『風去らば 数少なきや あめんぼう』
(かぜさらば かずすくなきや あめんぼう)
『夏風に 揺れ惑いけり 尾鶏蘭』
(なつかぜに ゆれまどいけり びけいらん)
『陽が射せば 夏雲顕わ 眩しかり』
(ひがさせば なつぐもあらわ まぶしかり)
『こうもまあ 置きどころ無き 夏の女』
(こうもまあ おきどころなき なつのひと)
『ふるさとの 山聳え立つ 雲の峯』
(ふるさとの やまそびえたつ くものみね)
『おばちゃんは 日傘スタンド 自慢げに』
(おばちゃんは ひがさすたんど じまんげに)
『学び舎の 小池に泳ぐ 金魚あり』
(まなびやの こいけにおよぐ きんぎょあり)
『このごろは サングラス少な 顔佳きや』
(このごろは さんぐらすすくな かおよきや)
『七夕の 無垢の短冊 笹の前』
(たなばたの むくのたんざく ささのまえ)
『緑濃き 並木ぶつかる 交差点』
(みどりこき なみきぶつかる こうさてん)
『空と海 夏の青さを 鳶飛ぶ』
(そらとうみ なつのあおさを とんびとぶ)
『各駅の 停車に負けず 昼寝継ぐ』
(かくえきの ていしゃにまけず ひるねつぐ)
学生の時、しばらくの間、故郷をはなれ
横浜に行っていました。今は、大和に
もどって、日々、国中(くんなか)で
生活しています。
『ふるさとの 山聳え立つ 雲の峯』
青春時代を思い出して、この句を味わい
ました。炎天下で走ることができる体力が
あるころです。