夜、小学5年生の孫が自分の部屋にはいってきた。
いつもは元気丸出しで話しかけてくるのに、この時に限って神妙な面持ちで言いにくそうに切り出した。
孫:「お願いがあるんやけど・・・」
・・・問答が始まった・・・
自分:「なに?」
孫:「カード、買ってほしいんやけど・・・」
自分:「カード? ゲームか何かの?」
孫:「そう!」
自分:「それやったら、パパとかママに頼んだら?」
孫:「アカンって言われた」
自分:「いくらぐらい するん?」
孫:「1500円」
自分:「エッ 1500円も!」
「お願いっ!」と手を合わされた。
・・・参りました・・・
かわいい孫に、『お願い』と手を合わされたら・・・
棺桶の中に入ってからだったら、手を合わしてくれれれば、安らかな眠りにつけただろうが・・・
生きている今、目の前で手を合わされたら、眠ったふりもできないし、『しゃーないなあ』と言わざるを得なかった。
その言葉を聞いて、途端に元気が出てきた孫が、『ヨッシャー』とガッツポーズをした。
よほど、嬉しかったに違いない。
都合の悪い事情があるのか、孫から一言があった。
「パパにもママにも絶対言わんといて。お兄ちゃんや妹たちにも内緒にしといて」と、口止めされた。
・・・先日のカードも・・・
先日、彼が自分の小遣いで「カード」を買ったことを思い出した。その時は、『カードを買いたいから車で送って』 『ママは用事がある』からだった。
ひょっとしたら、あの時もママに反対され、自分の小遣いで、こっそり買うのに付き合わされたのかも知れないと思った。
済んだことだし、まあ エエッか。
自分:「おじいちゃん、夜は車を運転するの控えているから、明るい時間にして」と。
孫:「わかった」
・・・遊びが進化していた・・・
翌日、学校から帰ってくると駆け込んできた。一緒に買いに行った。
買ってきたカードを、どう使うのか見ていると、ゲーム機にカードを見ながら入力していた。
ネットでつながったゲーム機にソフトをダウンロードするためのプリペイドカードみたいだった。子どもの遊びなのに・・・その高度さに愕然とした。
時代の変化を目の当たりにした!
・・・5年前・・・
5年前は、ふざけて遊ぶのが得意だったのに・・・
<5年前の保育所だった頃の写真:ぶどう園でお兄ちゃんに悪ふざけ>
あれから5年。
今、彼はバスケットとゲームに夢中。
<自宅でも、よく練習している>
・・・5年の月日は・・・・
この5年。自分は足腰が弱くなったり、物忘れが多くなったりと退化するばかり。
この5年。彼は心身ともに大きく成長していた。