“銀河鉄道の夜”というとこのイメージが強いようですね。


登場人物を人間ではなく擬人化した猫として描いた設定は、ますむらひろしが
(アニメ版のもとになった)漫画化に際して施した脚色です。
1985年制作の劇場用アニメ映画『銀河鉄道の夜』がこのイメージをつくり上げました。
監督:杉井ギサブロー、原案:ますむらひろし、脚本:別役実。
映画を観て「宮沢賢治の原作でも登場キャラクターは猫なのだろう」と勘違いする人が
存在することに、小谷野敦(比較文学者)も、好ましくないとしている。
のだそうです。
『ジョバンニの島』というアニメ映画をみました。3月29日の未明(1:35~3:40)でした。



『ジョバンニの島』(2014年) 宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』をモチーフとした、
実話をもとにした作品。太平洋戦争末期から終戦直後の色丹島を舞台に、ソ連の占領に
伴い激変した島民の暮らしをとある家族の視点で描く。
原作 - 杉田成道、原案 - David Wolman、監督 - 西久保瑞穂、脚本 - 杉田成道、櫻井圭記、脚本協力 - 池端俊策。




1945年(昭和20年)春。色丹島は戦時中とは思えないほど静かだった。純平と寛太の兄弟は
島の防衛隊長をしている父から毎晩『銀河鉄道の夜』の朗読を聴かされ、健やかに暮らしていた。
しかし、同年9月、ソ連軍が上陸し全土を占領、島民の財産も没収され、収入源の漁業も禁止される。
小学校にはソ連軍人の子女が加わる。子供たちは島民の心配をよそに彼らと交流を深めていく。
純平は“ジョバンニ”、寛太は“カムパネルラ”に因んでいる。というわけです。
ストーリーは、淡々と、過酷な環境を優しく描いています。
しかし、ロシアが関係すると、なぜかマイナスな心情になってしまう。
“陽”ではなく、“陰”になってしまうのです。
触れたくない、避けていたテーマであろうと思われますが、この挑戦をどうみるのかですね。
2014年2月22日公開。日本音楽事業者協会創立50周年記念作品とあります。





純平(ジョバンニ)はロシアの女の子と交流します。
最後の3カットの同窓会だかは、わたくしほとんど覚えていません。
おそ過ぎるし、アルコールのせいかも知れません。すいません。
この作品の“銀河鉄道イメージ”が今いちしっくりしないな、と正直思いました。
ごめんなさい。