三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

オークス~ソウルスターリング

2017年05月20日 | 競馬

◎ソウルスターリング
〇リスグラシュー
▲フローレスマジック
△アドマイヤミヤビ
△ブラックスビーチ
△カリビアンゴールド

 レース映像を何度見ても、トライアルレースより桜花賞の方が一枚も二枚もレベルが上だ。従って戦績だけから言えば、桜花賞馬のレーヌミノルが最上位の評価となる。しかし桜花賞から800mも距離が延びるのに加えて、今年の桜花賞と明日の東京コースでは馬場がかなり違う。スピードと瞬発力の絶対値がものをいうレースになりそうだ。
 ということで、血統と戦績から距離に不安があり過ぎる桜花賞馬のレーヌミノルは潔く消し。
 本命はフランケル産駒のソウルスターリング。良馬場のスピード争いではこの馬が一番だろう。
 強敵は桜花賞2着のリスグラシューで、ハーツクライ産駒ということから血統的に距離適性はこちらが上だ。長い距離で手腕を発揮する名人が鞍上というのも心強いところである。
 3番手は迷ったが、瞬発力に定評があってオークスでも好成績を残しているディープインパクト産駒を上位にとり、好タイム決着のフローラステークスを1番人気で負けたフローレスマジックとした。2走前のクイーンカップはレベルの高いレースで、4着のレーヌミノルが桜花賞を、2着のアロエリットがNHKマイルカップを制した。
 そのクイーンカップを勝ったアドマイヤミヤビだが、桜花賞の12着惨敗がどうにも引っかかるので、抑えまでとした。
 その他では、フローラステークスと同様の好タイム決着だったスイートピーステークスの1、2着馬のブラックスビーチカリビアンゴールド。スイートピーステークス出走馬がオークスで馬券に絡むことは少ないが、今年のレベルは例年よりも高いと思う。

 馬券は◎ソウルスターリングを頭の3連単(2-3、10、14、16、17)20点勝負


映画「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」

2017年05月20日 | 映画・舞台・コンサート

 映画「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」を観た。
https://twitter.com/yozoramovie?lang=ja

 小説の手法のひとつに、表現したいものを直接的な言葉で表現するのではなく、それを取り巻く周囲を描くことによって表現したいものを浮かび上がらせる、というのがある。小説の場合は表現手段が言葉だけに限られているから、映像や音、匂いや触感などは読者の想像力に委ねるしかない。逆に言えば、読者それぞれの自由な想像によって作品が様々な方向に広がっていく可能性があると言える。
 映画は総合芸術だから言葉と映像と音で複合的な表現ができる反面、観客の想像力を抑え込むことになる。映画という芸術の数少ない欠点のひとつだ。
 この作品はそんな映画の欠点をカバーするために説明的なシーンをなるたけ排除しているように思える。
 映されるのは登場人物たちの具体的で恣意的な行動ばかりだ。大した脈絡のなさそうなそれらのシーンがやがて朧気に繋がりながら、個々の人々が無意識に共有する鬱屈のような気分を浮かび上がらせる。それを時代と呼ぶのか、諸行無常と捉えるのかは観客の感性に委ねられる。
 主役の二人は、価値観の定まらない流動的で不安定な時代を綱渡りするように生きながら、世界や人類のありようを模索する。
 この難しい役柄を池松壮亮はさりげなく演じきった。なんとなく感じる不安や悪い予感を抱えて生きる若者の役は、もはやこの人の十八番と言っていい。相手役として池松に食らいついていった石橋静河のシリアスな演技もそれなりに評価できる。

 空気の汚れか、都会の明かりのせいか、東京の夜空に星はほとんど見えない。しかし同じ東京の夜空の下に若い孤独な魂たちが、悩みながら、苦しみながら生きていることに不思議な共生感を覚える。それは多分、喜ばしいことなのだ。