宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

結論から言おう、旧smcレンズの方が良い

2011-04-26 14:03:00 | 天体写真
<PENTAX K-5 による天体写真>

旧 smc PENTAX-M 系レンズと 最新の DA系レンズを比べた
データを撮ったので報告します。

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結論:旧 smc PENTAX-M 系レンズの方が良い
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評価目的:天体写真に限る。特に K-5 と組合わせた場合の
       パープルフリンジ評価、及び各種収差の評価。

使用レンズ:

smc PENTAX-M 28mm F2.8
smc PENTAX-M 50mm F2.0
smc PENTAX-M 80-200 F4.5 Zoom
DA70mm F2.4 Limited
DAL55-300mm F4.5-5.8 Zoom

評価カメラ:PENTAX K-5

RAW撮影
高感度NR=中
長秒時NR=OFF
レンズ収差補正=OFF
倍率色収差補正=OFF
シャドウ補正=OFF
ハイライト補正=OFF
ホワイトバランス=Auto

赤道儀:TS-90S , ノータッチガイド
撮影場所:埼玉県県民の森駐車場
撮影日時:2011/4/25 , 21:03:27~22:32:50
気温:5℃→3℃

DA★などの高級品を持っていない為、手持ちのレンズで
評価しましたが、既に他の方がDA★200mm F2.8 , 300mm F4
で撮影されており、やはりチョット気になる絵を出しているので
気になっていました。と言うか、
これを買うべきかどうかも含めてのデータ検証です。



北斗七星を写して評価しました。
smc PENTAX-M 28mm F2.8 → 4.0 , ISO1600 , 92SecX2


smc PENTAX-M 50mm F2.0 → 4.0 , ISO1600 , 100SecX2


DA70mm F2.4 → 4.0 , ISO1600 , 95SecX2


smc50mm(左) と DA70mm(右) のピクセル等倍比較。
6枚羽6角絞りのsmc50mmと、9枚羽円形絞りのDA70mmの差が
出ていて面白い。星像は共に十分シャープだが、色再現性は
smc50mmの勝ちである。


おとめ座銀河団付近。
DA70mm F2.4 → 4.0 , ISO1600 , 97SecX2


smc PENTAX-M 50mm F2.0 → 4.0 , ISO1600 , 97SecX2


DAL55-300mm , 300mm F5.8 , ISO3200 , 100SecX2


如何でしょうか?
対象が地味なので見栄えはしませんが、K-5 と組合わせた場合、
DA70mm F2.4 Limited よりも smc28mm や smc50mm の方が適し
ていることが分かりました。パープルフリンジや青ハロを消すと、
少なからずその色の星や星雲に影響が出ます。
また、DA系レンズはパキパキとした像であり、K-5 と合わせると
”なんだか嘘くさい絵”になりますね。

M44 プレセペ星団
DAL55-300mm , 300mm F5.8 , ISO3200 , 94SecX2


オマケ画像(派手で良いが・・・), 200mm F4.5
smc PENTAX 80-200mm Zoom F4.5 , ISO3200 , 95Sec


純反射系と組合わせた場合はK-5 , K-r 共に素晴らしい色再現性
を示すことは以前に書きましたが、カメラレンズとの相性はかなり
あると思った方が良さそうですね。
特にK-5はDRIIになってローパスやNR関連が高性能&複雑化した
ため、星という点光源に対してのレンズ許容度がシビアになった
のでしょう。
これからのの季節、カラフルな夏の銀河を撮影するなら、
私は旧smcレンズを使うことにします。

”レンズの味までも吟味した”などと豪語していますが、
レンズとしての基本性能は旧smc時代の方が高かったのでは
ないか? 素人受けする派手な絵作りに走り過ぎていないか?
点光源は星に限ったことではないため、一般写真でも
エッジ部とか閃光反射部などに妙な縁取りが出そうな気がします。

K-5 , K-r は素晴らしいカメラになりました。
でも、これは電子技術の進歩のおかげですね。
確かにK-5のボディーなど、カメラとしての成り立ちは良い。

////// 問題はレンズではないでしょうか?///////

旧smcに負けていてどうする! → PENTAX

天体撮影は究極のレンズ評価となります。
理想的なコリメータ光源が無数にある訳です。
PENTAX は天体望遠鏡を販売していたメーカですが、
既にそのようなDNAは消え去ったと思える。
腕利きレンズ技術者は残っているのだろうか?
素晴らしいレンズが作れてこそ、カメラメーカでは
ないだろうか?

よく、”フィルム時代のレンズだからデジタル対応はムリムリ”
と言う話を聞きます。何を基準に言っているのか、また、
実際にキチンと評価してみたのか疑問です。
今回の旧smcレンズは汎用品レベルで売られていたモノ。
決して高級品じゃない。
しかし、その作り、操作性、性能は現行DAよりも良いです。
∞は押し当てでキチンと出ています。コレほんと助かります。

最新のK-5+旧smcマニュアルフォーカスレンズで星を撮る!

良いじゃありませんか。もっと集めようかなあ・・・


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2 コメント

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Unknown (ごん駄)
2012-01-15 17:50:11
格安で手に入る旧smcレンズ群は私もPENTAX k-xとk-5に組み合わせて使っています(^^)v
返信する
Unknown (eti_forest)
2012-01-15 21:14:58
ごん駄さん今晩は。
おお、お仲間ですね!検証の結果、どう撮っても旧レンズの方がイイ感じです。
無限遠押し当てで良いのも助かりますし、程度の良いモノでも安いですよね。
特に天の川を撮ると良くわかります。
K-5はローパスなどが複雑でパープルフリンジは当然みたいに思われていますが、
いえいえ、そんなことはありませんね。問題はレンズにあります。
今後PENTAXからどんなKマウントレンズが出てくるか楽しみですね。
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