幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 星空

2010-09-06 01:34:42 | Weblog

 
 
  さっき、星空を見に外に出た
 
  星空と言っても東京の空は星もまばら
 
  たぶん木星だろうか
 
  天頂に輝いていた
 
  その他の星はほとんど見えない
 
  それでも星たちの存在を感じた
 
  全身で
 
 
  ダンスをした
 
  木星に祈った
 
  天空の星星に祈った
 
  全生命、全宇宙の存在の幸せを
 
 
  愛を
 
  降り注ぎ給え
 
 
  存在の不思議と
 
  存在することを受け止められる強さを
 
  私に与え給え
 
  
  蝉がひっくり返ってそのままの形で死んでいた
 
 
  来年、また夏がくると蝉が鳴きだす
 
 
  鳴いて、交尾して、子孫を残す
 
  自分と同じ姿、形
 
 
  生命は循環し、生まれ変わる
 
 
  人間は死を悲しむ
 
 
  動物は悲しまない
 
 
  人間は死者を想う
 
 
  死者はいなくなり
 
  想いは残る
 
  生者の中に
 
  受け継がれていく
 
 
  目に見えない循環
 
 
  生も死もない存在の総体
 
 
  巡り巡りながら
 
  愛を増していく