一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

8月2日の大野教室(3)

2020-08-15 00:08:10 | 新・大野教室

第4図以下の指し手。△9四歩▲9七飛△8六飛▲8七歩△8五飛▲9八飛△9五歩▲8八飛△9六歩▲9八歩△3六歩▲4七金△5五飛▲5八歩△3三桂▲5七歩△同歩成▲同銀(第5図)

大野八一雄七段は△9四歩。▲同歩は△同飛で、飛車交換が受からない。△5七桂がいるから、下手は強い戦いができないのだ。
私は飛車をひとつ引いたが、逸機。ふつうに▲9八まで引くべきだった。
大野七段は「9七か」とつぶやき、△8六飛。▲8七歩△8五飛に私は▲9八飛とまた引かざるを得ず、頗る模様が悪くなった。
だが△5五飛にようやく▲5八歩が打てて、桂馬を取り切れた。
とはいうものの、2歩損しているうえ、飛車角が蟄居状態。形勢は思ったほどよくない。

第5図以下の指し手。△3五銀▲5六歩△5一飛▲2七桂△4四銀▲3六金△3五歩▲3七金△2五歩▲2四歩△3四銀▲1五桂△1四歩▲2三歩成△同銀▲同桂成△同玉(第6図)

四枚落ちの少年は対局相手がいなかったこともあるが、大野七段に定跡の分からないところを聞いている。その意気やよしである。
△5一飛に▲2七桂はあまり気が利かないが、ほかに指す手が分からなかった。ただし△4四銀に▲3六金と歩を払えたのは収穫である。
△2五歩に、▲2四歩。△同銀なら▲3四歩なので大野七段は△3四銀だが、私はスイと▲1五桂と跳ね、半分中途半端だった桂が、銀との交換を約束された。大野七段は怒って?△1四歩だが、私は▲2三歩成とし銀得になり、これは負けられないと思った。

第6図以下の指し手。▲4七金△2六歩▲2八歩△3四玉▲4八角△2一飛▲3七金△3六桂▲3九角△2八桂成▲同角△3六歩(第7図)

上手は△5五歩の狙いがあるので私は▲4七金と寄ったが、どうだったか。▲4七銀だったかもしれない。
大野七段は△2六歩▲2八歩を利かし、△3四玉。これが上手特有の指し方で、次に△2一飛を見ている。そして実際そう指されると、次に△2七桂の打ち込みがあり、これは容易ならざる形勢だと思った。
△3六桂▲3九角には△2五桂がイヤだったが、▲2六金△1七桂成に▲2五銀があり、△同飛▲同金△同玉▲2二飛は下手勝ち(参考A図)。

大野七段は「(△2五)桂は大したことないなあ」とつぶやきつつ、△2八桂成から△3六歩。これがさすがの手で、私はすっかり困ってしまった。

第7図以下の指し手。▲2六金△同飛▲2七歩△2一飛▲5八玉△5一飛▲4七桂△5四金▲6六歩△7五歩▲6七金△7一飛(第8図)

第7図で▲3六同金は△2七歩成が厳しい。以下▲2五銀△同桂▲2七銀はあるが、あまり考えなかった。▲2六金から▲2七歩は、こう収めたくなるところであろう。
△2一飛に、私は「居玉を避けよ」で▲5八玉。126手目で初めて玉が動いた。
大野七段は△5一飛から△5四金。ついにこの金まで出動してきた。
そして△7五歩~△7一飛。中盤では私に歩の持駒が5枚くらいあったのに、いまは歩切れ。つまり△7六歩~△7七歩成の突進が止められず、私はこの間に上手玉を寄せざるを得なくなった。しかし相手玉は見えない。

第8図以下の指し手。▲4五歩△3五銀▲同桂△7六歩▲4六桂△3五玉▲5四桂△7七歩成▲4六角△4五玉▲5五金(投了図)
まで、144手で一公の勝ち。

実はここで、▲4五歩が狙いの一手だった。これに△4五同桂と△4五同銀は▲4六桂。△4五同玉は▲2六桂。△4五同金は▲6四角△5三銀▲8二角成。いずれも下手に楽しみが出る。
大野七段はひねって△3五銀と出たが、私は▲同桂。これを△同玉とも取りにくいので大野七段は△7六歩ときたが、やはり▲4六桂が絶好となった。以下▲5五金まで、大野七段の投了となった。

「(第7図以降の)△5四金が失敗した。こんな手を指さず、すぐに△7一飛(参考B図)とすべきだった」

と大野七段。「中盤銀損になったけど、悪くないとは思ってたんだよね」
私は、急転直下の終局になったので、自分の勝利が信じられず、ボーッとしていた。ただ勝敗は別にしても、長期の実戦不足の割には、粘り強い将棋が指せたと思う。
またさっきの少年が大野七段に質問をしたので、私は感想戦をせず、席を離れた。

今日は昼から入ったので、まだ将棋が指せる。今度も新規の少年で、私の後手。つまり平手だ。
将棋は相居飛車で、角換わりになった。少年は早指しで、文字通りノータイムだ。早見え早指しは元気があっていいが、若干ムッとくる。
将棋は私がやや有利のまま終盤に向かったが、△3五桂・▲4七金の局面で、少年は▲5六角。これは▲4七金にヒモを付けた手だと思ったが、△2三玉への王手になっていた。あやうく△4七桂成として負けになるところだった。

この後は優劣不明の戦いになったが、第1図の▲3四角と出た手が敗着。△5九金▲7九玉△6九金打まで私の勝ちとなった。
ここまで、六枚落ちの敗戦を含め、3勝3敗。最後はShin氏との対局となる。振駒でShin氏の先手となった。▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金に▲3八銀とするのが今風だ。私も△7二銀としたが、Shin氏はなおも▲9六歩。それでこちらがひねり飛車になった。

第1図から△5五銀▲同金△同歩▲同角に、△5四金▲8八角△6五金が私の読み筋。途中△5四金ダサイが、この金が中央を制して、指せると思った。
ところが……。
(つづく)
コメント (2)
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