宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

GINJI-300FN開封の儀

2014-12-07 12:52:00 | 撮影機材
この鏡筒を検討している人の参考になることを書きますよ。

1.持って来たヤマト便のあんちゃんが、目の前でスルスル・ドスン!!
  と箱を落とした(-_-;)
   |
   +->着払い送料は\1,620.-で案外安かったが(埼玉県飯能市)、
        30cmF4鏡筒と付属品を運搬するにはダンボール箱が弱すぎます。




  何度も角落ちさせた形跡があり、案の定筒先側もミラー側も内部の
  発砲スチロールが真っ二つに割れていました。
  目の前で落とされたので、これは鏡筒が凹んでいるなと覚悟しましたが、
  運良くミラーも割れておらず原形を留めていました。

  落とされた原因は”持ちにくいから”です。
  厚手のダンボールでもう一重す巻きにし、梱包ベルトで絞めて荷造り
  プラ持ち手を付ければ落とされずに済みます。

2.ダンボールの中で内容物が踊っておりました。
  特にダブテールプレートが鏡筒の上に転がっていて、プレートの角で
  キズが付くような状態でした。

3.筒先リングと鏡筒セルを鏡筒にビス止めしてありますが、
  筒の加工精度が宜しく無くて径が合っておらず、ビスを締めると筒が凹みます。
  そのためか全てのビスが”半締め”状態でした。筒が凹むと恰好悪いので、
  製造工程で判断しての処理でしょうがNGですね。全部増し占めしました。
  よって、筒はネジ部が全部凹みました。
  筒の丸め加工精度が悪いのは明らかです。




4.大きな3インチ接眼部は丈夫に見えましたが、接眼部を持って力を加えると
  鏡筒が明らかにたわみます。裏打ち板も入っていないため、大きな径の鏡筒は
  柔らかいですね。遮光を兼ねた絞りリングが接眼部の両側に2本入っていれば
  この問題は激減すると思います。デジイチなら大丈夫だと思いますが、
  冷却CCD+フィルタホイールを使うので、向ける方向で絶対にピント位置と
  光軸が変化します。


5.3インチクレイフォード接眼部は丈夫に見えましたが、上側ロックネジ
  を締めると内側のスライドチューブがグニャっと凹みます。かなり凹みます。
  外側の構造は非常にしっかりしているのに、スライドチューブが薄肉すぎます。
  ココが+2mmあれば、ずっとずっと剛性感が上がるのに惜しいです。


6.3インチ接眼部のスライドはリニアガイドで丈夫そうに見えましたが、
  上側ロックネジを緩めた状態で接眼部を上下にゆするとグニョグニョ動きます。
  せっかくのリニアガイドが活きていない。この動きはビクセンの現行接眼部
  よりも剛性が無いです。最近のビクセン接眼部は結構しっかりとしています。
  上側ロックネジを半締めにしてグニョグニョ感を無くすと、今度は
  クレイフォードなので滑って動かなくなります。
  この辺りがラックピニオンに劣るところですね。

  冷却CCD撮像にはチョット厳しいかもしれないと思いました。
    |
    +->なので、スライドチューブを厚くしてチューブをテフロン余圧し、
        ラックピニオン+減速機付きとすれば非常に魅力的な接眼部
        になるでしょう。
        クレイフォードはネジを緩めると”ストンッ!!”と動くため、
        重いカメラやCCDを付けていると非常に焦ります。
        是非ともラックピニオンタイプのラインナップを用意してもらい
        たいと思いました。


7.このハネ型スパイダーは薄いと同時に高さ方向も狭いのでヨレますね。
  実際、スパイダーの1本がやや曲がっておりました。
  この状態では光条が割れます。厚さは良いとして、高さ方向にもっと広げても
  良いと思います。そうすれば受け部が丸ネジだけでもヨレはだいぶ減ります。
  この鏡筒で眼視性能は問いませんが、微小チップでのCCD撮像では
  薄いスパイダーが有り難いです。星が菱形になりませんので。




8.写真用鏡筒なのに鏡の押さえが旧時代のツメ止めですね。
  これでは光条にヒゲがプラスで生えて来ます。
  なんとε130Dもこのツメ押さえですこぶる評判が悪いです。
  一部のショップではショップチューニングと称して、このツメ隠しリングを
  付けて  販売しているくらいです。ε180EDはリング押さえなのに何故?
  と思います。今時はリング押さえでツメは隠すなり無くすのが主流です。
  鏡筒内に遮光リングを5枚ほど入れて、一番下のリングでこのツメを隠
  したいです。


9.上側ダブテールプレートは標準付属品ではないですが、必須でしょう。


10.ふたはVC-200Lと同じタイプで直ぐに取れちゃいます。
   しかも、縁のフェルト張りが超いい加減でズレまくっており、
   速攻で工作し直しました。


11.光軸調整機構が飛び出ており、鏡筒を立てて保管できない。
   セル部に捨てタップが3個あるので、これを使って何とかしろと
   言われている気がします。


どうだ~? 手強いじゃろ~?

もう、使う前から手強いオーラをビリビリと感じる30cmF4鏡筒です。
流石はマニア専門、能書きと現実の乖離を肌で感じることが出来ました。
上記は笠井氏にメールで意見しましたが、今のところ返答無し・・・
   |
   +->2回再送し、別件の質問にも付けて意見しましたが丸無視!
       上記のことには一切触れず、回答せず、無視されましたね。
       笠井さんはHPに書いていることと違う対応をするようです。
       上記の意見や報告は、とても有用な情報ですよ。
       ご意見無用なんですね。 12月10日追記


この鏡筒でDeepSkyをコンスタントに狙えるようになるには大変でしょう。
実に楽しそうです。

この価格でこれだけの”素材”を提供してくれることは驚異的に有難いし、
”自作マニア”の心をくすぐりまくりです。
”改善・改造”を楽しめない人には、間違っても薦められたモノではないです。
光学性能が悪かったら話になりませんが、写真鏡なのでそれなりに写るでしょう。

ウソ、誇張、偽りは一切書いていませんよ。(V)o¥o(V)

さ、

次はFSQ-130EDでも買ってみるか・・・なーんてね。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (demio)
2014-12-07 23:23:20
これはこれは・・・☆男さんの腕の見せ所が満載の望遠鏡ですね。
どんな写真鏡に変身するか楽しみです。
最近はクレフォード接眼部が主流になっていますが撮影にはやはりラック&ピニオンが安心できますね。



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Unknown (☆男(hoshiotoko))
2014-12-08 18:54:59
無事に到着したのは奇跡かもしれません。
未だに返答も無いので無視されたのか?と思い始めています。
予想よりも大きかったですね。先月、仲間のGINJI-250FN(未使用新品)を
いじって来たばかりですが、軽くて小さかったです。30cmF4は持ち難いです。
そう言えば、demioさんはGINJI-150FNを持っておられましたが、
その後如何でしょうか? 鏡筒バンドを締めると光軸が狂うとのお話を
覚えています。まあ、イプ130Dの方が幸せになれることは確かですよね。
私はしばらくコイツで楽しもうと思います。
返信する
Unknown (demio)
2014-12-08 22:23:08
GINJ-150FNはただいま押入れの奥で冬眠中です。
重量バランスと大きさの問題で鏡筒バンドが接眼部とスパイダーの間に来るのでもろに剛性の弱さが出て光軸が定まりませんでした。
この鏡筒で良い画像を撮影している方もいるので私の工夫が足りなかったのかも知れません。
何時の日か剛性アップの改造をしてε-130Dとツイン鏡筒システムを構築したいと妄想している昨今です。
返信する
Unknown (☆男)
2014-12-09 01:36:05
demioさん

ツインシステムでカラーアシストですね!
よっちゃんはじめ、ツワモノ方は皆さん2本載せになって来ましたね。
ならば、LRGBではなくRGBで稼げば色抜けも無くて良いのに・・・と思うのは
間違いなのでしょうか?LRGBだと、どうしてもRGBの彩度を高くしないと
L画像との合成で色が薄まって綺麗に仕上がりません。
岡野さんは主に系外銀河なのであまり目立ちませんが、散光星雲をLRGB合成で
発色させるのは不自然で絵を描いているんじゃないか?と思うこともあります。
上手な方々も肝心なノウハウは出さないので、私は未だにLRGBのプロセスが
固定できずに悩んでいます。
むしろ、3色しか使わないSAO合成の方が撮像時間はかかりますが、
理解しやすかったです。

今夜、笠井さんから少しだけ回答を頂きました。
楽しくも悩ましい日々になることが決定したようです・・・(*_*)
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