故吉永騎手が言っていました。「僕は人の邪魔をしたくないんです」吉永騎手には、勝つことが身上だけれども、人の邪魔をすることを潔しとしない覚悟がありました。天晴れです。競馬はただ勝てばいいというものではありません。全馬が能力を出し切った上で強い馬が勝つのが理想です。ラフプレーを望んでいるファンなど日本にはひとりもいないことを外国人騎手にわかってほしいものです。
競馬の格言のひとつに、勝った馬は強いが、強い馬がいつも勝つとは限らない、というものがあります。馬場や展開や馬の体調など、不確定要素があるのが競馬です。まさに言い得て妙ですが、野平祐二は、強い馬でも馬場や展開に左右されるのはただの一流馬、そういうことに左右されないのが超一流馬だと言っていました。
閑話休題。有馬記念G1です。今回は強い馬ばかり揃ったので、消去法が使えません。強調材料が多い順になります。
これまで出走したすべてのレースで1番人気を続けてきたブエナビスタが、やはりここでも1番人気になるのは間違いないところ。前日の単勝オッズは驚愕の1.8倍でした。出走16レースのうち13レースで1、2着しているのはまさに超一流の証です。しかも3着に終わった3レースは、後方から進んでゴール前で強烈な末脚を披露した超スローの新馬戦と、降着になった秋華賞、人気薄2頭が逃げているのが見えなかったエリザベス女王杯の3レースで、いずれも最も強い競馬をしたのがブエナビスタでした。エアグルーヴ、ウオッカ、ダイワスカーレットに続く名牝であることは、すでに確立された評価でしょう。しかしスローペース必至のこのレースでは直線の末脚比べ。ヴィクトリアマイルでは後方から行っても何とか首差で交わすことができましたが、メンバーの揃ったこのレースでは、後ろから行きすぎると届かずに2、3着に終わる可能性もあります。
ブエナビスタに勝つ可能性があるのはどの馬か。ジャパンカップで直線でかなりの不利を受けながらもゴール前で伸びて2着(1着)だったローズキングダムが逆転候補だと思っていただけに、回避は残念至極です。
代わって注目したのがジャパンカップ3着のヴィクトワールピサ。中山コースは2戦2勝ですし、末脚も堅実。内枠を利して先行すれば、ブエナビスタを封じ込めることも可能かもしれません。
同じく内枠のネヴァブション。7歳ですが、中山は鬼。先行すればヴィクトワールピサとともに流れ込む可能性があります。
穴は休み明けのダノンシャンティ。超スローの競馬であれば距離は関係なし。NHKマイルカップの末脚が発揮できれば突き抜ける場面も考えられます。
◎ブエナビスタ
〇ヴィクトワールピサ
▲ダノンシャンティ
△ネヴァブション
メンバーが揃っているので、気になる馬はたくさん。トーセンジョーダンは好枠を引きましたが、G1実績に欠けるのとヤネが心配。ダービー馬エイシンフラッシュを切るのもどうかと思いましたが、前走の差を詰めるのは難しいと思いました。オウケンブルースリも同じ。ドリームジャーニーは体調とスローペースが心配。ペルーサは出遅れなくても届かない感じ。
思い切って4頭に絞ったので、先週に続いて3連単のボックスと馬単のボックスを買います。