神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

酒賀神社

2010年08月06日 | 鳥取県

鳥取県鳥取市国府町菅野


鳥取市周辺の地図を見ていて、最初に気になった神社だ。
車道からやや離れており、参道が長そうだ。
神社の向かいは湿地帯で、植物好きの人間としての興味も湧く。
更に湿地帯から流れ出した川を辿っていくと滝記号がある。
この滝について調べてみると、なかなか立派で美しい滝のようで、神社よりも滝に関心が傾いてきた。
神社付近にはこれといった集落も無く、半ば放置されかけた小さな祠のようなものである可能性も考えられたから、尚のことである。
神社も滝も名称が判らず、この滝が記載されているホームページには、地名を取って「菅野の滝」として紹介されていた。
出発間際になって、それぞれ「酒賀神社」「酒賀の滝」という名称を地図で見つけたものの、改めて調べずに現地へ行った。
まずは滝へ向かい、滝音が聞こえるところまで行ってはみたが、草ぼうぼうの状況にウンザリして断念。
滝への期待が大きかったぶん落胆は大きく、半ばどうでもいいような気分で神社へ向かった。



道路がカーブするところに大きな木が繁っていて、「酒賀神社」という看板が出ていた。
思いの外ちゃんとした神社のようで、車を止め、木々に覆われた空間に足を踏み入れると鳥居が現れる。
寂れた小さな祠のような、とさえ予想していたから、この風景にはびっくりする。
鳥居横の案内板を見れば、「旧大茅十二ヶ村の郷中一の宮と呼ばれ」とあり、周辺に点在する山間集落の中心的な神社であったようだ。









参道右手は杉、左手はモミジを主体としているが、とにかくモミジの緑が鮮やかで、とても気持ちの良い空間になっている。



鳥居から神社入り口を振り返る。
右にある大木は御神木となっている。



苔も生えて素敵な参道なのだが、距離は短く、正面に見えている杉のところから直角に左に折れ、階段になってしまう。






参道を振り返る。



直角に折れた参道の先には拝殿が見えている。



階段を上りきると拝殿。
社殿周りは切り開かれて明る過ぎるのが少し残念。



しかし、本殿も思いがけず立派なもので、暫し見入ってしまう。












彫刻もなかなか凝っている。
とてもこんな辺鄙な山中にあるとは思えない神社で、不思議に思えるくらいであった。


2万5千分1地形図 稲葉山
撮影日時 100630 15時25分~16時20分

駐車場 入り口付近で道路が広くなっている。
地図