神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

投石ノ滝(再訪)

2010年08月13日 | 滝・渓谷

奈良県吉野郡東吉野村瀧野


近くを通る機会があったので、投石ノ滝を再訪してみた。
お手軽に行けて、それなりに美しい滝ではあるけれど、格別の個性があるわけでなし、特に印象深い滝だったわけでもない。
とはいえ、このブログで初めて掲載した滝がこの投石ノ滝だったので、そういう意味では思い入れがあるし、当時とは季節も違えばカメラも違う。私自身の見る目も変わっているだろうし、どんな写真になるかな、という楽しみがあった。
実際、それほど表情豊かな滝とは思っていなかったのに、今回は思いの外たくさんの写真を撮ってしまった。
撮影中、曇り→雨→晴れ、と天気が目まぐるしく変わってくれたのも幸いして、楽しく色んな表情を撮れたと思う。
「神社のある風景」と題しておきながら、どんどん滝や渓谷の比率が上がっているような気がするが、ここが最初と思うと、何やら親しみや愛着も感じて、いつしか好きな滝の一つになっているようだ。



お寺の横を通って、よく整備された滝への遊歩道を進むと、すぐに鳥居と滝が見えてくる。
扁額は「不動明王」で、この道は遊歩道というよりは参道なのだろう。



よく整備された場所ではあるけれど、滝、祠、大木が溶け合った、素敵な環境である。









一番大きな杉が御神木で、樹齢千年とある。
祠などは素朴なものだが、信仰の歴史は長いのだろう。






昔は滝のそばに人工物があるのを嫌ったが、今は、これはこれで溶け合った風景として感じるようになった。
もちろん、溶け合える人工物は限られているけれど、ここは雰囲気良く落ち着いている。



落差は12mほど。
滝前は河原状になっており、水に触れて楽しめる。
やや濁りが感じられるが、上流に民家や水田は無いようなので、自然の濁りだろう。



大粒の驟雨が降ってきたので、木の下へと逃れて撮影。



祠の軒下へと移動し、雨宿りしながら。






滝の左の岩壁には不動明王像。






横から見れば、水は意外と勢いよく飛び出している。
思っていた以上に、色んな顔を持っているようだ。









正面からの端整な姿。









靴を濡らして対岸へ渡り、右側からも撮る。



今度は下流へ移動。



御神木とセットで。



少し日が差してきた。



滝のそばへ戻ると、御神木に日が降り注いでいる。



夏なのに、心地よく感じられる日差しだ。
周りの全てが、ふっ、と息を吹き返すように、雨に閉じ込められていた空間が解き放たれていく。









暫し木漏れ日と戯れてから、ゆっくりと滝を後にする。
すぐに夏の日差しが戻ってきたので、すぐに水が恋しくなった。


2万5千分1地形図 高見山
撮影日時 100730 13時10分~14時20分

駐車場 あり
地図