くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

どっち?

2004-11-01 14:02:00 | エッセイ
kunitationdai250

 最近、CDプレーヤーが音跳びするようになった。音楽中毒の人間には大変つらい状況である。とりあえずDVDプレーヤーでもCDは聴けるのだが、こちらは音がイマイチ、いやイマニである。軽くて浅い感じだ。CDを再生するだけのために作られたCDプレーヤーというのはやっぱりエライのである。ハイブリッド(複合)よりソリッド(単一)なのである。時代とは逆行しているが。
 しかし“聴けるだけ”まだいいのであろう。実は聴こうと思えばパソコン内臓のドライブでも聴けるし、外付けのCD-Rでも聴けるのだから。

 週末は立川市にある国立(くにたち)音大の芸術祭に行ってきた。いわゆる学祭である。学生とはいえ、さすが国立。三年生の演奏が実に良かった。OBが参加した大編成はもっと良かった。正面にいたトロンボーンのフォルテが真っ直ぐ身体にぶつかってきて、衣服や顔の皮膚を震わせるのだ。うおおブラボー!

kunitationdai300

 やはりオーディオとかメディアに金を掛けるよりも、その分演奏会とかライブに行ったほうがいいなと実感した。生の演奏に敵うようなシステムなんて存在しないのである。もっともこれは初めて思ったことではないが。

 日頃は小さな空間で生活しているのだから、そこを快適にするのは道理だ。信頼している機器でお気に入りの音楽を聴いているのは間違いなく至福である。CD、レコード、DVDといったメディアも増えていくし、本もそう。ハードなら高性能のパソコンは欲しいし、それなら仕事用の机ももっと大きいのがいい。椅子もだ。酒を飲むのにいいグラスが欲しい、食器も。そしてそして...。

 全てを捨て去って生きていきたい。身の回りの物はバックパック一つ。思い立ったら風のように旅立つのだ。知識で武装するよりも、人の話しを聞きたい。音楽が聴きたくなったら演奏会に行けばいい。陽光の燦めく中でコーヒーを飲み、月光の下で風を聴く。
「何事もバランスが大事」なんて、したり顔で言いたくない。たとえそれが真実と分かっていても。

追:この記事はゲージツの秋ということで『Garnet Lips』“Kitaraホールと札幌シンフォニエッタ”~にトラックバック♪