幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

ちょっと銭湯に行ってくる

2017-08-28 01:10:06 | Weblog

Murasaki Genjiさんが近況アップデートを投稿しました。


ちょっと銭湯に行ってくる
戻ってきたら家を出る
もう家には戻らない
どこに行くかはわからない
わかっているのは一文なし
持っていく荷物もとくになし
この身体だけが残っている
いつまでもつのかわからない
きっと明日には死ねかもしれない
迷子になって帰れない
でも、もう、帰る場所もない
たから行くのだ
ちょっと銭湯に寄って
垢を落として身軽になって
出てゆくのだ

僕と結婚しようよ
明日もしれない僕と
ふらふらと旅をしながら生きていこうよ
きっとうまくいくさ
お金なんかなくたって!
人間は金の奴隷じゃない!
そうじゃないか?
人はみな百代の旅人
どこに向かっているのかすらわからない
でも、テストをすれば判るかもしれないよ
チューリング・テスト
君は女で僕は男
お互いの姿が見えないままで
証明することができるかな?
それとももっと手っ取り早く
お互いの姿を見せあって
見つめ合えばいい
やがて抱きしめ合って
愛し合えばいい

金なんてかからないさ
愛し合うのに
安いモーテルで我慢すればいい
あとは時間をかけて長引かせればいい
次の朝、出発を遅らせて
気が向くまま脚の向くまま
川を渡り、山を登り、
温泉に裸で浸かればいい
オルゴン・エネルギーのことを知らないだろう?
そんなにむきになってしごいたってだめだよ
キュウリの塩もみじゃないんだから
強弱をつけて、じらしながら帯電させるんだよ
ほら、こうやって
優しく、そして確かめながら
オルゴン・エネルギーを励起させるんだよ
これは生命のエネルギーであると同時に
欲望のエネルギーの増幅。
イマジネーションの行為を確かめるために試みること
一人ではなく二人で
お互いにお互いを使いながら、
お互いの身体の細部までを利用して
エネルギーを増幅させるのだ。