牛につづき、宮崎県で“鳥インフルエンザ”が確認された。
またか、と思ったヒトが多かったであろう。わたしもそのひとりである。
しかし、鹿児島県、愛知県でも感染が確認される。
わたしは鳥の写真をたのしみにしているヒトなのだ。
渡り鳥が相手では術もほとんどない。お手上げだ。などと思っているのだが、
防ぐべくもない、空からそのウイルスはやってくるわけだ。
「宇宙戦争」を掲載したばかりのわたしにはイヤな符号である。
そうだ。「パンデミック(爆発的感染)」ということばに反応したのは、
去年、おととし・2009年だったか。
「殺処分」ということばが当然のように使われ出している。
家禽類のニワトリ・ウズラ・七面鳥等に感染すると非常に高い病原性
をもたらすものがあり、そのタイプを高病原性鳥インフルエンザと呼
ぶ。
H5N1型の鳥インフルエンザウイルスは、鳥から鳥に感染するものであ
り、まれに人に感染することがあるが、ヒトインフルエンザウイルス
と異なり、ヒトからヒトへの感染拡大は確認されていない。しかし、
鳥インフルエンザウイルスの感染が広域化・長期化しているため、豚
やヒトの体内で突然変異する危険性が高まっている。
世界保健機関(WHO)も、香港1997年型の発生直後から、鳥インフルエ
ンザの監視体勢を強化しており、2005年には世界各地で流行している
鳥インフルエンザが、いつ突然変異で新型ヒトインフルエンザになっ
て世界的な大流行(パンデミック)を起こしてもおかしくないと警告
している。
そうなった場合、最大で5億人が死亡すると試算されている。
WHO・FAO・OIEの3機関は2004年1月27日、アジアでの鳥インフルエン
ザについて「世界的な流行を引き起こす、非常に危険な人間の伝染病
に変異する可能性がある」と警告する共同声明を発表した。
そうなのだ。わかっているつもりではいるが、「殺処分」も、
10㌔圏内のさまざまな規制も人間をまもるために行なわれている。
ウイルスという目にみえない相手との闘いは90年代に顕在化している。
まちがいなく、これは人間がつくり出したものなのだと思う。
1924年: 日本 HPAI(H7N7型)
1996年: 北海道 H5N4
日本国内にて1996年9月と12月に低病原性タイプと疑わしい
事例が発生したがウイルスの分離特定はできなかった(H3型
としている情報もある)。
2004年1月、山口県阿東町の養鶏場で6千羽死亡。動物衛生研究所の
分析にて国内初のHPAI(H5N1型)が検出。2/18終息宣言。
淘汰処理された鶏は計3万5千羽。
2月~4月、京都府丹波町の養鶏場で鶏13万羽超死亡。
HPAI(H5N1型)。初期対応の不備で養鶏場外にも被害
拡散。
3月16日、日本政府、総合対策を発表。
2005年6月26日、茨城県水海道市(現常総市)、H5N2型。
8月18日、埼玉県鴻巣市で過去に鳥インフルエンザに感染してい
た抗体を確認。茨城県水海道市のH5N2型と同じ可能
性。埼玉県は、約9万8千3百羽処分。
8月27日、茨城県小川町(現小美玉市)で鶏から鳥インフルエン
ザの抗体が確認された。H5型。
10月31日、茨城県は、小川町(現小美玉市)の採卵養鶏場で感
染歴を示す陽性反応の鶏が見つかり、鶏の殺処分
を命じたと発表した。県内で発覚した抗体、ウイ
ルス検査での陽性反応は31カ所目。
11月4日、農水省は、茨城県の養鶏場で、また新たに感染歴を
示す抗体陽性の鶏が見つかったと発表した。
同養鶏場の開放型鶏舎の18万羽に殺処分命令を
出した。同県内で抗体陽性の鶏が見つかった養鶏
場は32カ所と広がった。
11月13日、茨城県美野里町(現・小美玉市)の鶏から鳥インフ
ルエンザウイルスが確認された。約8万羽の殺処分。
11月29日、茨城県は、同県美野里町(現小美玉市)の採卵養鶏
場(9鶏舎)の鶏から新たにウイルスを検出したと
発表した。同県内では10例目。
12月9日、茨城県は、同県小川町(現小美玉市)の採卵養鶏場
(1鶏舎)でH5型の抗体陽性が新たに確認されたと
発表した。
2006年以降、2007年、2008年、2009年、2010年、
そして、2011年、現在にいたる。