憩う、楽しむ 広島・湯来通信 

広島市中心部から1時間。新たな交流・体験エリアである湯来地区の最新情報。天然温泉と豊かな自然が皆様をお待ちしています。

湯来に伝わる民話「赤谷の湧き水」

2011年05月24日 07時12分28秒 | 民話

5/24(火)13℃    

 

 おはようございます。

 昨日は雨がよく降りました。喜んだのはくらいで、こちらは予定が狂って気持ち。夕方近くになってが鳴って”ハッ”とさせられるまで、午前中の晴れた時間に無理をしてでも作業を擦ればよかったんじゃないかと天気を恨んだり、妬んだり・・・・。事務的にははかどりましたけど、現場作業が今日になってしまったことで、二日間も同じ仕事をしている気分、気分転換が必要なんですかね。

 昨日降った雨のことを「卯の花腐し(うのはなくたし)」と言うんだそうですが知ってました?旧暦の四月の頃、春の長雨と梅雨の中間の頃に降り続く雨の呼び名なんだそうです。私の場合は、”我が脳腐し”って言うのかも。シャキッとできるいい刺激がとりあえずは欲しいですね。

 

 今朝の湯来に伝わる民話「赤谷の湧き水」は、湯来温泉から県道41号線を安芸太田町筒賀方面川沿いに5分程度登ったところから車を置いて歩くこと50分の所にあった集落に伝わる民話です。現在では家の跡形はなく、わずかに集落の痕跡を残す石垣が栄枯盛衰の名残を見せてくれます。

 

 むかし、赤谷に気立ての優しいお婆さんが住んでいました。

 ある日、旅のお坊さんが赤谷にやって来ました。天気が良いので、喉が渇き、水を探しましたが見つかりません。しかたなく木陰に腰を下ろして休んでいました。そこを通りかかったやさしいお婆さんが、

 「もし、もし、お坊さんどうしなさったかの」と尋ねました。

 「喉が渇き水を探したが、ないので難儀をしております」

 「それはお気の毒に、それじゃあ、私の家までおいでください」

 「それは、それは、ありがたいことで」

 とお坊さんはお婆さんの家まで来ました。そしてお婆さんが差し出した水をおいしそうに飲みました。お坊さんは、

 「この近くに水はなさそうだが、どうした水ですか」

 と尋ねますと、お婆さんは、

 「毎朝、この下の谷川まで下りて水を汲んでおります」

 「ここは、そんなに水に不自由をしておられるのですか」

 「へい、へい、水には不自由で困っております」

 お坊さんは、大事な水を飲ませてもらい、お婆さんのやさしさに心を打たれました。

 それから、しばらく天の一点を見つめていたお坊さんは、お婆さんに、

 「ここに梅の木を植えておきます。10日ほどしたら木の根元を掘ってみなさい。きっと水が出てきますから」

 と言って、どこかへ行ってしまいました。

 お婆さんは、不思議なことを言うお坊さんだ。村人たちに話してみようと思いました。それから会う人ごとにこの話をしました。みんなはじめのうちは、

 「まさか、そんなことはなかろう」

 と言って疑っていましたが、ちょうど10日目、

 「万が一ということがある。掘ってみようではないか」

 と掘りはじめました。集まった村の人の目が一鍬ずつ水が出るようにと願いをかけて見つめます。

 梅の木の真下まで掘りすすんだ時、不思議にもきれいな水が湧き出てきました。

 村の人たちはビックリするやら、喜ぶやら、大騒ぎになりました。するとお婆さんは、

 「天からの授かりものの水じゃ、村の人みんなで仲良く分け合って使いましょうや」

 と言いました。

 それから後は、赤谷では水に不自由することなく、みんなが幸せに暮らしたということです。

 

 日室(ひむろ)・赤谷・中倉・楠谷(くすだに)・白井(しろい)・豆栃(まめどち)・大山地(おおやまじ)・恵下(えげ)、いずれも絶えてしまった集落の名前です。現場に行くと、石垣や五右衛門風呂に使ったと思われる風呂釜、住んでいた人が使っていた茶碗や皿などの壊れたもの。ポットン便所の穴や、飲み水確保のための横穴などが残っていて、目を閉じていると昔の賑わいが感じ取れるような錯覚に陥ってしまいます。

 先人の営みを肌で感じてみる廃村(集落)ツアーを誰か企画してみる方いないかなぁ。

 時間に追い回されている現状からタイムスリップした気分が味わえる・・・・かも・・・・知れませんね。

 

次回の湯来に伝わる民話は「味噌味噌」です。お楽しみに。

 

 

 もうしばらくすると、我が家の田んぼではモリアオガエルの泡球が見られるようになります。鳴き声はカジカ(カエル)には遠く及びませんけど、見た目はアマガエルを大きくした緑のきれいな姿色。

 写真撮れたらお見せしますのでお楽しみに。

 

 では、今日も一日良い一日でありますように~~、私あなたも

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