AKB48 SHOW #21の渡辺麻友さんと向田茉夏さん

「たかみな総監督のお説教部屋」に、渡辺麻友さんが「呼び出された」、その同じ回に、向田茉夏さんの卒業コメントと「フィンランド・ミラクル」を配した、その采配になにがしかの意図を感じたのは、私だけなんだろうか。

渡辺さんの語った内容に、特に目新しいものはなかったように思うけど、こうやってあらためて反芻することで気づかされたのが、ここでも因果が逆転してるかのような運命のいたずらというか、AKB上位メンバーに共通する「強運」ぶりが、渡辺さんにも見事に当てはまってるということかと。

渡辺さんがもし２期でオーディションに合格していたら、ご本人も述懐されてたように、アイドルとして花開くことはなかったかも知れない。ここでは選考基準とかについては触れないけど、そういうのもまた間違いなく運のうちなんだろう。さらには、こうしてなぜか２期では落ちて３期で合格できたことで、やはり類似の強運を発揮して３期生となった柏木さんと、同期に、そしてチームBなることもできた。

すべて成功した後から振り返ってみてるから、後付けだからなのは分かってるんだけど、それでもだからこそ考えてしまう。そんな「強運」に恵まれなかったとしたら、果たして渡辺さんの運命どうなってしまってたんだろう。

そんな、言わば「たられば」話になるんだけど、渡辺さんに比肩できる存在だったかも知れない、まったく違う例ではあるんだけど、パラレルワールドのような在り方として、向田さんを見るというのは間違ってるんだろうか。

本店支店問題は、取り敢えずは棚上げにしよう。向田さんのアイドルとしての潜在力はとても高いものだった、もしかして初期の渡辺さんに匹敵する、あるいはそれを上回るものだったと見なすのは、買い被り過ぎだろうか。少なくとも石原Pは、第４回選抜総選挙の向田さんの35位のテロップで、「覚醒待ちのチームKIIのエース。アイドルとしてのポテンシャルは大」としていた。

こうして別格扱いのように、ソロで卒業コメントを放送し、敢えて「フィンランド・ミラクル」を選曲するところに、石原Pの無念の思いを見るような気がする。けれども、ついに向田さんが覚醒することなく、そのアイドルとしてのポテンシャルを発揮することなく、卒業することとなった。

渡辺さんと向田さんを分けたものは何だったのか。多様な比較も可能かと思うけど、たぶん個別の要素はさして重要ではないように思う。ただ一点、それは秋元氏が常に口にするように、「運」のみだったんじゃないだろうか。向田さんには、渡辺さんのような「強運」はなかった。不思議な風が吹くことはなかった。それだけなんじゃないか。