神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

屏風岩・立岩

2011年07月19日 | 

京都府京丹後市丹後町筆石・竹野


丹後半島の神社には行ったことが無い。
久しぶりに海の写真も撮ってみたいし、朝に家を出て丹後へと向かうことにした。
途中、瑞穂の道の駅でトイレ休憩。
トイレの中にツバメの巣があって、賑やかで和やか。
ふと思い立ってタイヤのチェックをすると(家を出るときにすべきだが)、前輪の内側がツルツル状態。
というか、ゴムの下地まで露出していた。
今日一日くらいは大丈夫だろうけれど、テンションが大いに下がる。

宮津市に入って二つの神社に立ち寄る。
そのうち一社はシイの大木などがあって雰囲気が良かったが、日差しが強くまともな写真が撮れない。
夏の日中はずっとこんな調子だろうし、神社の撮影は諦めた方がいいかも知れないと思うと、かなりモチベーションが下がる。
ただ、私の住む阪神間とは違い、嫌悪するような暑さではなく、木陰は過ごしやすかった。

と、思いきや、車のエアコンがおかしくなり、温度設定をどれだけ下げても温風が吹き出してくる。
車載の温度計では外気温は34度だが、外の空気が涼しく感じられるくらいだから車内は蒸し風呂状態で、僅かに残っていた気力が萎える。
もう神社へは寄らず、一路、海へ向かうことにした。

どういうわけかカーエアコンが機嫌を直し、車内が冷えてきた頃、目的地の一つである屏風岩に着いてしまった。
次にエンジンをかけるときにはまた機嫌を損ねているかも知れない、と思いつつ、海辺なら暑さもそんなに苦になるまいとエンジンを切る。



国道横の駐車場所から屏風岩を望む。
というか、丹後の海がこんな綺麗だとは思わなかった。



思わず「うみーっ!」と叫びたくなるが、近くに民家もあるので自重。
事前にネットで写真を見たときに、屹立する岩と対照的な長閑な田畑がすぐそばにある、というのが魅力的に思えたのだが、実際に見ると予想以上に素敵だった。



当然、田圃のそばまで行く。
断崖の上にある、ささやかな田圃から大海原を望む。



畑からも海。
思いのほか遠浅の海は、驚くほど鮮やかな青で、どこか南国の海のようですらある。



とても爽やか、に見えるのだが、実は風はそよとも吹かない。
海辺とは思えない無風状態で、容赦の無い日差しに汗びっしょりになる。



夏の海辺は、コンクリートの白い道がよく似合う。
どこまで続いているのか辿ってみたくなるものの暑さに負けて諦める。






海と葱畑と木の電柱。



この道も、どこまで続いて・・・・・・まあ来た道を帰りに撮っただけなのだが、この程度の登りがツライ。

一旦、国道に戻り、少し西側へと進む。
駐車場所のある高台から、ちょっと気になる道が見えていたからだ。



予想通りの構図が目の前に現れる。
ビニールハウスが目障りなようなアクセントのような・・・。
海へと一直線に続く道、ではなくて、ここも断崖の上なので、すぐ先で道は途切れている。



ただ、左へと続く道がある。たぶん、海岸へと続いているはずだ。
景色を見ながら、「あー、いいなぁ」という感想と、「あっちぃ、やってらんねー」という感情が交錯するけど、半ば義務感のように先に進んでみる。



急な坂道を下ると、目の前に海が見えてきた。



海岸に降り立つ。



相変わらず風は吹かず、波も琵琶湖と変わらないくらい。
でも、水は綺麗なので一人でちょっとハイになる。



こういう場所に来ると、いつもは寝そべって暫くぼーっと空を眺めるのだが、焼けたコンクリートに寝そべる勇気が出ない。
ただ、海も空も綺麗で、やはりぼーっと眺めてしまう。
ぼーっとするのは暑さのせいかも知れないけれど。






名残惜しいが、クーラーの恋しさが勝ったので車へ向かう。
危惧した通り、再びカーエアコンは機嫌を損ねていたが・・・。


取りあえずは車を出して、峰山町にある神社に行き、そこから戻ってくるような感じで立岩に寄った。
国道沿いにある駐車場はどこも有料。
国道から外れて川沿いの狭い道に入り、立岩のすぐそばまで行ってみるが、そこも有料駐車場になっていた。
料金を見ると「一日千円」となっている。
こっちは数十分だけ駐車するつもりなので、それで一日分取られてはたまらない。
よし、値段交渉して300円くらいなら駐車しよう、と思ったが、誰もいない。
それどころか地元の人と思しき車が入ってきて、無造作に車を止め、そのまま釣り道具を持ってどこかへ行ってしまった。
私も撮影道具を持って立岩へ行くことにする。



狭い砂浜のすぐ先には立岩が見えている。



屏風岩では屹立する岩と田畑が対照的だったが、ここは屹立する岩と砂浜が対照的。
ただ、想像していたよりスケールは小さかった。



それでも見事な岩であるのは確かで、周りには誰もいないし、ちょっとはしゃぎたくなる。



陽は西に傾いたものの暑さは残っている。
でも立岩の上に広がる空は、何だか秋の空みたいだ。






最初はここで夕暮れを撮ろうと思っていたのだが、太陽の方角がイマイチなのと、海の表情が乏しいので、先程の屏風岩で夕暮れを迎えようと決めた。






岩の上では、ユウスゲの黄色い花が咲き出していた。
屏風岩へと向かうことにする。


撮影日時 110714  屏風岩1320~1420   立岩 1810~1840
2万5千分1地形図 網野(屏風岩 立岩
駐車場 あり
地図 (屏風岩 立岩