滋賀県伊香郡木之本町杉野
滋賀県は行ってみたい神社が多い。
これは文献やネットからの情報に拠るものではなく、ただ地形図上の情報を読んで、そう思うのである。
地形と神社の位置が判れば、光線状態や湿度などの状況が、ある程度は想像出来るし、それによって苔生しているかどうかなども、おおよその判断がつく。
つまり滋賀県は、私にとって理想的な地形、言い換えれば、望ましい風景の中に鎮座している(であろう)神社が多いのである。
尤も、これでは社殿の状況までは判らないし、当然、植生や木々の太さも判らないから、要はそれを想像するのが楽しいし、それが当たれば嬉しい、ということなのである。
などと、人に話してみても、あまり理解されないであろうことは自覚しているけれど・・・。
で、この横山神社であるが、地形図上からは特に何も見出せない。国道沿いにあるし、環境、風景が良いとも思えない。
だが行ってみた。予想は大きく外れた。
さんざん地図からの情報取得の重要性を前置きしておきながら何だという感じだけれど、やはり現地に行ってみないと判らないものだ、ということを改めて認識させられた神社であったりする。
国道からの距離が短いので、道路沿いに即境内があるのかと予想していたが、国道とやや平行する感じで参道がのびていた。
両側は桜で、春には見事に華やぎそうだ。
二の鳥居からは雰囲気が一変して、杉の大木が林立する森厳な空気で満ちる。
社殿には鉄材が組まれ、まるで修繕中のようだが、これは補強のためらしい。
見た目には宜しくないが全ての社殿に処置が施されている。
摂社の周りも苔と杉で覆われ、厳かな気配。
時折、国道を走る車の音が聞こえてくるが、それでも張り詰めたような静寂を感じる空間。
苔も見事。
というわけで、自分の想像力の甘さを恥じ入った次第。
2万5千分1地形図 近江川合(北西)
撮影日時 071108 6時半前後
地図