・「何メートルの所」と正確に言って下さい。

「あっち」とか「こっち」では分かりません。
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※道路での誘導の際は段差や狭い道、電柱、頭や目の高さの所にある木の枝、足元の看板、工事中の場所の通過などには充分に気を付けながら常に二人の安全確保に努めましょう。
もし余裕があれば、周りの風景やすれ違う人の様子なども説明してあげれば良いでしょう。
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[食事の時]
●着席する前に、椅子とテーブルの位置を教えます。
椅子は肘掛か背もたれに手を誘導します。

テーブルは角を教えます。
●着席したら、メニューを読み上げます。

食事が運ばれてきたら、あらかじめ食べ物の種類や位置を教えてあげて下さい。

器などにそっと手を触れさせてあげると形や大きさなども分かります。

(器が熱くなっている場合もありますので注意を促して下さい)
その他に色(障がいの時期などによって差があるかも知れませんが、ほとんどの方が自分なりに認識されています)や模様など説明してあげるのも良いでしょう。
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※テーブルの上を時計の文字盤に置き換えて物の位置を説明する方法もあります。
この場合は見えない方の位置が6時になります。
●途中で席を離れる場合は、黙って行かないで「ちょっと席を外します」と言い、戻ったら又声を掛けて下さい。
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[盲導犬]
●盲導犬は目の不自由な方を安全に誘導する為に訓練された犬なので、ペットではありません。

可愛い犬を見るとつい触ってみたくなるものですが、決して食べ物を与えたり頭を撫でたり抱いたりしないで下さい。
盲導犬は目の不自由な方の指示を聞きながらそれを判断して行動します。

その為に気が散る事を嫌います。
●盲導犬を連れた目の不自由な方と一緒に歩く時は、犬側を歩かないで下さい。
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[点字ブロック・音の出る信号機]
●点字ブロックは道路上の黄色く塗られた突起のあるブロックで、目の不自由な方を足元や白杖で触った感覚によってある場所まで誘導したり、四つ角とか建物の入口などの位置を確認する事ができる役目をしています。
●点字ブロックのある歩道の上に自転車や物などを置くと、点字ブロックを頼りに歩いている目の不自由な方にとって大変危険です。絶対に置かない様にして下さい。
●音の出る信号機は目の不自由な方が青か赤かを確認する場合、音によって知る装置です。
街の交差点などで気を付けて聞いてみて下さい。
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[世話の焼き過ぎはかえって迷惑]
お手伝いをする時は、あまり細かい説明は不必要です。
目の見えない方でもできる事はたくさんあります。
世話の焼き過ぎはかえって目の不自由な方の心を傷つける事になりかねません。
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(その3へ続きます)

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