宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

Nexus-ⅡとNexus DSCの動作検証

2017-08-16 19:31:00 | Nexus_DSC
お盆の行事も終わって一段落ですけど、まあ~晴れないですね!

Nexus-ⅡとNexus DSCの動作検証が一通り済んだので書きます。
今どき自動導入でないナビゲーションに意味があるのか?って
疑問もあるでしょうが、案外コレ、快適なんですよね。
クランプを緩めて手で導入した方が速いじゃん!って思ったこと
あると思います。
SkyWatcherのEQ8-GotoやAZ-EQ5にはフリーダムファインドとか言う
名称でエンコーダが組み込まれています。

で、

Nexus-ⅡとNexus DSCとはどのようなものか?

Nexus-Ⅱ

 ・DSC(Digital Setting Circles)・・・デジタル目盛環である。

 ・赤経軸・赤緯軸に付けたロータリーエンコーダのカウント値を、
  WiFiにてスマホやPCへ飛ばせる。

 ・WiFiアクセスポイントとして動作

 ・特定の自動導入架台とUSB接続でデータをやり取り可能。

 ・外観はただの箱であり、何も操作できるものは付いていない。

 ・SoftwareBisque BBoxコンパチコマンド仕様

 ・ドイツ式赤道儀、フォーク式赤道儀、経緯台対応

Nexus DSC

 ・単独でナビゲーション出来る多機能版。
  もちろん、ロータリーエンコーダ使用。

 ・GPS付き

 ・WiFiアクセスポイントとして動作

 ・Mede LX-200オープンコマンド仕様

 ・特定の自動導入架台とUSB、RS-232C接続でデータをやり取り可能。

 ・ドイツ式赤道儀、フォーク式赤道儀、経緯台対応

-------------

DSC自体は自動導入架台黎明期以前から存在していましたが、
WiFiでデータを飛ばせることがNexusシリーズの新しい機能ですね。
スマホやPCからは、WiFiアクセスポイントとして認識されますが、
これを経由してインターネットに出ていける真のAPではなく、
WAN側接続機能を持たないAPとして現れて来ます。

一番のお勧めソフトはSkySafari5 Plus ↓ のようです。
https://skysafariastronomy.com/

実際にAndroid版(¥1,800.-)を買って試しました。




WiFiアクセスポイントとして現れる


セキュリティーの無いオープンネットワークがデフォルトでした。
マニュアルには特にセキュリティーの設定方法が記載されて
いませんでしたが、コマンド表には”set PASSWORAD ***<CR>”
などの記載があったため、TCP/IP ConfigurationToolsで
パスワードを設定できました。

が、

何度やってもオープンのままでパスワードを聞いて来ませんでした。
”get PASSWORD<CR>”コマンドでちゃんとセットされているとの
アンサーバックが来るんですけどね・・・

これが Nexus DSC の方はパネル入力でPASSWORDを設定でき、
ちゃんとセキュリティーが設定できるんですよ。なんで?
ま、イイや。

と、

ここまでが普通の使い方ですが、
特筆すべきはSkySafari5 Plusってアプリの出来の良さ!
こりゃ使って絶対に損の無いアプリだと思います。
アストロアーツのスマートステラも使っていますが、
こちらは¥1,000.-の割には機能削り過ぎですからねえ~。

SkySafari5 PlusもスマホのGPSと方位センサー、地磁気センサー
を使ってカッコ良いプラネソフトとして機能しますが、
拡大すればDSOもPGCのような写真データで出てくるし、
動きはメチャクチャ軽いのですよ。
ステラナビ10とは、全く次元の違う動きをします。
それでいてGUIはキレイだし、データも膨大に持っています。
Windowsアプリ、やばいなコレハ。

--------------

さて、

スマホのSkySafari5 Plusでちゃんと動くのは当然として、
ここは何とかステラ10でも動いてほしいところです。
結論から言うとこんな感じ。

・ステラ10(リンクできました)

・TheSky6 Pro(リンクできました)

・SuperStarⅤ(NG)

特にSuperStarⅤは今時ASCOM機器が一つもつながらないと言うか、
全くサポートしていないのでお話になりません。
TheSky6 ProはASCOM以前の製品ですが、逆にDSC全盛期だったので
SoftwareBisque_BBoxを指定してあっさりとリリンクできました。
残念ながら最新のTheSky Xには日本語版が無いようですね。

ステラ10でリンクするのは容易ではありませんでした。
まあ、アレコレ調べたり専用のツールを使ったりしました。
何しろWiFiアクセスポイントへの接続ですからTCP/IP関連が
強くないとダメな訳ですよ。
ステラ10にTCP/IPポートを開けるツールは無いですからね。

で、

WiFi <-> HW VSP3 <-> ASCOM Platform <-> ASCOM DSC_Driver

<-> ステラ10と言う手続きが必要でした。

VSP(VirtualSerialPort)を構成し、意図的に”COM3 ”などを
作ってやるわけです。TCP/IP <-> 仮想COMポートってやつです。
仮想COMポートが出来たからと言って、Nexus-ⅡがMeade LX-200
コマンドでリンクできるかというとさにあらず。
Ⅱの場合は、あくまでもDSCに徹して動作するようであり、
ASCOMのDSCドライバー無くしてはリンクできませんでした。

TCP/IP <-> VirtualSerialPortツールで仮想COM3を作る。


仮想COM3が出来た。


ASCOMのDSCドラーバ経由でステラ10とリンクできました。




真ん中のオレンジ色斜め十字がエンコーダとのリンク位置です。


エンコーダのパルス数などはASCOM_DSC_Driverに予めセット
しておきます。


ちなみに、


Nexus-ⅡはあくまでもDigitalSettingCirclesですが、

Nexus DSCは単独でロータリーエンコーダの位置情報から
ナビゲーションが出来、Mede LX-200コマンドを標準としています。
通信仕様が異なるのです。
従って、Nexus DSCをステラ10とリンクさせるには、LX-200を
指定すれば良いのです。必死にASCOMやDSCドライバーでリンク
しようとしても繋がりません。

じゃあ、

LX-200なんだから古いTheSky6 ProやSuperStarⅤでもリンクできる
かと思いきや・・・さっぱり繋がりませんでした。


<結論>

WiFiでSkySafari5 Plusを使いましょう!

コメント
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NexusDSCとNexusⅡを買ってみました。

2017-08-14 18:11:00 | Nexus_DSC
オーストラリアにあるAstroDevicesと言う会社↓
http://www.astrodevices.com/

から、NexusDSCとNexusⅡを買ってみました。
ドイツ式赤道儀、フォーク式赤道儀、経緯台式架台にロータリーエンコーダを
取付け、それを座標表示してナビゲーションするアイテムです。
共にWiFi機能を内蔵していてSkySafariなどとコネクトできる模様。


エンコーダはオムロンを使おうかとも思いましたが、
初めてなのでお勧め品を4個同時購入しました。
4逓倍して10000[p/rev]のものと、40000[p/rev]のものです。

ナビゲーションシステム自体は古くからあり、パルステック工業の
アストロスケールは過去に沢山使ってきました。
更に昔にはフルロジックのデジタルカウンターを作ったりもしました。
Z80とアセンブラ言語で作ったデジタルカウンターやGP-IB制御機器は、
北海道の初山別天文台で65cmフォーク型赤道儀を動かしていました。
(現在はどうなっているのかなあ?)

自動導入赤道儀が当り前になりましたが、古く大きな望遠鏡を無理に
自動化することにはリスクが伴います。
何もそこまでは誰も望んではいないし、理解も出来ないという現実も
あります。
イロイロな意味で、ナビゲーションシステムも捨てたものでは
ありません。Nexusの場合はWiFiアクセスポイントとして機能するため、
スマホ画面に望遠鏡が向いている場所が表示できるわけですね。
案外、この程度のものが一般受けするのではないかと思う訳です。

それにしても晴れにゃい!( `ー´)ノ



コメント (4)
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