(その2からの続きです)
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☆障がいを持つ方へのお手伝いの仕方
~肢体(手足や体)の不自由な人に対する場合
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肢体不自由となる主な原因は、大きく分けると「生まれつき障がいがある先天的なもの」「病気や交通事故、労災事故、その他の事故や災害などによる後天的なもの」そして「生まれる前から原因があって、障がいそのものは生まれた後に起こってくるもの」の3つがあります。
昔はポリオ(脊髄性小児まひ)や脳性まひなどにより障がいを持つ方が多かったのですが、今では脳卒中や交通事故・労災事故などにより障がいを持つ方が増えています。
これらの障がいの状態は様々で、「車椅子の方」・「松葉杖の方」・「義足をつけている方」・「麻痺(感覚が無くなり動かなくなる事)不随意運動(動かそうと思っていないのに動いてしまう事)がある方」などいろいろあり、お手伝いの仕方もそれぞれ違ってきます。
ここでは車椅子を使っている方に対する場合のお手伝いの仕方をご説明します。
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[車椅子を使っている方が困る時]
●階段はもちろん、道路のちょっとした段差でも超える事ができません。
●砂利道や芝生、坂道では自分で車椅子を動かすのが大変です。
●雨の時、傘がさせません。
●利用できるトイレが少ないので行きたい所へ行けません。
●バスや電車の乗り降りなどが難しいです。
●公衆電話を使って電話をする時、ダイヤルもしくはプッシュボタンの位置が高過ぎるて電話がかけられない時があります。
●スーパーマーケットなどで買い物をする時、高い所にある品物が取れません。
この他にも、日常我々健常者が気にも留めない事でも車椅子を使っている方にとっては大変困る事がたくさんあります。
しかし、困っていると思ったからといっていきなり勝手に車椅子を押したり引いたりすると、はずみで乗っている方が車椅子から転げ落ちたりして大変危険です。
まず声を掛けて、何をして欲しいか聞く事が大切です。
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[車椅子の折りたたみ方と広げ方]
●折りたたみ方は、フットレストを畳んでからシートの中央を掴んで持ち上げるようにして完全に折り畳みます。
※折りたたむ時と広げる時は、必ずブレーキを完全にかけてから行います。
●広げ方は、外側に少し開いてシートを押し広げます。
※シートの下に指を挟まれない様に必ず手の平を外側、指を内側に向けて押し広げます。
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[車椅子の押し方]
●車椅子の真後ろに立ち、両手でグリップを深くしっかりと握ります。
前後左右に注意してゆっくり押します。
※フットレストと物との距離に注意して下さい。
※静止している時は必ずブレーキをかける事を習慣にして下さい。
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[車椅子で段差や溝を超える時]
●段差や溝を越える時はステッピングバーを踏んでキャスターを浮かして段又は溝の向こう側に降ろします。
次に大車輪を押し上げます。
●段差を降りる時は後ろ向きにゆっくりと大車輪を降ろし、ステッピングバーでキャスターを上げ後ろに引き、ゆっくりとキャスターを降ろします。
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[車椅子での坂道の上り方と下り方]
●上り坂の場合後から少し身体を前傾して一歩一歩しっかり押します。
押し戻されないようにします。
●緩やかな下り坂では前向きで急な下り坂では後向きで、ブレーキを軽くかけながら一歩一歩ゆっくりと下ります。
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[車椅子で階段を上り下りする時]
●いろいろなやり方がありますが、大切な事は安全である事とお手伝いする方の負担が少ない方法で行う事です。
●3人又は4人のお手伝いをする方がいる場合上りは車椅子を前向きにして、下りは後ろ向きにしてお手伝いするのが一般的です。
●2人の場合では1人が車椅子の前部の左右にある
縦のパイプ(下図参照)を両手で持ち、キャスターを少し浮かせ気味にして中腰になります。
もう一人は左右のグリップを両手で持ち、大車輪を階段に乗せたままで一段一段ゆっくりと呼吸を合わせながら引き上げ又は降ろします。
これが最も負担の少ないやり方ですが、2人が車椅子の左右から車椅子ごと抱えて上り下りするやり方もあります。
車椅子の方の状況が様々ですので、お手伝いする前に車椅子に乗っている方にどうしたら良いのか聞いて下さい。
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相手が目の不自由な方でも車椅子を使っている方でもお手伝いをする上で一番大事なことは・・・共通して言える事なのですが、お手伝いをする前に相手に必ず声を掛けるのが原則です。もちろん、一つ一つの動作に入る度毎にです。
声が小さい方や、脳性まひなどのために言語障がいがありなかなか言葉が出て来なかったり発音が不明瞭な方がいっらしゃったとしても、返事をしない方はまずいらっしゃらないでしょう。
もし相手の言葉が聞き取りにくい時は分かるまで根気良く聞き返して下さい。
聞き返すのは決して失礼な事ではありません。
分かったふりだけは絶対にしないで下さい!
車椅子の方の言葉を聞く時はできるだけしゃがんで自分の耳の位置を下げる様にすれば相手も言葉を出しやすくなると思います。
最近では言語障がいを持つ方で「トーキングエイド」という道具を携帯して使用される方もいらっしゃいます。
僕がヘルパーを担当している利用者さんがそうです。
キーボードの文字キーを押して液晶画面上に文章を映し出したり、それを音声に変えて相手に伝えたりする事ができます。
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長々と書いてしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
お暇な時に少しずつでもこれを読んでいただき、目の不自由な方や車椅子の方のお手伝いに役立てていただければうれしいです。
もしご質問があればコメント欄↓にどうぞ。
障がいを持つ方が地域の中で自立していけるようにサポートしている立場の者として、一人でも多くの方が障がいを持つ方に対して関心を持ち積極的にお手伝いや協力をしていただける事を切に願っています。
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※参考文献:福島県肢体不自由児協会・福島県社会福祉協議会編「障がいをもつ人へのエチケット」
何を欲しているのか、何を困っているのか、見ただけじゃわかりませんものね。
直接障害をもつ方と接した事はまだありませんが、Micchiiさんが伝えてくれたことって例えば、お年寄りの方とか小さな子供さんを連れているお母さんとかにも共通しますね。
介助って躊躇しちゃう理由が『他人の目』だと思うんです。なんか恥ずかしいというか・・・
電車のなかでお年寄りに席を譲るとか、妊婦さんに席を譲ると喜んでくれますよね。そういう気持ちがまたこちらも嬉しいんです。
親切って相手もこっちも嬉しい気持ちになり、フィフティーフィフティー、同等なのだといねむりねこは思うのですが。
だから介助って『なんだか自分が偽善者に見えてないかな?』って思うことは止めようと思うんです。
はい、行動を起こす前にまず相手と
必ずコミュニケーションをはかることが
基本中の基本なのです。
とりあえずは、「こんにちは」とかの
あいさつから入るのがいいと思い
ますよ(*^_^*)
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ひと昔前までは、障がいのあるなし
に関わらず困っている人を見かけたら
ちょっと(気軽に)手を貸してあげる
のは人間として当然のことだという
ことを誰でも知っていました。
別に教えてもらったからじゃなくて
両親や周囲の人達のすることを見て
覚えたからです。
でも、今はこの当たり前のことをする
のにはとても勇気が必要とか(?)
で手を貸すのを躊躇ったり、無関心を
装ったりする人が多いような気がしてならないのです。
僕が車椅子の方と一緒に外出をして
一番困ることは出入り口にスロープ
がなくて段差になっていることです。
そんな時に僕は周りの方に声をかけ、
丁寧に頭を下げてお手伝いをお願い
するのですが、無視されたことが少
なくありません。
いねむりねこさんには信じられない
ことかも知れませんが、これが悲しい
現実です(>_<)
それでも、結果は何とか人の温かい
心にふれて感謝し、そしていつも幸せ
な気持ちになれるのがこの仕事の
いいところなんです(●^o^●)
手続きから何から何まで分からない事ばかりの連続です。
大変なのは周りの人よりも一番に本人だと思います。
それを頭に置いて普段と変わりなく接することが大切だと感じています。
お年を召してからは体が不自由だと
とお世話が大変ですね。
僕の母の場合もそうでした。
これからいろんなご苦労があろうか
とは思いますが、いつも前向きな
気持ちを忘れずにお母様を支えて
あげて下さい。
良く言われる言葉ですが、「障がいは
不自由であっても決して不幸では
ない」のですから。
できるだけ明るい態度で接してあげて
下さいね。