ま、しかし、怪物が怪物を語るといったところですね。
なんで怪物か、すぐわかります。
デヴィッド・リンチ監督の代表作は、『ツイン・ピークス』『ブルーベルベット』『ワイルド・アット・ハート』
『マルホランド・ドライブ』などが挙げられていましたが、初期の3作の方がなじみがあるんじゃないかな。
『イレイザーヘッド』(1976年)、『エレファント・マン』(1980年)、『デューン/砂の惑星』(1984年)です。
デヴィッド・リンチ 1977年
絵画においてはフランシス・ベーコン、映画においてはフィラデルフィアの町そのものに最も影響を受けた。
と書かれていました。
フランシス・ベーコン 1970年
フランシス・ベーコン(1909 - 1992年)
作品は大部分が激しくデフォルメされ、歪められ、あるいは大きな口を開けて叫ぶ奇怪な人間像であり、
人間存在の根本にある不安を描き出したものと言われている。
大きな口を開けて叫ぶ姿は、口を開けた状態の歯がたくさん載った写真集(歯医者向けのものと思われる)や、
映画 『戦艦ポチョムキン』 の中で、銃で額を撃たれて叫ぶ老女の姿を参照している。
ベーコンのことは、ほかでお話ししますが、
居心地のよい絵ではありません。
怪物が怪物に強い影響を受け、今、その怪物を語る。
そういったことですね。
つぎの3カットは、怪物の怪物に対する結論風です。
リンチ監督の表情が変化していますよ。
この絵は冒頭の絵です。
2ch、ETV特集からのものです。番組では日本の舞踏家がフランシス・ベーコンの
足跡をたどり、絵と対面して、そのベーコン世界を踊ります。
この方もほぼ怪物ですね。