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「国鱒」くんは、1940年ころに絶滅したとされている。
秋田県、田沢湖。
このほど、生存個体が確認された山梨県、西湖。
西湖は火山性堰止湖であり、もともとは魚の棲む湖ではなかった。
近代以降漁業目的で魚が放流されるようになる。
1913年(大正2年)にはヒメマスが放流される。
1935年(昭和10年)に本栖湖と西湖に、秋田県・田沢湖の固有種
クニマスの受精卵十万粒が送られ、ふ化後放流されたが、
その後の生息は不明であった。
田沢湖は深度423.4mで日本第1位(第2位・支笏湖、第3位・十和田湖)、
世界では17番目に深い湖である(世界で最も深い湖はバイカル湖)。
かつては火山性・ミネラル分の高い水質と流入河川の少なさのため、
1931年の調査では摩周湖に迫る31mの透明度を誇っていた。
しかし、1940年に発電所の建設と農業振興(玉川河水統制計画)の
ために、別の水系である玉川温泉からpH1.1に達する強酸性の水
(玉川毒水・玉川悪水と呼ばれる)を導入した結果、田沢湖は急速に
酸性化し固有種であったクニマスは絶滅してしまう。
100年ほどの変遷だ。