一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

8月2日の大野教室(2)

2020-08-14 00:11:02 | 新・大野教室

第2図で私は△6四香と打ったが、覇気のない手だった。Kob君は▲5五銀。これが厳しく、△5五同角は▲同角。△5三角は▲6四銀で、A△同角▲同角△同金▲5三角。B△同金▲同角△同角▲6三金で、いずれもKob君が優勢になる。私は手順Bを甘受したが、これは負けたと思った。
だがKob君も寄せをグズり、気が付けば私は中空に要塞を作っていた。Kob君の持駒は飛角しかなく、これは私に形勢の針が触れたと思ったが、Kob君は粘り強く指し、最後は私が競り負けた。いや、この敗戦は痛かった。
負けた将棋の感想戦はサラッとやりたいところだが、Kob君は初形に戻す。それで私も付き合うことになった。
序盤、私の△6四歩で、Kob君は△5四歩を予想していたという。それもあるだろうが、そこを研究していたらキリがないので、先を急ぐ。
角交換後の▲5五銀に私は△6三銀としたが、Kob君は△6三金を考えたという。ただ角交換をしたので、ここは△6三銀がベターだと思うが、どうか。
中盤、私が△7二飛として袖飛車の形になり、ここは自信があったのだが、Kob君も我に利ありと思っていたらしい。
問題は第2図で、Kob君は△6四銀(参考図)を予想していたという。なるほどこれが将棋の手で、△6四香なんていう手はなかった。

私は感想戦が好きではないが、感想戦も根を詰めてやってみるものだと思った。
時刻は午後3時半にならんとしている。感想戦が長くなって、3時休みがなくなってしまった。
さっきから声がしていたが、Shin氏が来ていた。前回私が来たときはW氏から、Shin氏に将棋に対する熱意がなくなったらしい、という話は聞いていた。
だがこうして来たということは、また将棋熱が高まったということだろう。

4局目は初心者君(小学生)と戦う。私の六枚落ちである。大野教室は本当に新規が多い。
私はボンヤリ指していたが、初心者君は▲2五歩まで止めて、スズメ刺しできた。たぶん大野八一雄七段の教えだと思うのだがこれが肝要で、上手の△2四歩~△2三金を抑えているのだ。
これで端を破られたが、初心者君は▲4四角と歩を取ってきた。しかしこれは△同銀でタダだ。さすがに私もこの自爆手を説明し、思い留まってもらった。

数手進んで、私の△7六歩まで。ここで初心者君は▲6八玉と指そうとしたが、私は「▲7七桂が生きているうちに、こちらの玉を詰ましましょう」と言った。
とりあえず▲4三銀△5三玉まで行ったが、ここで初心者君は考える。1分くらい経って「アッ」と叫ぶと、彼は▲4二竜(勝利図)と指した。ここはむろん▲5二金でもいいが、持駒を使わないという条件を付ければ見つけにくい手で、こうした発見の快感が、将棋を強くする。

そしていよいよ、大野七段との指導対局となる。もちろん角落ちでお願いした。

初手からの指し手。△5四歩▲7六歩△6二銀▲2六歩△5三銀▲2五歩△4二玉▲2四歩△同歩▲同飛△3二玉▲3六歩△2二銀▲3五歩△2三歩▲2六飛△4二金▲3八銀△8四歩▲7八金△6二金▲7六歩△8五歩(第1図)

大野教室での指導対局は、2019年4月27日「大野教室Presents・女流棋士の指導対局会」以来、1年3ヶ月振り。それ以外の場所だと、新宿将棋センターの1月6日以来、7ヶ月振りとなる。
私は居飛車の作戦を採り、△3二玉に▲3六歩。そこで△2三歩でなく△2二銀だったので、早速▲3五歩と突っ張った。
そこで△2三歩に、いつもなら「一公流▲2五飛」だが、本局は▲3五歩と突いているので、▲2六飛と引いた。
△8五歩にはどう指すか。

第1図以下の指し手。▲7五歩△4四銀▲3六飛△2四歩▲7七角△2三銀▲4六歩△5三金▲4五歩△同銀▲7六飛△5五歩▲同角△6四歩▲7四歩△同歩▲同飛△7三歩▲7六飛(第2図)

私の右側にOk氏が入った。Ok氏は飛車落ちでの対局である。Ok氏、よくここまで強くなった。
局面、急戦調の将棋では、上手に飛車先の歩を交換させてもよい、というのが大野七段の教えだが、上手に歩を持たせると何かと面倒なので、▲7五歩と突いた。
大野七段は△4四銀~△5三金と盛り上がってきたが、私は▲4五歩△同銀▲7六飛と軽快に動く。
次に▲3七桂があるので大野七段は△5五歩と銀の動きを楽にしたが、私は喜んで▲同角と取る。
△6四歩には▲7四歩からまた1歩を手に持ち、下手が十分だと思った。

第2図以下の指し手。△5四銀▲2八角△3四歩▲7五飛△6三金▲7七桂△7四歩▲8五飛△8四歩▲8六飛△3五歩▲5六歩△7三桂▲5五歩△4五銀▲9五歩△8五桂▲6八銀△7七桂成▲同金△8五歩▲9六飛(第3図)

このあたりで佐藤氏が見えた。
△5四銀には▲2八角とこちら側に引く。角は8八にいても効果が薄いので、配置換えである。
△3四歩には▲7五飛と浮き、△6三金には▲7七桂と跳ねる。これに△7四金なら、強く▲同飛△同歩▲6四角でよい。
△7四歩には歩を取りつつ▲8五飛とぶつける。△8四歩と謝らせ、これは気持ちがいい。
ただ大野七段に△7三桂と跳ねられてみると、上手も駒が目いっぱい働いている。勝負はまだこれからと気を引き締めた。
△4五銀に私は指し手に窮し▲9五歩。これに大野七段は△8五桂と跳ねる。駒の持ち合いは下手が有利だが、大野七段に有効な桂の使い道があるのだろう。
桂交換のあとの△8五歩には▲9六飛と寄ったが、私にはイヤな筋が見えていた。

第3図以下の指し手。△5六歩▲7八金△8六歩▲同歩△8四飛▲4六歩△3四銀▲3九角△5七桂▲4八金(第4図)

大野七段はこちらの将棋を見た後△5六歩と垂らした。私は△6五桂▲7八金△5六歩がイヤだったのだが、それは▲6九桂と受けて何でもなかった。
△8六歩に▲同飛は△同飛▲同歩△5七桂で悪い。よって▲同歩だが、やや飛車の動きが減殺された。
私は▲3九角。これが▲2八角と引いたときからの密かな狙いで、△8一飛なら何かのときの端攻めを見ている。ただ▲3九角では、黙って▲4七銀~▲5六銀を目指すのが本手だった。
大野七段は△5七桂と遮断したが、私は▲4八金。この桂を取り切れば完封となる。ただ▲4八金では▲5八金とすべきだった。▲4七銀~▲5六銀となったとき、▲5七角と味よく取れたからである。

(つづく)
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