宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

5つ星のクエーサー_SDSS J1004+4112を捕獲!

2019-01-31 20:12:00 | 天体写真(冷却CMOS)
昨晩、実は100億光年彼方のクエーサーも撮っていました。
重力レンズ効果によって、一つのクエーサーが5つに分かれて
見えている天体です。
https://www.astroarts.co.jp/news/2006/05/26fivestar_quasar/index-j.shtml

いつもコメントを下さるtakiさんも50cmニュートンで撮っています。
https://masumi-taki.at.webry.info/201901/article_8.html



HST画像に合わせ、北を右側にして強拡大。(およそ1'角+α)


Lensed Quasarに掛かる光の帯も写っているようです。

ひゃ、ひゃくおく光年だとお~??!!

<撮影データ>

鏡筒:65cmF12、Fl=7800mm、クラシカルカセグレン直焦点
カメラ:ZWO-ASI294MC(非冷却、撮像時の撮像素子温度6.3℃)
Binning:2X2
画角:8.49'X5.75'
撮像条件:1カット90秒×60、総露光時間90分
ダーク減算:無し
フラット補正:無し
保存形式:TIFF
画像処理:SI7+PhotoShopCC
シーイング:4/5
透明度:70%

ASI294MC恐るべし。

コメント (2)
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ラッキーなイメージングを求めて_ZWO-ASI294MC

2019-01-31 18:03:00 | 天体写真(冷却CMOS)
今時の高感度カメラを使えば何とかなるかと・・・

昨年、FLI-PL09000とZWO-ASI294MCを整備したわけですが、
観測体験時間でFLIを使うのはキビシイですよね!
だって、賞味3時間程度しか使えない訳だし。

ならば、今時の高感度裏面照射ワンショットCMOSカメラならどうか?
っと言う訳で、
今時なZWO-ASI294MCでどこまでお気楽に撮影できるのか?
昨晩検証して来ました。

正味3時間もあれば、こんなに撮れるぞ!


まあ、慣れや作業効率もあるにせよ、少なくとも2対象程度は
モノに出来る感触を得ました。

で、

お題の ”ラッキーなイメージング”

ですが、

・画像は全て1カット90秒(M1だけは60秒)で統一。
・1対象20カット、30分とした。
・SharpCap3.1でRGB24bit、TIFFで保存。
・ダークもフラットも無し。
・オートガイド無し。(機差補正追尾+大気差補正追尾で十分)
・Gain=400、2X2binning(撮影時binningで小ファイル化)

こうすることで、あっと言う間に撮影できます。
多少の失敗や雲の通過も気にしません。
60秒や90秒ではラッキーイメージングではありませんが、
長時間露光よりも星像が小さいです。
これは、露光不足という根本的な問題もありますが、
長秒時のガイド撮影や大気の揺らぎで星像が肥大することが
無いというメリットがあります。
また、
1カット20分とかだと、失敗したら凹みますが、
90秒ならバンバン撮っておけば良い訳です。
後で選別も出来ます。

という訳で、

ラッキー”な”イメージング な訳ですよ。

--------------

ただまあ、問題もありました。
ASI294MCは大きなアンプノイズが出ますが、TIFFではダーク減算が
出来ません。フラットはそこそこ合いましたが、90秒という
露光不足画像に当てるとザッラザラになってしまいボツ。
RAW16設定でFITS保存も試しましたが、やはりフラットはキビシイ。
ダークが引けないのは痛いので、本気撮りならFITS保存ですね!

--------------

<共通撮影条件>

鏡筒:65cmF12、Fl=7800mm、クラシカルカセグレン直焦点
カメラ:ZWO-ASI294MC(非冷却、撮像時5℃程度であった)
Bining:2X2
画角:8.49'X5.75'
撮像条件:1カット90秒×20、総露光時間30分
ダーク減算:無し
フラット補正:無し
保存形式:TIFF
画像処理:SI7+PhotoShopCC
シーイング:4/5
透明度:70%

M1(この画像だけは60秒×5、5min Total)


NGC4725


NGC4565


M97


M109


ASI294MCはど~こだ!?


焦点距離7800mm+m4/3カメラのど真ん中に自動導入できますよ。


いや~、撮影が楽だわ!!
ドーム内にすら入ることなく、コントロールルーム内は15℃。
いつもの激寒遠征撮影とは天と地の差。

こう言った高感度カメラの登場で、F12という暗い光学系でも
これほどまでに写せる。凄いなあ~。
写りは、良くも悪くもデジカメ的と言うか、CMOSカメラ特有の
味の薄さを感じますが、何しろライブビューでピントを合わせられる
し、デジイチと違ってFITSファイルで保存できる。
そして軽くて小さい。

たった3時間で何が出来るの?!!

なーんて言うのは過去のお話しになりそうですね。

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月刊星ナビ2月号に載った模様

2019-01-04 15:30:00 | 天体写真
月刊星ナビ2月号の”ネットよ今夜もありがとう”(P-91)

にブログを載っけて頂けました。
いつもコメントを下さるminerさんからの紹介という流れです。


機材ネタに偏ったブログですが、宜しかったらお暇な時にどうぞ。

minerさん、どうも有難うございました。m(__)m

この冬は遠征に行かれそうもないですが、
次は50㎝F4.5モバイル(爆)なんてモンを考え中ナリ。
もちろん赤道儀っす。
そのためにも稼ぎませんと!
なんか、人生の基準が違うような気もしますが・・・ま、ええか。

コメント (4)
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大規模太陽光発電所を作っていました。

2019-01-04 14:47:00 | ノンジャンル
10月から年末まで群馬県藤岡市で大規模太陽光発電所の建設
に携わっておりました。

遠方に榛名山、子持山、赤城山を望む元ゴルフ場跡地です。




早朝からのチーム行動だったため、その他のことに全く手が廻りません
でした。ブログが滞ったのもコヤツのせいです。(-。-)y-゜゜゜
12月には雪も降ってクッソ寒い現場でしたよ。
実際には写真の5倍くらいの広さがあります。
第17ホールくらいあり、もっと山の上の方まで続いています。
後は東京電力さんの仕事なので、私の出番はオシマイ・・・
って思いたいわホント。

太陽光発電所の仕事はチットもハイテクではなく、
ひたすらに同じ事の繰り返しになるんですよ。
まあ、見れば分かりますよね。
休憩時間には抜群の眺めに癒されておりました。ただサブイ!
あの辺がぐんま天文台だとか、伊香保で温泉に入りてえ~~とか。

毎日まいにち入間から車で通っていたんですよ。
工事関係者ってツワモノ揃いですねえ。
ただですね、
イチイチ気になっちゃうんですよね。工作物の出来とか。
設計のダメさ加減とか。穴位置の精度の悪さとか。
配線の引き回しとかね。
何度もJVのオッサンに改善要求するもどうにもならず。
もう、設計段階からやらせてくれよって感じでした。

でね、

考えていたことと言えば・・・

ココは赤道儀を設置するには最高だわ~~!! ヾ(≧▽≦)ノ

-----------

今月からは筑波学園都市のクライアントまで通いです。
エッ!? カ・ヨ・イ?
流石に電車ですけどね。
こっちは真逆のハイテク企業ですが、拘束時間は長くなりそうだわ。
オファーのある所へ行くのが俺のお仕事。
天体撮影はしばらく出来そうにないなあ。

シコタマ稼いでFSQ-130買うたるでえ~( ̄▽ ̄)

シコタマってなんだ?

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堂平の宇宙(そら)から15

2019-01-04 13:40:00 | 堂平の宇宙(そら)から
堂平天文台の91cm反射式望遠鏡はPC-9801で制御されています。
・・・・
って思われていますが、実は一番の心臓部は三菱シーケンサです。


2016年10月に韓国から中古品を取り寄せ、故障した個体との入れ替え
を実施しました。


解析中。


その後2年間無事に稼働していますが、最近ややアヤシイ動きが
出て来ました。このシーケンサが故障したら全システムが停止して
しまうため、今回追加で2台を購入しました。
韓国とフィリピンのFA中古業者さんからの直輸入(再輸入?)です。
もう、流石に世界的に機能する個体が無くなっているようです。
これが最後だと思います。28年前のシーケンサですからね。

対してPC-9801DXは元気に動いています。
流石はNEC製です。もちろん電源、コンデンサ、FDDなどを
総入れ替えし、基板に防湿加工を施したスペシャル・リニューアル品
です。結構なお値段ですが、これを2台ストックしており、
都合3台体制が出来ています。
今回のシーケンサ追加で、シーケンサも3台体制になった訳です。
ちなみに、
PC-98が故障した場合でも、シーケンサが収納されているラック側
だけで望遠鏡を動かすことが出来ます。自動導入が出来ないだけ
です。

現在の堂平天文台は”ときがわ町”が運営しており、観測施設では
ありません。星と緑の創造センターというキャンプ場、BBQ施設が
併設されています。観望会は月に2回ありますが、あくまでも
キャンプ施設がメインの施設になっています。
なので、
この大きな望遠鏡を、今後どのように運営して行くか難しい問題です。
部品ひとつとっても高額なものばかりです。
と言うより、既に入手困難なモノが多いのです。
代替品で入れ替えるにも手間とお金が掛かります。

私の役目は、この望遠鏡を如何に延命させるか。
如何に安価に動態保存させるか、というものです。
PC-98系と三菱シーケンサが3セット用意できたので、
まずはホッとしました。

えっ?

最新の自動導入機構に改造しちゃえばいいじゃん!

フォフォフォ(V)o¥o(V)

そんな危険でマニアックでハイリスクで高予算な案件が通るハズ
無いでしょ~が!!

町のシンボル”ドーム君”は今日も健在です。
https://www.town.tokigawa.lg.jp/forms/search/searchtop.aspx?SearchKeyword=%83h%81%5B%83%80%8CN

”望遠鏡ちゃん” じゃなくって ”ドーム君” なんだなあコレが。


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堂平の宇宙(そら)そらから14

2019-01-04 12:50:00 | 堂平の宇宙(そら)から
堂平天文台のドームが漏電を起こして事実上使えなくなったため、
昨年11月にアレコレ調査を実施し、原因究明と修理を行いました。
ドームのバックヤードとでも言いましょうか、内壁と外壁の間には
メンテナンス用の隙間があります。


潜水艦の中のようです。


巨大なリブには下部に小さめの穴が開いており、ここを潜り抜けて
隣のエリアに行くのです。雨漏りで側壁の木材は朽ち果てています。


一番の下部には三相200Vの三連トロリー、五連トロリーがあります。


摺動部は下向きに配置されているため、ドームの外からアクセスします。


バックヤード内はビショビショ、サビサビの真っ暗闇、
ドーム外部は氷点下の寒風吹きすさぶ冬山の頂上な訳ですよ。
まずは三相200V系の配線を総点検。
ジョイントボックス内はなんとか無事でした。


Fケーブル等の内部配線も無事で、漏電の兆候はありません。



三相200V系トロリーの摺動子部は・・・


5㎟キャプタイヤケーブルの暴露部はボロボロでした。
漏電と言うよりも短絡、地絡状態です。
三連、五連トロリーの摺動部は全部配線をやり直しました。
良くこんな状態で動いていたもんだ。


幸い5㎟も2㎟も被覆内のケーブルは柔軟性を維持していた為、
新たに剥き出して再配線。




絶縁テープとタイラップで保護し、ケースに収納。


スリット開閉用回路の過電流保護装置が一回作動しましたが、
リセットして正常復帰。


その他、ドーム内照明(100V系、200V系)、天井のウィンチ、主幹
ブレーカ、過電流遮断器なども総点検しました。
昨年8月に関東電気保安協会が漏電検査を実施した際、
ドーム系三相200Vで漏電を指摘されていましたが、12月の再検査では
正常に戻ったようです。12月14日で観望会は終了しましたが、
ドームの漏電ブレーカが落ちることは無くなりました。
ビンゴだったかな?
これで、今年の梅雨時を乗り切れれば大丈夫だと思います。

それにしても狭いは、寒いは、暗いは、感電しそうだは、
踏み抜きそうだは、挟まれそうだはと、どえらく危険な作業でした。
この部分は56年前のままだったと思われ・・・


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