三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「Collateral Beauty」(邦題「素晴らしきかな、人生」)

2017年02月27日 | 映画・舞台・コンサート

映画「Collateral Beauty」(邦題「素晴らしきかな、人生」)を観た。
http://wwws.warnerbros.co.jp/subarashiki-movie/

 ドストエフスキーの「白痴」を思い出した。ストーリー的にはまったく重なるところはないが、主人公同士が似ている気がする。それは、せわしない現実世界にたいするアンチテーゼみたいな存在という位相だと思う。

 ウィル・スミスは前回の「コンカッション」の演技もとてもよく、今回の演技も気合が入っていた。もともと感情表現の豊かな俳優で、アクション映画よりも文学作品の方が向いていると思っていた。能天気なアクションヒーローはトム・クルーズに任せておけばよい。
 さて、主人公は娘を亡くし、妻とも離婚して、人生のすべてにやる気をなくしてしまう。普通の勤め人なら本人だけの問題で、周囲に与える影響は少ないが、成功した会社の創業者でオーナー社長であることから、悲嘆に暮れ続ける主人公の状態が現実世界の経済的問題を直撃する。
 類型的な主人公であれば、現実と自分自身の双方に対して少しずつ折り合いをつけながら、不本意な人生を平凡に歩むことになるが、物語は典型を要求し、主人公はただひたすら娘の死を嘆き悲しむことになる。この無理やりな設定を、ウィル・スミスが力わざで演じていて、しかも成功している。ヒュー・ジャックマンやジョニー・デップでは演じきれなかったであろう純粋な悲哀を、臆せずに直球で投げかけるところに、この俳優の演技の凄みがある。
 ストーリーはファンタジーだが、ヘレン・ミレンが変幻自在な演技でクリスマスの贈物ともいえる作品に昇華した。この年配の女優は「マダム・マロリー」の誇り高いレストラン経営者から、「トランボ」の底意地の悪い老婆まで、見事に演じ分ける。
 部下の役のケイト・ウィンスレットは「愛を読むひと」で彼女の人生最高の演技を見せたが、この作品でも現代的な女性の優しさを上手に表現している。ニューヨークのキャリアウーマンもただ利益だけを追求するための存在ではないという面を見せることで、たくさんの共感を得ることができたのではないかと思う。
 総合的に評すると、ストーリーは単純なのに展開は強引で、無理やりファンタジーに仕上げたような映画だが、ひとつひとつのシーンが丁寧に作られ、役者陣の渾身の演技が加わって、感動的な作品に仕上がっているといえる。

 この映画は往年の名画「素晴らしき哉、人生!」(原題「It's a Wonderful Life」)のリメイクで、クリスマスのニューヨークを舞台にしたファンタジーである。配給会社が同じ邦題をつけたくなった気持ちもわかる。しかし制作者が原題を「Collateral Beauty」と変えたのだから、配給会社による邦題も違うものにしてほしかった。
 「Collateral Beauty」という言葉は作品中にも台詞として出てきていて、「幸せのおまけ」と訳していた。「Collateral」は翻訳に苦労する言葉であることは確かで、それなりにいい翻訳だと思う。邦題もそのまま「幸せのおまけ」でよかったのではないか。
 余談だが「Collateral」には広告に使う媒体という意味合いもある。そして主人公の会社は広告代理店だ。言葉の多義性を上手に活用した洒落た伏線である。


レース結果~中山記念

2017年02月26日 | 競馬

中山記念の結果
1着ネオリアリズム   無印
2着サクラアンプルール 無印
3着ロゴタイプ     △ 

私の印
◎リアルスティール  8着

〇アンビシャス    4着
▲ツクバアズマオー  6着
△ロゴタイプ     3着
△ヌーヴォレコルト  7着

馬券は頭で買った2頭が8着と4着に負けたのでハズレ

驚きとしか言いようのない結果だった。競馬だからこんなこともあるだろうが、それにしてもG1レースで常に上位を争っていたリアルスティールアンビシャスの2頭が揃って馬券圏外になるのは、予想外であった。重賞初挑戦で2着に来たサクラアンプルールは、前走までで中山コース3010のコース巧者であるのはわかっていたが、それだけでは馬券対象にしづらかった。
展開云々についてはいろいろ言えるが、それは割愛するとして、今回のレース結果でわかったことがふたつある。ひとつは、十数回の過去のデータだけでは、レース分析には不十分ということ。もうひとつは、サラブレッドの能力の向上が進むところまで進むと、トップクラスから下のレベルのクラスの馬まで、実力の差が詰まってきているということだ。
だから、大レースの実績よりもコース巧者の特徴が優位となる場合もある。大穴が出ると、展開のアヤや偶然のアクシデントに理由を帰していたが、実は順当な結果も大穴も、紙一重に過ぎないのだ。出走するどの馬にも勝つチャンスがあるということは以前からいわれていることだが、誰もそんなことを本気にしていなかった。実際に昔は、誰も印をつけていない馬が馬券になることは滅多になかった。それほど上位の馬と下位の馬には実力差がしっかりあった。
「首の長いキリン 」という言葉がある。最初は首の長いキリンは少数だった。しかし首が長いことが様々な意味で有利であることから、世代交代を繰り返すうちに、首の長いキリンばかりになった。つまり、その種で突出した優位のある存在も、徐々に差を詰められて、最後は皆同じになるという意味だ。
大リーガーにはとてもかなわなかった日本人野球選手だが、今ではたくさんの選手が本場で活躍している。サラブレッドも、もう間もなく日本馬が凱旋門賞を勝つだろう。人と馬の300年の淘汰を過ぎて、世界的にレベルが平準化した時代になったのだ。 

来週は弥生賞だ。楽しみである。


中山記念~リアルスティール

2017年02月26日 | 競馬

◎リアルスティール
〇アンビシャス
▲ツクバアズマオー
△ロゴタイプ
△ヌーヴォレコルト 

中山記念は格がものをいうレースである。
ここはG1路線の王道を進んできたリアルスティールアンビシャスの争いだ。
割って入るとすれば2連勝と好調で中山コースが得意のツクバアズマオー、去年G1の安田記念を勝っている皐月賞馬のロゴタイプ、それに2年前の勝ち馬で今回54キロで出られるヌーヴォレコルトの3頭だが、勝つまでは難しそうだ。
デムーロ騎手が乗ることで3番人気になっているネオリアリズムは、札幌記念でモーリスに勝ったのがウリだが、その前走の函館記念ではツクバアズマオーマイネルミラノに負けている。そもそも中山コースは0102と、あまり得意ではない。
マイネルミラノは函館記念でツクバアズマオーネオリアリズムを負かしているが、その後の2レースは8着と11着で、しかも4か月半の休み明け。展開的に単騎逃げの穴馬と見られているが、ここでは格からも調子からも上位は難しいだろう。
ヴィブロスは3番人気の秋華賞勝ちだけが目立つ実績で、牝馬相手のレースでしか勝っておらず、ここではいかにも買いづらい。
 重賞成績が4年前の青葉賞勝ちしかないヒラボクディープ、そもそも重賞に出たことがないサクラアンプルール、2年前のAJCCを勝った後はパッとしないクリールカイザーの3頭も苦しそうだ。

馬券は3連単フォーメーション◎〇-◎〇▲△△-◎〇▲△△(4、7-4、7、8、9、10-4、7、8、9、10)24点勝負
 


レース結果~フェブラリーステークス

2017年02月19日 | 競馬

フェブラリーステークスの結果
1着ゴールドドリーム 〇
2着ベストウォーリア ◎
3着カフジテイク   △

私の印 
◎ベストウォーリア 2着
〇ゴールドドリーム 1着
▲アスカノロマン   15着
△カフジテイク   3着
△ホワイトフーガ  9着

2番人気ではあるが、3連単9,240円的中

ミルコ・デムーロ騎手のインタビューによると、ゴールドドリームの前走大敗はやはり原因がはっきりしていた。今回はスタートもしっかり出て、よく走った。
ベストウォーリアはいつも通りのパフォーマンス。いつも相手がすこしだけ前に出るだけで、この馬自体は十分な走りをしている。ゴール前に弱いのは血統か。
カフジテイクは予想通りの3着。ベストは1400mなのだろう。マイル以上だとどうしても差し切れない。大穴と見たホワイトフーガの9着は残念だが、このメンバーに入って牝馬が0秒8差なら上等かもしれない。アスカノロマンの15着は先行できなかったことがすべて。先行馬は意外に展開に左右されるものだ。
1週前の段階で上位を予想していたエイシンバッケンが4着に来たのは、今年の根岸ステークスのレベルの高さを示している。この10年のデータでは根岸ステークス組は勝ち馬しか馬券になっていないが、統計学的に言えば10年のデータでは何の推論も出せる筈がない。むしろ馬ごとの成績を縦に見たほうがいいだろう。

来週は中山記念。順当ならアンビシャスVSリアルスティールの首位争い。格だけ言えば3着争いのレース。素直な予想でいいのかどうか、追い切り情報を見ながら判断したい。


フェブラリーステークス~

2017年02月18日 | 競馬

◎ベストウォーリア
〇ゴールドドリーム
▲アスカノロマン
△カフジテイク
△ホワイトフーガ

近3年の優勝馬が出ているが、ここ数戦の成績がパッとしないので、なんとなく難解なレースになっている。暮れのチャンピオンズカップの勝ち馬サウンドトゥルーは、その後2戦もしていてかなりお疲れだろうし、そもそも1800m以上の距離が向いている。

去年の勝ち馬モーニンはそれ以来勝っていないし、武蔵野ステークスもチャンピオンズカップも7着だ。一昨年とその前の年の勝ち馬コパノリッキーは前走の東京大賞典で勝ち馬から1秒7差。ちょっと離されすぎだ。
中心は根岸ステークスの1、2着馬で、ベストウォーリアカフジテイクよりも2キロ多く背負って1馬身差なら、同斤の今回は逆転までありそうだ。カフジテイクはいかにも1400m向きの末脚勝負の馬で、平均ペースでスピードが必要な1600mでは、勝つまではどうかと思える。
前走で4着以下、6番人気以下、馬体重500キロ未満の馬を消すと、ベストウォーリアホワイトフーガしか残らない。ホワイトフーガは牝馬だが前走509キロで出走しており、近4走で1番人気。今回は10番人気くらいだが、大穴で狙ってみたい。
前走大敗組で、負けた原因がはっきりしているのがいずれも前走で2番人気だったアスカノロマンゴールドドリームアスカノロマンは出遅れ、ゴールドドリームは引っかかったのが原因。特にゴールドドリームは4歳馬で、4着以下に負けたのが前走だけ。得意の東京コースで巻き返しが期待できる。

馬券はベストウォーリアゴールドドリームの2頭を頭の3連単フォーメーション(3、9-2、3、5、9、10)24点勝負


映画「Juste la fin du monde」(邦題「たかが世界の終わり」)

2017年02月15日 | 映画・舞台・コンサート

映画「Juste la fin du monde」(邦題「たかが世界の終わり」)を観た。
http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

 公式サイトや映画.comのストーリー紹介を読むと、───「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ───と書かれてあるので、知らされた家族の愁嘆場があるんだろうなとなんとなく予測しながら観ていたが、そんな場面はついぞ出てこなかった。
 観終った感想は、よくわからないというのが正直なところだ。この監督は何のためにこの映画を作ったのか、理解しづらい。ひとつの映画を作るのは大変なエネルギーを要するから、それなりの動機があるのは間違いないが、この映画の監督は、テーマを絞るでもなく、誰に焦点を当てるでもなく、ただ家族それぞれの思惑と感情を、表情と会話、それに音楽で淡々と表現しようとする。わかりやすい映画に慣れてしまった観客は戸惑うばかりだ。

 母親は、どうやら理想の家族像みたいなものがあって、美化された思い出とともに、今回の息子の帰郷を楽しく思い出深いものにしたいと思っているようだ。
 兄は、人の会話には茶々を入れるくせに、少しでも自分のことに踏みこんで来られると、怒りの感情を爆発させて、あることないこと怒鳴り散らす。何を言っても同じ反応をするので、この男とコミュニケーションをとるのは至難の業であることがわかる。
 妹は、自分が好きで、他人の気持ちはお構いなし。タトゥーを入れているのはこの女性が自分を飾り、実物以上に見せたい性格であることを表現しているのかもしれない。
 兄嫁はおとなしく、自己主張よりも家族の和を望んでいる女性だが、夫が孤立するのを悲しんでいる。その割に、皆と同じように夫とはまともなコミュニケーションがとれていないようだ。
 そして主人公だ。ゲイの住む地区から引っ越したようだが、若い頃は故郷にホモ相手がいたらしきシーンがある。その相手が死んだと聞かされて、庭に立ち尽して泣く。主人公が感情を見せるのは唯一、そのシーンだけだ。

 結局、家族の会話は少しも噛みあわず、主人公も言いたいことを伝えられないまま、物語は終了する。家を出て行く前のシーンでは、時間を象徴する鳩時計から鳥が飛び出し、壁にぶつかって死ぬが、これを何かの比喩と考えるべきなのかは微妙なところだ。
 時間については、兄嫁が主人公に「いつ?」と聞くシーンがある。フランス語は得意ではないが、多分「Combien temps?」と言っているように聞こえた。「temps」は時間だ。兄嫁が訊きたかったのはデザートを食べにいつ下に降りてくるかということだが、主人公は「いつ?」に反応する。自分はいつ死ぬのか?

 観念論的に言えば、世界は認識している者の認識によって存在していることになる。世界の終わりとは認識の消滅に等しい。自分が死ねば、世界が終わるのだ。
 この映画の世界の終わり(fin du monde)とは、そういう観念論的な考え方なんだろうなとは思う。哲学と世俗の架け橋を映画のシーンにしようとすると、どうしても噛み合わない会話になるのは避けられない。そこまで考えても、やはりよくわからない映画だった。


映画「Doctor Strange」

2017年02月13日 | 映画・舞台・コンサート

映画「Doctor Strange」(邦題「ドクター・ストレンジ」)を観た。
http://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange.html

 アメリカ人だからと言って必ずしも科学万能の唯物論者とは限らない。東洋の神秘についての憧れとも言えそうな畏怖の念を持ち合わせた人間も少なくないに違いない。チベットには特殊な修行によって思念による奇跡を起こす人間がいると、そういう設定は、エディ・マーフィ主演の映画「ゴールデンチャイルド」でも同じだった。

 3Dの映画はたくさん観てきたが、それほど3Dである必要を感じない映画が大半だった。しかしこの映画は3Dで正解である。予告編の映像を2Dで観たときには、本編を3Dで観たら面白いだろうなと思っていた。予告編を大幅に上回るというほどでもなかったが、空間が歪むシーンは3Dで観ると、迫力が違っていた。

 ストーリー的にはやや無理があり、主人公にはまったく感情移入できないが、チベットのミステリアスな魔術師や、強力な魔術を使う敵の一味などがいて、それなりのダイナミズムのある設定である。勧善懲悪になってしまうところにハリウッドの限界を感じてしまうが、3D映像を観るという点では、それなりに楽しめる映画である。


映画「恋妻家宮本」

2017年02月12日 | 映画・舞台・コンサート

映画「恋妻家宮本」を観た。
http://www.koisaika.jp/

「家政婦のミタ」の脚本家が、とうとう自分でメガホンを執るというのだから、とても楽しみにしていた。そして期待は裏切られることはなかった。

 すべてのシーンに主人公が登場する。その場にいないときは電話の相手として登場する。しかもモノローグや妄想シーンまである。つまりこの映画は、主人公の気持ちを中心に描いた一人称小説なのである。
 こういう設定では各場面がくどくなりがちのところを、周囲の登場人物を典型的にすることで物語にメリハリをつけ、解りやすくしている。言ってみれば教科書通りに作られた映画なのだ。だから観ていて安心感がある。
 たとえば富司純子は、封建的な家庭で育ち偏狭な考え方が身についてしまった老婆を矍鑠と演じている。この役もひとつの典型だ。窮屈に封じ込められた自らの人生を恨む気持ちをひと言の寝言で表現するあたりは、さすがに大女優である。

 阿部寛の演技はいつもながら世の中に対しても自分自身に対してもやや斜に構えているような雰囲気で、とっつきの悪さはあるが、そこは主人公の特権で、モノローグを駆使してあっという間に感情移入させてしまう。
 天海祐希が演じる妻からは、夫にたいする愛情は殆んど感じられなかった。その点が少し残念だが、熟年夫婦となれば会話もさばさばしたもので、結婚して27年も経過した妻がベタベタしていたら逆に気持ちが悪い。ある意味、典型的な熟年妻を好演したといえるだろう。
 とはいえ、円満な夫婦ならば、妻の日常の言葉の端々に夫に対する尊敬の気持ちや、夫の癖を面白がったりする愉快な感情がちょくちょく出てきてほしいと思うのは、男の我儘だろうか。

 教師という職業は必ずしも尊敬される職業ではないが、気の弱い安全無事路線の主人公が、勇気を出して言うべきことを言うシーンがある。富士純子の名演技もあって、この映画のハイライトシーンとなっている。情けない主人公が、突如として英雄になる瞬間だ。このシーンの演出は特に見事で、誰もが共感するだろうし、涙もするだろう。
 下を向いていてもいい、ぼそぼそした言い方でもいい、とにかく言うべきことを勇気を出して言うこと、伝えるべきことを伝えることは価値のあることなのだと、それがこの映画の全編を通じたテーマなのである。


レース結果~共同通信杯

2017年02月12日 | 競馬

共同通信杯の結果
1着スワーヴリチャード ▲
2着エトルディーニュ  △
3着ムーヴザワールド  ◎

私の印
◎ムーヴザワールド  3着
〇エアウインザー   6着
▲スワーヴリチャード 1着
△エトルディーニュ  2着

馬券は頭から買った◎ムーヴザワールドが3着に負けたのでハズレ。

勝ったスワーヴリチャードは直線半ばまで持ったままで、ムーヴザワールドが追い出すのを待ってから漸く負いはじめるという余裕のレースぶりで、ここでは力が一枚上だった。勝ち時計の1分47秒5は過去のレースと比較するとそこそこだが、最速の上がりタイムで2着に2馬身半をつけたのは大きい。スワーヴリチャードがクラシックで活躍する可能性は大いにある。
ムーヴザワールドは窮極の上がり勝負にならなかったところが計算違いだった。それにしても勝ち馬とは直線半ばまで並んでいて、そこから2馬身半以上離されたことから、逆転は難しそうだ。
エトルディーニュは先行して一旦交わされたように見えたが、直線で差し返して2着。母の父オペラハウスの底力が出たのかもしれない。この馬は今後も大きなレースで穴をあける楽しみがある。

来週はG1フェブラリーステークスだ。 前哨戦の根岸Sを後方一気で勝ったカフジテイクが人気になるだろうが、追い込み一辺倒の脚質は1400m向きで1600mになるとどうかという心配がある。去年の勝ち馬モーニンは以降のレースでいまひとつの着順を繰り返しており、チャンピオンSの勝ち馬サウンドトゥルーはその後2戦もしていて、やや使い過ぎの感がある。ならば堅実駆けのエイシンバッケンか。JBCレディスクラシック1、2着のホワイトフーガレッツゴードンキが穴をあけそうな気もする。


レース結果~京都記念

2017年02月12日 | 競馬

京都記念の結果
1着サトノクラウン   ▲
2着スマートレイヤー 無印
3着マカヒキ      ◎

私の印
◎マカヒキ       3着
〇ミッキーロケット 4着
▲サトノクラウン  1着
△ヤマカツライデン 7着  

馬券はマカヒキミッキーロケットの頭からのフォーメーション4点だったのでハズレ

馬場が緩かったことも瞬発力型のマカヒキには堪えたかもしれないが、勝ったサトノクラウンは重馬場の去年の同レースを制していることもあり、力の要る馬場が得意だったということだ。
ムーア騎手は3コーナーから仕掛けて直線追うという王道の乗り方をしているが、馬に無理をさせない騎乗をしており、このレースを勝つよりも久々のレース勘を取り戻させるのが目的のようだった。馬券を買う側はそこまで厩舎側の思惑を読む必要があったということだ。サトノクラウンを本命にした人は見事である。
ミッキーロケットは出遅れがすべて。後方から内を回って直線は中を突いて4着。力のあるところを見せた。

ダービー馬マカヒキは、今日は無理をしない乗り方をしたとはいえ、京都の馬場で直線追い負けをしたのは事実。天皇賞に向けて順風満帆とはいえない結果となってしまった。