喜多院法興寺

住職のひとりごと

6月で生食用の牛のレバーは食べられない

2012-07-02 06:31:11 | Weblog

7月1日 編集手帳 読売新聞

 {〈 河豚 ( ふぐ ) は食いたし命は惜しし〉と言う。外国にも似た 諺 ( ことわざ ) がある。〈Honey is sweet、but the bee stings=蜜は甘いが蜂が刺す〉◆危険を恐れて実行に移せないことの 喩 ( たと ) えだ。 秤 ( はかり ) にかけられる食べ物もそれだけうまいということだろう。フグの場合は、命を懸けても味わいたいという思いが 古 ( いにしえ ) より俳句にもある◆〈ふぐ喰うて をとこと思ふ あしたあり 大江丸〉〈あら何ともなや きのふは過てふくと(河豚魚)汁 芭蕉〉。そうまでして食いたいかっ、と突っ込みたくなるが、無論、昔のことだ。今は専門の調理資格が整備されて命と引き換える覚悟も要らず、おいしくいただけるからありがたい◆さて本日より、生食用の牛のレバーは提供が禁止される。病原性大腸菌 O ( オー ) 157の危険性を排除できないという。過剰な規制だとの批判も聞く。確かに〈生レバーは食いたし命は惜しし〉と 呟 ( つぶや ) いてみても、少し実感に欠ける気はするものの、くれぐれも法令順守を◆生で食べても大丈夫な方策が見つかれば、規制は解かれるだろう。あまり遠くない日にまた、牛のレバ刺しを食いたい。}


 6月で生食用の牛のレバーは提供が禁止される。テレビで焼肉店に最後の生レバーを食べたいと予約が殺到している。O157の危険性を排除できないという事で、生レバーの提供禁止は過剰な規制だと思う。代替えの生レバーに似せた色つきこんにゃくが発売されているらしい。規制の網をくぐった、やり方で生レバーを出す店もあるようだが、くれぐれも法令遵守をお願いしたい。