幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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線香花火

2013-05-22 05:29:32 | Weblog
線香花火のように小さく光る光が、まだチリチリ

トマトのように赤い目玉がとれて、床に落ちたらしい

洗面所に行き、(夜中だったと思う)、付着した白く濁ったヌルヌルを洗い流すと

濡れたビー玉のようにツルツルになって

それを持って外に出たら

月が蒼く光っていた

物干し竿を掛けるポールに、錆びついたナタが立てかけてあったので

自分の首をナタで叩いて落とした頭の、皮を剥いだガイコツを

タワシでゴシゴシ洗って乾かしてみたら

木の皮を剥いだ白い骨みたいになったから

物干し竿にぶら下げてみたら

いい具合に、風鈴のように揺れて

なぜだか、涼しげなチリンチリンという音をたてるので見ると

線香花火の閃光がまだ、チリチリしている