犯罪被害者の法哲学

犯罪被害・刑罰・裁判員制度・いじめ・過労死などの問題について、法哲学(主に哲学)の視点から、考えたことを書いて参ります。

白取春彦編訳 『超訳 ニーチェの言葉』

2010-03-30 23:58:54 | 読書感想文
№001  初めの一歩は自分への尊敬から
「自分はたいしたことがない人間だなんて思ってはならない。それは、自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。」

№037  人生を最高に旅せよ
「自分を常に切り開いていく姿勢を持つことが、この人生を最高に旅することになるのだ。」

№040  少しも悔いのない生き方を
「今のこの人生を、もう一度そっくりそのままくり返してもかまわないという生き方をしてみよ。」

№051  いつかは死ぬのだから
「死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう。」

№118  カリスマ性の技術
「自分をカリスマ性を持った深みのある人間であるように見せたいなら、一種の暗さ、見えにくさを身につけるようにすればよい。」

№200  自分に才能を与える
「天賦の才能がないといって悲観すべきではない。才能がないと思うのならば、それを習得すればいいのだ。」


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 発売2ヶ月半で27万部突破、全国書店で続々1位。新聞・雑誌・テレビで特集続々、究極のポジティブシンキング。自分の頭で考える興奮、珠玉の金言集なのだそうです。しかしながら、この程度の言葉ならば飽きるほど世の中にあふれていますし、多分私でも言えるでしょう。ニーチェという哲学者のブランドによって説得力が上がるのは、確かにその通りであり、怖いことだとも思います。

 「人生のバイブルとなり得る1冊」との評価は、キリスト教の神を殺したニーチェの言葉に与えられるものとしては、非常に皮肉だと思います。また、私自身、毒のないニーチェは面白くも何ともないと感じます。しかし、27万部突破のベストセラーの前には、面白くないというのは(力への意志でなく)解釈への意志であり、浮世離れした哲学研究者のルサンチマンが掻き立てられるのであれば、やはりこの本は『ニーチェの言葉』に間違いないのだろうとも思います。

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