滋賀県大津市伊香立南庄町
大津市の堅田近辺の神社といえば、小野神社や神田神社がよく紹介されている。どちらも式内社だし、駅からも近く、訪ね易いという理由もあるだろう。
少し山側に目を転じると、小椋神社や、この融神社がある。やや交通の便が悪いためか少し紹介は減るが、それでも式内社である小椋神社についての記述は幾つか目に留まる。
融神社に関しては、光源氏のモデルとなった源融公を祀っているということで、神社系サイトでは殆ど見かけなかったが、その他のサイトでは、源氏物語ゆかりの神社として紹介されることが多いようである。
私にとっては、情報の出所がどこであろうと構わないのだけど、ネットで目にした参道の写真は心惹かれるものであったのに、そういった風景に関して触れている記事は少ない。
ここに限らず、どこの神社でもそうで、神社というものの環境を作り上げている風景に、あまり関心が持たれないのは残念である。
辺りは、起伏に富んだ水田と、雑木林の残る丘陵が入り組んだ里山の風情。そん明るく伸びやかな風景の中で、鬱蒼とした林の中に入っていく道がある。
入り口に鳥居は無いが、社号標と石灯籠がある。看板はちょっと無粋だが。
残念ながら車道であるけれど、ずらりと並んだ檜に覆われる鳥居までの道は、何ともいえない深みがある。
車は滅多に通らない。道路の真ん中に立って、その雰囲気と風景に浸ることが出来る。
鳥居をくぐって振り返る。辺りの雰囲気のせいか、アスファルトでさえ美しい青い帯に見えた。
近江の神社は、小さいところでも社殿の美しいところが多い。ここも端正である。
大木は無く、わりと明るい境内で、時おり右手の林の向こうから車の音が聞こえてくるが、落ち着いた佇まい。
拝殿越しに本殿。
やはり地元の人以外も訪れるのか、茅の輪のくぐり方が丁寧に書かれてあった。
2万5千分1地形図 堅田
撮影日時 080703 8時~9時
駐車場 あり
地図