AKB48の旅

AKB48の旅

AKB48 SHOW #10

2013年12月09日 | AKB
12月7日の「AKB48 SHOW #10」は、AKB48 THEATERからの生中継だった。これがいつにも増して素晴らしい内容で、そこはNHKらしく台本がっつりだったけど、例によって高橋さんの見事な仕切りで、34分30秒を流れるように見せてくれた。

トークでのメンバーの並び方は期分けになってて、遠景には黒子のはずのスタッフがしっかりと写る。その全体を高橋さんが指揮し、隣にはエースたる渡辺さんが控える。高橋さんが指揮を執ると言っても、もちろんそれは上意下達なんかではない。いわゆる干されメンバーからも、突っ込まれ放題。

そこにあるのは、スタッフも含めた全員が共有する信頼関係。互いにライバル関係にある中、いわゆる「推され」と「干され」があり、有名無名の目も眩むような格差がある中、けれども、なのに、だからこそ強い仲間意識が生まれる、その様子は、正に仲谷明香さんの「非選抜アイドル」に描き出された世界そのもの。

「台本がっつり」と書いたけど、正に石原Pは、これを描きたかったんじゃないだろうかと思える。組織としてのAKBの強靱さ、そして劇場という根を張る堅実さ。石原Pがテレビサイドの人間であるが故に、AKBの特異さ、異物感のようなものに敏感にならざるを得なかっただろうし、通常だと描き出されることのない、そんなAKBの「正体」(←カッコ付き)を、テレビという場に、引っ張り出したかったんじゃないだろうか。

そして、少なくとも私の眼には、その目論見は、ある程度だけど成功してるように写る。と言うか、このAKB48 SHOWという番組のコンセプト自体が、正にテレビ的な演出として写るAKBではない、別に隠されてるわけでもないAKBの「正体」に迫るというものなんじゃないか。

願わくは、この素晴らしい番組が終わらないで欲しい。何事にも終わりはあるものだし、石原Pの定年という懸念もある。けれどもAKBが正にそうであるように、動的な継続性という様式はあり得るものであり、なんかぼやかして書いてるけど、そこんところは何とか乗り切ってくれて、このコンセプトを維持した上での長寿番組になることを期待したいところ。