宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

C-14(シュミカセ)は結像性能が悪いのか?

2018-05-14 16:24:00 | 撮影機材
まずはこの写真をご覧ください。


M13を撮ったものですが、

左:C-14 + ICX285AL 2/3inch 冷却CCD(入間市)

右:30cmF4 Prime + K-1(入笠山天体観測所)

です。
右上のナビゲータ写野はK-1のフルフレームであり、赤枠が
今回の右側画像で、144%拡大です。
左のC-14は冷却CCDの等倍画像一部切り出しです。
共にシーイングは5/5。

<撮影データ>

左画像
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/784.html
右画像
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/713.html

30cmF4プライムは1200mmですから、まあ普通は長焦点ということに
なります。対してC-14はF7レデューサ使用でも2489mmです。
これに2/3inchCCD(対角11mm)ですから、フルサイズ換算は9956mm
にもなっています。

一般的にシュミカセは像が甘い・・・と言われていますが、
どうでしょう?
光害(ひかりがい)地の埼玉県入間市で、これだけ写るって凄く
ないですか? しかも、キチンと結像しているじゃあないですか。

流石の30cmF4プライム+K-1でも、広く撮ってクロップすれば良い
と言うレベルには無く、全く解像度が足りていません。
超新星ハンターが、こぞってC-14を使うのも納得ですね。
要は焦点距離と実用的なF値のバランスが良い。
シーイングによる限界、風の影響、ハンドリングの楽さを考えると、
シュミカセって良いのではないでしょうか?
あ、それから、
スパイダーによる回折が無い。 コレ、結構重要かも。




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2 コメント

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Unknown (はじめちゃん@望遠鏡工房)
2018-05-19 08:39:21
「 写真、極限等級 」

・・で検索すると、こちらのサイトに着きました。

初めて書き込みさせて頂きます。



理論まとめです。

望遠鏡の写真性能 ≒ 極限等級、分解能、☆★ とします。



基礎条件として、4つの制限があります。

1・背景の制限(約 22等級 / 平方秒)
2・気流の制限(日本での長時間露出 ≒ 星像直径約 2秒)
3・撮影素子の制限(3x3 pic ≒ 約 20μm 前後)
4・エアリーディスクの制限 (約 F8 前後)

以上、4つの要件を満たす、最小スペック、25cmF8。(2000㎜) 前後

極限等級、未処理約 20等級、有処理後約 25等級。



写真性能は、焦点距離で決まります。(極端なF値は除く、小絞りボケ等)

むしろ、適度な小口径で、球面収差等の補正を向上させた方が
写真性能が向上します。(F8、位が適正)

収差補正 ≒ S/N 比の向上、でもあります。



(備考) すばる望遠鏡、公式サイト ★
https://subarutelescope.org/Introduction/j_telescope.html

総合星像分解能: 0.2 秒角 ≒ 口径、60cm、相当



(´・ω・`) ショボーン
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2018-05-19 11:19:20
はじめちゃん@望遠鏡工房さん

初めまして。詳しい理論コメントありがとうございます!
写真性能が焦点距離で決まる件、星爺さんのご教授と同じですね。
10cmF78などの例は極端に描いたものであり、実現的ではありません。
そうですか、
25cmF8が最低レベルですか。
そんな気はしていましたが、実際に定量的にご提示頂くと理解しやすいですね。
HPの内容も時間を掛けてゆっくりと拝見させて頂きます。
どうも有難うございます。
今後とも宜しくお願い致します。m(__)m
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