宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

25cmF5.6(FL=1400mm)で撮った夏・秋もの

2017-08-28 19:20:00 | 天体写真(冷却CCD)
8月25日と26日の夜に撮って来ました。
イヤー、久しぶりの星空でした。まあ、雲の発生も多かった
ですが、天体撮影らしいことが出来て満足です!
フラットも撮りましたが、薄雲通過で上手くフィットせず未使用です。
カメラはAPS-Cのワンショット冷却CCDです。

M57 , 5X180sec , 15min Total , ダーク3枚 , シーイング2/5


このM57はシーイング2/5の割に決まりました。
25cmF5.6ニュートン鏡筒+SkyWatcher ComaCorrector F4での撮影。
F4用だけど、案外使える印象です。

M27 , 4X600sec , 40min Total , ダーク3枚 , シーイング2/5


ややピンが甘いです。

M33 , 5X600sec , 50min Total , ダーク3枚 , シーイング3/5


薄雲多数通過でバックがムラムラで大変でした。

NGC7635 , 6X600sec , 60min Total , ダーク3枚 , シーイング4/5


やはり雲通過多数でフラットが合いませんでした。

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撮影日時:2017/08/25-27
撮影場所:入笠山天体観測所(標高1830m)
天候:概ね晴れ
気温:15℃
星空指数:60
シーイング:25日は2/5 , 26日は4/5

撮像鏡筒:25cmF5.6ニュートン反射 , fl=1400mm
カメラ:Orion StarShootProV2(Sony ICX413 APS-C)
フィルター:LPS-P2
コマコレクター:SkyWatcher ComaCorrector F4

赤道儀:260赤道儀_E-ZEUSⅡ改
ガイド:60mmF4ガイド鏡 + QHY5L-ⅡM+PHD2_Ver,2.6.3

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:3
フラット画像:3
フラット用ダーク画像:3

ASCOM Platform 6.3
撮像ソフト:MaxImDL_Pro Ver6.13
画像処理:SI7 , Photoshop_cc

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・SkyWatcher ComaCorrector F4(おおっと、F4用だよこれは!)でテスト。
   |
   +->結果、まあ許容範囲に入っている。

・撮像レンジが0-900など、とても狭い。
 もっと露光した方が良いということだが、1カット10分越えは厳しい。
 ICX413AQはダイナミックレンジが広いものの、いかんせん感度が低い。
 QEだと35程度かもしれない。
 F5.6では暗すぎるので、次回はε-180EDで撮ろう。

・SSProV2はデジ現しない方が良い結果となるようだ。

・露光不足のため、フラットを当てると画像が荒れてしまう。
 そもそも薄雲の通過でフラットが合わない。
 ダーク減算のみの方が綺麗である。

・M57はシーイング2/5だったにもかかわらず、全面で良好であった。
 これがコンスタントに撮れれば上等である。
 ピント位置をもっとシビアに調整するべきである。

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ミカゲ260赤道儀架台_E-ZEUSⅡ改試写

2017-08-21 16:12:00 | 撮影機材
先日E-ZEUSⅡ化したミカゲ260赤道儀架台+25cmF5.6ニュートン鏡
による動作テスト、試写を行ってきました。
8月19日(Sat)の明け方、僅かに1時間だけ撮影できるチャンス
がありました。諦めて寝ていたら丸坊主でしたね。

結果、E-ZEUSⅡによる自動導入、追尾精度、オートガイド、
25cmF5.6ニュートン反射による試写の全てが一発クリアでした。
但し、撮影は4時を過ぎていたので完全に薄明中でした。
M42に妙なグロビュール状ゴースト?が出ました。
CCD上には何も無かったので謎です。何だろうコレハ。
しかも、笠井コマコレのバックフォーカス70mmに対し、なんと
40mmで撮ってしまいました。

M42 , Orion SSProV2 , 2X5min , 10min Total


アルデバランで同期を取ってM42を自動導入し、構図無視で
大慌ての2カットでした。
今回の撮影で撮れたのは、この2カットだけ・・・

ガイドスコープは60mmF4を常設したので、そのテストも。


RMS=0.42"角で安定していました。


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撮影日時:2017/08/18-20
撮影場所:入笠山天体観測所(標高1830m)
天候:明け方1時間だけ晴れ
気温:15℃
星空指数:***
シーイング:***

撮像鏡筒:25cmF5.6ニュートン反射 , fl=1400mm
カメラ:Orion StarShootProV2(Sony ICX413 APS-C)
フィルター:無し
コマコレクター:笠井コマコレ

赤道儀:260赤道儀_E-ZEUSⅡ改
ガイド:60mmF4ガイド鏡 + QHY5L-ⅡM+PHD2_Ver,2.6.3

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:***
フラット画像:***
フラット用ダーク画像:***

ASCOM Platform 6.3
撮像ソフト:MaxImDL_Pro Ver6.13
画像処理:SI7 , Photoshop_cc

------------------------------------------

・260赤道儀_E-ZEUSⅡ改の動作確認25cmF5.6試写
  |
  +->E-ZEUSⅡ関連は全て正常であった。

・笠井コマコレは焦点位置を+30mmするので、思ったよりもドローチューブを引き出した
 位置でピンが来た・・・
    |
    +->と思ったら、バックフォーカスを間違えて40mmで撮ってしまった。
       70mmが正しいバックフォーカスなので、なんと-30mm!
       ヤレヤレだ。

・M42に妙なゴースト? グロビュール? が現れた。何だこりゃ?

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Nexus-ⅡとNexus DSCの動作検証

2017-08-16 19:31:00 | Nexus_DSC
お盆の行事も終わって一段落ですけど、まあ~晴れないですね!

Nexus-ⅡとNexus DSCの動作検証が一通り済んだので書きます。
今どき自動導入でないナビゲーションに意味があるのか?って
疑問もあるでしょうが、案外コレ、快適なんですよね。
クランプを緩めて手で導入した方が速いじゃん!って思ったこと
あると思います。
SkyWatcherのEQ8-GotoやAZ-EQ5にはフリーダムファインドとか言う
名称でエンコーダが組み込まれています。

で、

Nexus-ⅡとNexus DSCとはどのようなものか?

Nexus-Ⅱ

 ・DSC(Digital Setting Circles)・・・デジタル目盛環である。

 ・赤経軸・赤緯軸に付けたロータリーエンコーダのカウント値を、
  WiFiにてスマホやPCへ飛ばせる。

 ・WiFiアクセスポイントとして動作

 ・特定の自動導入架台とUSB接続でデータをやり取り可能。

 ・外観はただの箱であり、何も操作できるものは付いていない。

 ・SoftwareBisque BBoxコンパチコマンド仕様

 ・ドイツ式赤道儀、フォーク式赤道儀、経緯台対応

Nexus DSC

 ・単独でナビゲーション出来る多機能版。
  もちろん、ロータリーエンコーダ使用。

 ・GPS付き

 ・WiFiアクセスポイントとして動作

 ・Mede LX-200オープンコマンド仕様

 ・特定の自動導入架台とUSB、RS-232C接続でデータをやり取り可能。

 ・ドイツ式赤道儀、フォーク式赤道儀、経緯台対応

-------------

DSC自体は自動導入架台黎明期以前から存在していましたが、
WiFiでデータを飛ばせることがNexusシリーズの新しい機能ですね。
スマホやPCからは、WiFiアクセスポイントとして認識されますが、
これを経由してインターネットに出ていける真のAPではなく、
WAN側接続機能を持たないAPとして現れて来ます。

一番のお勧めソフトはSkySafari5 Plus ↓ のようです。
https://skysafariastronomy.com/

実際にAndroid版(¥1,800.-)を買って試しました。




WiFiアクセスポイントとして現れる


セキュリティーの無いオープンネットワークがデフォルトでした。
マニュアルには特にセキュリティーの設定方法が記載されて
いませんでしたが、コマンド表には”set PASSWORAD ***<CR>”
などの記載があったため、TCP/IP ConfigurationToolsで
パスワードを設定できました。

が、

何度やってもオープンのままでパスワードを聞いて来ませんでした。
”get PASSWORD<CR>”コマンドでちゃんとセットされているとの
アンサーバックが来るんですけどね・・・

これが Nexus DSC の方はパネル入力でPASSWORDを設定でき、
ちゃんとセキュリティーが設定できるんですよ。なんで?
ま、イイや。

と、

ここまでが普通の使い方ですが、
特筆すべきはSkySafari5 Plusってアプリの出来の良さ!
こりゃ使って絶対に損の無いアプリだと思います。
アストロアーツのスマートステラも使っていますが、
こちらは¥1,000.-の割には機能削り過ぎですからねえ~。

SkySafari5 PlusもスマホのGPSと方位センサー、地磁気センサー
を使ってカッコ良いプラネソフトとして機能しますが、
拡大すればDSOもPGCのような写真データで出てくるし、
動きはメチャクチャ軽いのですよ。
ステラナビ10とは、全く次元の違う動きをします。
それでいてGUIはキレイだし、データも膨大に持っています。
Windowsアプリ、やばいなコレハ。

--------------

さて、

スマホのSkySafari5 Plusでちゃんと動くのは当然として、
ここは何とかステラ10でも動いてほしいところです。
結論から言うとこんな感じ。

・ステラ10(リンクできました)

・TheSky6 Pro(リンクできました)

・SuperStarⅤ(NG)

特にSuperStarⅤは今時ASCOM機器が一つもつながらないと言うか、
全くサポートしていないのでお話になりません。
TheSky6 ProはASCOM以前の製品ですが、逆にDSC全盛期だったので
SoftwareBisque_BBoxを指定してあっさりとリリンクできました。
残念ながら最新のTheSky Xには日本語版が無いようですね。

ステラ10でリンクするのは容易ではありませんでした。
まあ、アレコレ調べたり専用のツールを使ったりしました。
何しろWiFiアクセスポイントへの接続ですからTCP/IP関連が
強くないとダメな訳ですよ。
ステラ10にTCP/IPポートを開けるツールは無いですからね。

で、

WiFi <-> HW VSP3 <-> ASCOM Platform <-> ASCOM DSC_Driver

<-> ステラ10と言う手続きが必要でした。

VSP(VirtualSerialPort)を構成し、意図的に”COM3 ”などを
作ってやるわけです。TCP/IP <-> 仮想COMポートってやつです。
仮想COMポートが出来たからと言って、Nexus-ⅡがMeade LX-200
コマンドでリンクできるかというとさにあらず。
Ⅱの場合は、あくまでもDSCに徹して動作するようであり、
ASCOMのDSCドライバー無くしてはリンクできませんでした。

TCP/IP <-> VirtualSerialPortツールで仮想COM3を作る。


仮想COM3が出来た。


ASCOMのDSCドラーバ経由でステラ10とリンクできました。




真ん中のオレンジ色斜め十字がエンコーダとのリンク位置です。


エンコーダのパルス数などはASCOM_DSC_Driverに予めセット
しておきます。


ちなみに、


Nexus-ⅡはあくまでもDigitalSettingCirclesですが、

Nexus DSCは単独でロータリーエンコーダの位置情報から
ナビゲーションが出来、Mede LX-200コマンドを標準としています。
通信仕様が異なるのです。
従って、Nexus DSCをステラ10とリンクさせるには、LX-200を
指定すれば良いのです。必死にASCOMやDSCドライバーでリンク
しようとしても繋がりません。

じゃあ、

LX-200なんだから古いTheSky6 ProやSuperStarⅤでもリンクできる
かと思いきや・・・さっぱり繋がりませんでした。


<結論>

WiFiでSkySafari5 Plusを使いましょう!

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ミカゲ260赤道儀架台をE-ZEUSⅡ化しました。

2017-08-14 18:35:00 | 撮影機材
入笠山天体観測所にあるミカゲ260赤道儀架台をE-ZEUSⅡ化
して来ました。


高性能5相ステッピングモータPKP566N28A2-TS10を
マイクロステップ駆動しており、更にスムースドライブ機能に
よって非常に滑らかに動いてます。

恒星時:199.15489[Hz]
導入速度:300倍速
中速:10倍速
ガイド速度:0.7倍速
ドライバ部:別置き
ケース:アルミケース放熱対策有り+プラケース
(放熱対策有り)による防滴構造
E-ZEUSⅡに指定する周回パルス
赤経:17160000
赤緯:15500000
赤経ウォームホイール歯数:351
赤経スパーギア:44/33
モータ減速機:1/10
モータフルステップ角度:0.72°
マイクロステップ分割数:1/8
赤緯ウォームホイール歯数:310
赤緯スパーギア:45/36
モータ減速機:1/10
モータフルステップ角度:0.72°
マイクロステップ分割数:1/8

タカハシ65mmガイドスコープ&ガイドマウントを取去り、
60mmF4ガイドスコープ+QHY5L-ⅡM+USBレンズヒータ
を付けました。


赤経・赤緯ともモータはコレ




ドライバ部は別置きで放熱対策あり




最終調整中


粉雪と夜露対策


この架台はスカイセンサー2000PCを改造したコントローラで
自動導入が出来るように改造されていましたが、いかんせん
モータが非力で冬場は60倍速まで落とさないと動きませんでした。
今回の強化改造と一部OHにより、300倍速での自動導入が可能
となりました。丈夫な架台ですので、これからも十分に活躍
することでしょう。

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NexusDSCとNexusⅡを買ってみました。

2017-08-14 18:11:00 | Nexus_DSC
オーストラリアにあるAstroDevicesと言う会社↓
http://www.astrodevices.com/

から、NexusDSCとNexusⅡを買ってみました。
ドイツ式赤道儀、フォーク式赤道儀、経緯台式架台にロータリーエンコーダを
取付け、それを座標表示してナビゲーションするアイテムです。
共にWiFi機能を内蔵していてSkySafariなどとコネクトできる模様。


エンコーダはオムロンを使おうかとも思いましたが、
初めてなのでお勧め品を4個同時購入しました。
4逓倍して10000[p/rev]のものと、40000[p/rev]のものです。

ナビゲーションシステム自体は古くからあり、パルステック工業の
アストロスケールは過去に沢山使ってきました。
更に昔にはフルロジックのデジタルカウンターを作ったりもしました。
Z80とアセンブラ言語で作ったデジタルカウンターやGP-IB制御機器は、
北海道の初山別天文台で65cmフォーク型赤道儀を動かしていました。
(現在はどうなっているのかなあ?)

自動導入赤道儀が当り前になりましたが、古く大きな望遠鏡を無理に
自動化することにはリスクが伴います。
何もそこまでは誰も望んではいないし、理解も出来ないという現実も
あります。
イロイロな意味で、ナビゲーションシステムも捨てたものでは
ありません。Nexusの場合はWiFiアクセスポイントとして機能するため、
スマホ画面に望遠鏡が向いている場所が表示できるわけですね。
案外、この程度のものが一般受けするのではないかと思う訳です。

それにしても晴れにゃい!( `ー´)ノ



コメント (4)
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