わたくし 絵のヘタなマンガは嫌いです。マンガだけに限りませんが。
岩明均さんの「寄生獣」と「ヒストリエ」をきのう少々ワクワクした気持ち(かなり、めずらしいと思う)でみた。
絵はうまいとは言えない。いわゆるBクラスとAとのギリギリか。しかし、オモシロい。
巻き込まれてしまった。岩明さんは巧みですね。ヘタさ加減がユーモラスにもなっている(失礼)。
この2冊を買いました。
「寄生獣」の表紙カバーをはずすと、
謎の寄生生物が人に擬態し社会に潜りこむというサスペンスに加え、人と地球の関係を問う
メッセージ性で読者を魅了した同作。(略)映画化に加えテレビアニメ化も始動したようで、
再び話題を呼びそうだ。
謎の寄生生物と共生することになった、平凡な高校生「新一」の数奇な運命を描く。
人間の頭に寄生して人間を食べる『寄生生物』側、最初は捕食されるがままであったが
後に反撃に転ずる『人間』側、そしてその中間者として存在する『新一とミギー』側
という三者の構図で成立するが、話の焦点は新一に置かれている。
文章で語ると、こうなりますが、『新一とミギー』の関係・『ミギー』の存在そのものが
“ひょうきん”といっていいですね。それは、絵のヘタさと言うか、造形性のなさと言うか、
にやはり起因していますね(失礼)。1000万部のヒミツはこのあたりかな。
「寄生獣」から、「ヒストリエ」は8年ほど後に描かれています。
練達しているのが、よくわかります。しかし、ヘタはヘタです。
これは、かならずしも悪口ではありません。
デビュー前は、上村一夫のアシスタントをしていた。学生時代には父の著書に挿絵を提供したこともある。
端正な絵柄とは裏腹の残虐描写を特徴とするが、ストーリーは哲学的かつドラマティックな展開を
両立させている。
「端正な絵柄」には異論もありますが、「上村一夫のアシスタント」が気になります。
わたくし、若い時期、上村一夫さんにぞっこん惚れ込んでおりました。
「裏腹の残虐描写」に、上村さんの影響が感じられます。流麗なまでに絵が“お上手”な
上村さんは「残虐描写」までも華麗に仕上げていました。一方、岩明さんは「残虐」が
「生な残虐」にとどまっている。しかし、「巧みさ」、それはストーリーテラーとしてうまさ・才能だと
思うのですが、岩明さんのストーリー世界にその「残虐」が巧みな味つけをしている。
とまあ、愚考するのであります。
“パラサイト”なんていう今風なコトバもありますが、岩明さんは“寄生”にしたんだろうな。
と思いますね。
2巻から8巻まで全部みてみようと真面目に思っております。
“つづく”
今回の実写監督・山崎貴さんに触れたいと思います。