幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

試作

2022-05-16 03:18:00 | Weblog
全ての過去世で同じ場面 ピーク体験 Avec toi  記憶しているメロディ 円の中心から振動して ピラミッドの頂点 幽閉されて見下ろす 波しぶき 海 深く 青が黒に 夜の嵐 闇は見えず ただ聴こえる 底なしのトンネルを走るジェットコースター 反転して 映画のエンドロール 映す フィルムの レール上に軋む車輪 火花散らし 明滅し 落雷が創造した芸術の 最高傑作だけを厳選し ミックスして 組み合わせ 変形して 変換し 変容し 熱と摩擦 突然! 時間の断然! 予期せぬ混線 さあ、パートナーの交換! カップルを入れ替えて 変色した液体 味見すると 赤い オレンジの匂い 笑いみたいな窒素炭化物 交換して試飲するイベントに参加してみてはいかが?! ガラスばりの礼拝堂 ステンドグラスから漏れる ピンクの光 クリスタル化する血のプリズム 分光してみても なんの意味もないから 昼寝から醒めたら 幻想のストーリー創作コンクールでパラダイス賞受賞 でも単調な設定なら飽きるから なるべくなら 南の無人島のビーチでも 満潮になると 海の底へと沈んでいく アトランティク・シーの辺境辺りで どうせ死んでいくなら 貧困でも 同じこと なぜなら 理解できない外国語の街で生きて 今まで我慢して 夕食は決まりきった店で 同じメニューのページの 同じ行 上から三番目 四番目? あなたなら 同じもの食べても きっと違う味がするだろう 美味しい? だってそれくらいしか 食べ物の味と舌触りくらいしか 確かなものは それ以外 感覚の中でも あり得ないから 確かめたい だから 単純なこと 堕落して 初めてわかる 明確になることのように 運命的な 筋道 たった一つの方程式に収斂してしまうなんて なんて味気ない 宇宙法則。