TPPとやらの問題が紛糾しているようですが、包括的な取り決めなので、具体的な影響がいまひとつ分かりにくい面があります。説明もよくされていないので、国民の大部分がよくわからないままに反対したり賛成したりしているのではないでしょうか。
TPPは互いの貿易がうまくいくように障壁をなくすことが主眼です。そして何が対象というのはポジティブリストではなくてネガティブリスト。これとこれは障壁をなくしましょうというのではなくて、これとこれは障壁をなくす対象から除外しましょうというリスト。当然、漏れが出てきます。そもそもネガティブリストはどんなことについてもあまり芳しくなくて、例えば食品衛生法で決めている食品添加物も、最初は禁止リストを作っていたのですが、リストにない有害なものを使われる事態が多発したので、これとこれは使っていいというポジティブリストに変更した経緯があります。
それでも日本はアメリカのいいなりになってネガティブリストを受け入れるんでしょうね。予想好きな私としては、TPP導入後どんなことが起こるかを冗談で予想してみました。あくまでジョークですので、本気にして怒らないでくださいね。
日本の輸入米に対する関税率は700%以上もあって、アメリカの安いコメも8倍の値段になります。当然ながらアメリカの農業の会社は輸入関税を安くしろ、または撤廃しろと迫ってくるでしょうね。日本は押し切られるしかなく、関税を撤廃することになるでしょう。米だけに限らず、小麦や砂糖なども関税が撤廃になります。その結果、安い農産物が流通して食料は安く売られることになります。外食なんかも安くなるでしょう。勿論販売価格の下げ幅は少しだけになるでしょうから外食産業の利益は増大します。景気はよくならないので安いからといって外食を利用する人たちも、その内行き詰って外食に行けなくなります。食料も買えなくなるでしょう。だから外食やスーパーが潤うのは当面の間だけです。
日本の農家は農作物を作っても売りたい価格で生産物を売ることが出来ず、多くの生産者が廃業し、自殺者もたくさん出るでしょう。当然ながら、日本の食料自給率は落ちるところまで落ちることになります。
アメリカのタバコ会社は、タバコの販売を阻害する健康増進法の撤廃を求めてくるでしょう。神奈川県の分煙条例などとんでもない話で、すぐにでも廃止を求めてきます。タバコの輸入関税がなくなれば国産タバコよりも輸入タバコのほうが安くなりますから、喫煙者は輸入タバコに飛びつきます。JTは当分は販売代理店として生き残り、とにかく売れればいいので、国内のタバコ農家からの材料買い付けをやめます。国内のタバコ農家は廃業し、自殺するでしょう。アメリカのタバコ会社はその後、JTに手数料を取られるのがいやなので、国内のタバコ自販機のタスポなども取りやめ、自販機を自由に使っていいように法律を変え、JTは解体となるでしょう。JTを馘になった中高年には再就職はなく、自殺するしかありません。自殺できない人は軽犯罪を犯して刑務所に入れてもらうことで生き延びようとするかもしれません。あとはホームレスですね。
アメリカの人材派遣業者は、外国人の就労時間制限の撤廃を求めてきます。日本にいる外国人は日本国民と同様にどんな仕事で何時間働いてもいいことになりそうです。アパレルの小売店は日本人よりも背が高くて格好のいい外国人の販売スタッフを雇います。売上も上がるかもしれません。他の業界でも英語のネイティブが必要な場面があるので、アメリカ人を雇用することになるかもしれません。麻薬汚染が進む可能性があります。景気がよくなる見込みがない以上、アメリカ人の雇用が進めば当然ながら日本人の雇用は減少します。職に就けない日本人がそこいらに溢れるでしょう。人心が乱れ、スラムが形成されます。
アメリカの医療会社は、日本は保険が適用されるが、その手続きが面倒臭いので健康保険をやめろと言ってくるでしょう。アメリカでは病気になって病院に行くと「クレジットカードはありますか」と聞かれます。「ない」と答えるとどんなに重症で死にそうな患者でも外に放り出されます。貧乏人は死ねということですね。健康保険と年金はセットになっているので、年金も廃止になります。年老いて貧乏な人は死ぬしかありません。
アメリカのプロスティテュートが大挙して日本に来るかもしれません。なんせ日本男子はまだ紳士です。優しくしてくれるし、あれもそれほどではないので疲れません。当然ながら売春防止法は撤廃となるでしょう。しかし日本は景気がよくならないので彼女たちを買うお金にも不自由します。日本で客にありつけなくなった彼女たちは大挙してアメリカに戻るでしょう。
アメリカの巨大軍需産業は戦争が起きないと商売になりません。しかし今は代理戦争であっても起こすとエスカレートして核兵器をぶっ放しかねません。軍需産業は戦争がないと兵器が売れず行き詰っているので日本に戦車や戦闘機、空母や潜水艦をたくさん買わせることになります。勿論憲法9条なんかはすぐにでも廃止して、核兵器も買うことになります。日本は期せずして核保有国になるでしょう。そうなった途端に北朝鮮が先手を取って核を撃ってくるかもしれません。
アメリカの武器商人は国に対して武器を売りつけるだけではなく、銃刀法を廃止して個人に拳銃その他の武器を売りつけることになるでしょう。日本のヤクザには突撃銃や自動小銃を売りつけます。ヤクザ同士の抗争はアメリカマフィア並みに自動小銃の打ち合いになりそうです。勿論ロケットランチャーも格安で販売します。アクションゲームでさんざんバズーカを撃ってきた来た人たちは、とうとう実物を撃てるとあれば高くても買うでしょう。一番人気はダーティハリーの44マグナムでしょうか。バイオハザードのデザートイーグルやシカゴトランペットも大いに人気になるでしょう。人心が乱れているところに武器を与えるのですから、そこらじゅうで撃ち合いが始まることになります。カタギの人間が武器を持って戦うのですから、もはやヤクザは商売になりません。カタギもヤクザも区別がつかない世の中になります。
当然ながら子供たちも武器を携帯して登校します。学校はほぼ戦場となり、教師は黒板を使用すると生徒に背中を向けることになって大変危険なので、自動小銃を装備して生徒の方を向いたまま授業をすることになります。当然ながら生徒は全員両手を上げたまま授業を受けます。刑法の緊急避難や正当防衛の規定は解釈が拡大されていますから、授業中に少しでも身動きをした生徒を撃ち殺しても、殺人罪は適用されません。
いじめっ子はいなくなります。他の子をいじめたら、いじめられた子からロケットランチャーで家を撃たれて住むところがなくなります。どんなことで人から恨みを買うか解らないので、人と人との付き合いは極端に希薄になります。もはや誰も結婚などしません。文字通り万人の万人に対する戦いが始まります。集合と離散、騙し合いの世界です。自殺者もたくさん出ますが、首吊り自殺から拳銃による自殺が中心となるでしょう。何せ大型拳銃は簡単に人を殺すことができるので、殺人事件の件数は何十倍、何百倍にも膨れ上がります。若い人の死因は殆ど自殺でしたが、これからは自殺と殺人被害のふたつになります。毎日1万人が自殺し、毎日1万人が殺される世の中になるでしょう。勿論病人は治療を受けられないので病死し、ホームレスは道で凍死するでしょう。誰も結婚せず子供が生まれないので、人口は恐るべきスピードで減少していきます。
多くの人が日本に見切りをつけて離れていくでしょう。航空業界にはアメリカの航空会社が多数参入していてどれかに乗るのですが、安全が確保されていないので、無事に外国に辿り着くのは一部の人たちだけです。その人たちは生き延びて、子供たちに言うのです。
「昔ね、ユーラシア大陸の東の端に日本という島国があったんだよ」