ドローチューブが明らかに曲がっていますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/5f/b981c709e7dce33b3e650dc57c3780e7.jpg)
ロックねじを締め込むと、更に醜い状態になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/aa/efeba3875208e683a9dea7affe45a079.jpg)
これでは光軸もクソもあったもんじゃない!
スケアリング? だって、対物レンズ付近では5mmぐらいズレてますよ。
初めて見た時は落下品が来たな・・・と思いました。
しかし違いました。
設計上の問題と、下手な組手のいい加減な作業が原因だと判明。
クレイフォードフォーカサーで、中のベアリングは4個。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/70/ec953f443338577dc9ee6151ed25fc79.jpg)
だけど加工精度が悪く、このベアリングへドローチューブを押し付けた段階で光軸との平行が
出ていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/07/f2bad5a41d24bfac3876e06d0e9d6df8.jpg)
このベアリング板に調整機構があれば(追加は出来ますけど)、この段階での平行は
出せます。
ところが、
ハウジング内でのドローチューブはガタガタに隙間が空いていおり、また、
クレイフォード機構が当たる部分が右側ベアリングに近すぎます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ee/dfaf35da52f64fdbdb2665226f50af1a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/e7/257b3bce3ca06999514a22f0dee1d190.jpg)
つまり、
クレイフォード与圧調整機構をガッチリ調整すると、左側ベアリングからドローチューブが
浮いてしまいます。
なので、
ガッチリ調整できないように、止めねじ4個にゴムのOリングが入っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/bc/74829b4cb6189d9cd3d3a372a644b3dd.jpg)
グニャグニャにしてごまかしている。
こうすると設計上のミスを緩和できると思って入れたのでしょうが、
1年持たずにつぶれてガッタガタになる道理です。
本機の場合、組手がヘタクソだったのでしょう。
このごまかしを理解せずに適当に組付けたため、ドローチューブが盛大に曲がって取り付いておりました。
ゴムのOリングは撤去!!
更に、
ドローチューブロックねじの位置がココよ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/44/7386bda823d81382b9b6de4b1c0f1c5e.jpg)
傾いているドローチューブを更に傾ける方向へ押し付けてしまいます。(マジか!)
こうなると左側ベアリング(対物レンズ側)は完全に浮いてしまい、機能しなくなります。
左右ベアリングの中間点にクレイフォード機構が配置されていれば、三角形の頂点で押すので
大変安定した駆動機構になりますが、ガタガタのハウジングで右側ベアリングに寄り過ぎている
クレイフォード機構で締める訳ですよ。そりゃアンタ、左浮くよね?
対策
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/ce/638b0245a8621e9b29ab7a35a7484a70.jpg)
ハウジングの対物レンズ側にM5タップを追加工。
して、こうなる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/bf/4805a18125f25686cc43e2877a9e79e5.jpg)
クランプネジを左側(対物レンズ側)へ移動したことで、左側ベアリングへ押し付けて固定
出来る様になります。もっとも、固定しないと曲がったままなので、電動フォーカサーでは
厳しいことになりますね。今回はガイドスコープとして購入したため、
頻繫にピントを合わせ直すことがありません。なので、これで良いかと。
ちなみに、
ファインダー台座のアリ溝を外すとベアリング板固定ネジが出て来ますが、
2個あるネジのうち、台座に隠れている方が全く締まっていませんでした・・・org
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/1c/49c6b1dfa53d88903779ea1bb296aa41.jpg)
SkyWatcher EVOSTAR72EDⅡにはもう一つ問題点があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/8a/bb3578ae9577f0cf5802b3d6737e415b.jpg)
ドローチューブユニットは3つのセットビスで鏡筒に固定される構造です。
ネジでないって段階で不安ですねえ~(-。-)y-゜゜゜
しかもこのセットビスが尖り先ネジではなく、本当にセットビスなのですよ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/55/4d03bddb41844c20b82f483ecab11462.jpg)
相手はV溝で、
しかも、Vの中央に配置されているんです・・・普通のセットビスが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/0c/c4e847b36a51d49a48f48be3d0efd303.jpg)
どうなるか?
上記画像通りの圧痕(締め付け跡)が出来ます。
ドローチューブユニット全体が浮いちゃうじゃないか、コレデハ。
この設計なら、V溝の左側斜面を尖り先セットビスで鏡筒側へ押し付けるようにしなければ
光軸に対して直角取り付けが出来ませんね。
当然、尖り先セットビスの穴位置はV溝中央から左側へずらさないとダメです。
諸々のネガを取り除いたところ、とてもしっかりとしたクレーフォード接眼部になりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/b8/09f3b4da0d667c7449d600653f54e3dc.jpg)
ロックねじを締め付ければ、ドローチューブのクサビ形隙間も無くなります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/db/75c2323f0d1d8ed15c9920371f2ba95d.jpg)
これで、ED鏡筒の高性能ガイドスコープとしては使えるでしょう。
でも、
眼視や電動フォーカサー仕様の撮像鏡筒として使うには耐えられませんね。
クランプネジを締め付けなければ、光軸と平行にならないので・・・
そもそも、
4個のベアリングの反対側にもベアリングを配置するべきで、
ドローチューブがスルスルと抜き差し出来なければなりません。
その上でクレイフォード機構やロックねじを利かせれば良いのです。
機械的設計センスが無いです。
組手の腕が悪いです。
こんなものを買って喜んでいてはイケマセン。
SkyWatcher製品は良い物も多いので勿体ないですね。
他の鏡筒の接眼部機構を見ると様々な仕様があるため、おそらくは設計者が異なるのでしょう。
このような製品を素材として楽しめる方以外は要注意ですよ。
円安で海外製品に割安感が無くなった上、このような製品を掴まされるとフツフツ来ますなあ~。
かと言って日本製が良いとも思いませんよ。
最近の一番はAskar FRA300 F5 Proでした。
Askarブランドは良いですね、作りも性能も。