幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

私の顔

2019-03-17 20:33:50 | Weblog

熱が出て鏡を見る

いつもと違う顔が映っている

親父の顔に似ている

あまり好きではない

でもこの顔が

この肉体の

DNA本来の顔なのだろう

でも“私”という霊が宿って

肉体本来の顔とは少し違った顔になっていた

でも改めて考えてみると

僕は本当の私の顔を知らない

知っているのは

この肉体の顔だけだ

そして

今鏡に映っている顔が

肉体本来の顔になっているのだとしたら

逆に今私の霊は

肉体から抜け出しているのだろうか

きっと少し抜け出しているのだろう


熱が出て

私は

私が少し抜け出した

私の肉体の顔を見ている


私はこの肉体の顔を好きではない

これは私の顔ではない

親父によく似ている

DNAの作り出した顔だ


私の霊本来の顔は

こんな顔ではない

でも私は

その私本来の霊の顔を

見たことがない





















最新の画像もっと見る

コメントを投稿