幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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私の夢 (詩)

2021-10-21 02:01:00 | Weblog
 

今朝私は

遅い朝の腕に抱かれて起きたの


太陽はもう高くて

目のくらむような光が窓から差していた


そしてその光線が私の部屋を

隅々まで明るく照らしていたの


正直言うと

このまぶしい光が

私の素晴らしい夢を妨げてしまったの


何の夢を見ていたと思う?


もちろんあなたの夢よ


ねえ

二人で小川の側の

小高い丘の上に座っているのを想像してみて


そこにはあなたと私以外だれもいないの


二人で静かに座ったまま

手を繋いで

今日一日が終わるのを見送っているの


その日没は見事なものよ


すると太陽は

最後の光線の輝きを私たちに放射して

遠くの木々の茂みの向こうに

沈んでいったの


二人は何かを話し始めた

何かについて

愉快に笑ったりしながら


もうすでに

星々が夜空に輝き始めていて

月はその姿を

水面に映しているの


すべてが美しくて

まるで小説の一ページの中にいるみたいなの


そこであなたは突然

私にこう尋ねるの


「きみは天使を信じる?」


私は「信じる」と答えてから

天使が存在する

思いつく限りの

様々な仮説を

あなたに話し始めたの


そしたら

次々にいろいろな仮説が思い浮かんできて

止まらなくなってしまったの


でもあなたは

それを黙って聞いていた


でもついに

私は疲れてしまって

あなたに逆に聞いてみたの


「あなたはどう思う?

天使が存在するかしないか

あなたの答えを説明してみて」


するとあなたは

私の髪を

指の間で真っ直ぐにとかしながら

優しく笑って

何か言おうとしたの


そのとき私は

それはとっても大切なことに違いないと感じたの


でもそのとき

それが最初で最後の

とても大切な場面だったはずなのに

そこで終わってしまったの!


その夢は

明るい太陽の光の中に

蒸発してしまったのよ!


私はとても悔しいの!


でももうすぐあなたと会える


そのとき

きっと教えてね

あなたが思う夢の続きと

あなたが一番欲しいものを